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4月2日、ウィルコムで導入予定の高速無線通信規格「XGP」を推進する業界団体「XGPフォーラム」が設立された。都内で記念セレモニーが開催され、同フォーラム副議長でウィルコム取締役執行役員副社長の近義起氏らがプレゼンテーションを行った。
■ XGPが正式名称に
これまで、XGPは“neXt Generation PHS”(次世代PHS)の略称として用いられてきた。しかし、今春にも試験サービスが開始され、「次世代ではなく実用段階に入った」という観点から、“eXtended Global Platform”という名称が今後利用されることになった。
また、PHS普及活動に携わってきた団体「PHS MoU Group」が改組し、「XGPフォーラム」に生まれ変わり、活動することになった。議長は、TTC(情報通信技術委員会)理事長の井上友二氏が就任し、Business Working Group、Technical Working Group、Promotion Working Group、 Optimization Working Groupと4つの作業部会が設けられている。
会員は、エイビットやアクセス、アルカテル・ルーセント・チャイナ、アレイ・コム、フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン、日立製作所、日本ヒューレット・パッカード、インフロンティア、セイコーインスツル、UTスターコム、ノキアなど。また中国のZTEも参加予定となっている。
■ ZTEも協力
2日に開催された記念セレモニーでは、冒頭、総務省電波部長の吉田靖氏が挨拶を行った。同氏は「国内では、高速大容量の通信ニーズが高まり、熾烈な競争が展開されている。その中で、ウィルコムは定額制サービスを国内で初めて導入するなど、市場を牽引してきた。一方、通信分野はグローバル展開なしには話せないところがあり、政府としても積極的に活動する国内企業を支援する。総務省も微力ながら、XGPが発展するよう、応援させていただきたい」と述べた。
ZTE副総裁の銭強(チィエン チィァン)氏も登壇し、「ZTEは、2007年時点で海外での収益が全体の33.5%だったが、2008年年には60.6%を占めるまでになった。中国国内では中国移動に対してTDD技術に関わる提案を行っており、今後TD-LTE(中国独自の次世代通信規格)の研究開発を進める。XGPはTD-LTEに似た技術であり、ウィルコムとも良いパートナー関係が結成できると信じる」と語り、XGPに向けた製品開発に取り組む姿勢を示した。
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総務省の吉田氏
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ZTEの銭強氏
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■ 近氏、XGPの技術優位性をアピール
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ウィルコム近氏
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近氏からは、あらためてXGPの技術的な特徴が紹介された。同氏は、開口一番「XGPは、真のモバイルブロードバンドのためにデザインされた通信方式。では、“真のモバイルブロードバンド”とは何か。それは、高速でなおかつ大容量な通信をサポートすること」と語る。
インターネットや携帯電話の普及に伴い、爆発的に通信量は伸びている。近氏が今回示した、東京近郊の地図とウィルコムのネットワークを利用した通信を重ね合わせた図を見ると、通信のほとんどが都心部に集中している。同氏は「高速な無線通信を実現する為には、音声通話の1000倍以上のトラフィックをカバーする必要がある」として、大容量通信を実現するには、周波数帯域を拡大するか、技術によってS/N比を改善するしかないと指摘。とはいえ、周波数帯域を現行の1000倍割り当てるのは物理的に不可能で、スマートアンテナやMIMOなどの技術を使っても数倍~100倍程度の効率改善に留まる。したがって、1つ1つの基地局のカバーするエリアを小さくして、数多くの基地局を展開する“マイクロセル”が必須となる、というのが近氏の主張だ。
XGPでは、従来のPHSと同じく、基地局を自由に設置できる仕組みが取り入れられ、マイクロセルが実現できる。WiMAXやLTEといった他の通信方式と同じくMIMO、OFDMなども採用され、チップセットなどで同じ部品が利用できるという。また、従来のPHSとは異なる点として、マクロセルの設計も可能となっており、都心部ではマイクロセル、郊外ではマクロセルといった基地局展開が可能という。このほか、ALL IP化も取り入れられる。
近氏は「WiMAXはよく似たシステムだが、XGPは実績のある技術を活用し、スマートアンテナや基地局設計などで大容量のマクロセルも作れる。ハードウェアはWiMAXと共通化されており、スケールメリットも享受できる」と語り、真のワイヤレスブロードバンドはXGPで実現すると語っていた。
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XGPの優位なポイント
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都心部での通信量は他を圧する勢い
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■フォトギャラリー
■ URL
XGPフォーラム
http://www.xgpforum.com/ja/index.php
ウィルコム
http://www.willcom-inc.com/ja/
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(関口 聖)
2009/04/02 16:01
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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