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深夜バス、東京~大阪間で無線LANを使えるもう一つの移動手段
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3月11日と12日に開催された「第8回ケータイ国際フォーラム」の取材で京都に出かけた筆者。3月14日からは東海道新幹線(N700系)の車内で無線LANが利用できるようになっているのだが、残念ながら今回の出張では提供開始前で利用できなかった。他に無線LANが使える移動手段は無いかと探してみたところ、面白いサービスが見つかった。ウィラー・トラベルの深夜バスだ。
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1階にEXECUTIVEクラスのシートがある。2階部分は一般的な深夜バスのスタイル
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無線LANが利用できるバスは、東京~大阪・京都間で1日1便(どちらか片方向のみ)運行しており、「EXECUTIVE」というクラスのバスがこれに該当する。回線はIIJモバイルサービス/タイプD(ドコモ)が使われており、これを無線LAN(IEEE802.11b/g)に変換して乗客が利用する形になる。通常プランの乗車料金は9800~1万1000円で、無線LANの利用料は無料。ケータイから予約すれば、乗車料金は100円割引となる。
同社のサイトにある空席カレンダーを見ると分かるが、この「EXECUTIVE」クラスは大人気。1便に4席しか用意されていないこともあり、空席は皆無に近く、予約できたらラッキーというような状況だ。通常、バスの座席というと3~4列というイメージだが、「EXECUTIVE」の場合は2列でゆったり過ごせる。周囲への光漏れを気にせずに済むように各座席がカーテンで仕切られ、プライベートな空間を確保できる。時間はかかるが、新幹線よりも安く移動できるというのも魅力の一つだろう。
筆者は12日のイベント取材後、京都から新宿までこのバスに乗車し、「EXECUTIVE」シートを利用した。同シートの利用者は、乗車時に無線LANを使いたい旨を乗務員に伝えると、利用申込用紙が手渡される。これに必要事項を記入し、運転免許証などの本人確認書類を提示すれば、無線LANのWEPキーを教えてもらえる。
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所定の設定を済ませれば無線LAN接続でネットにつながる
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実際に利用してみたが、自宅や会社で利用している無線LAN同様にサクッとネットにつながった。各座席にはコンセントも用意されているので、電源の心配もいらない。何度か通信速度を計測してみたが、他に利用者がいないこともあってか、静止時で3Mbps、移動時でも1Mbps程度(いずれも下りの通信速度で、もちろん場所にもよる)で通信できた。回線を占有している状態なので、ドコモの7.2Mbps対応のデータ通信端末を利用した場合と遜色ない。
というわけで、仕事がはかどる……と思いきや、なかなか厳しい現実に直面した。バスという乗り物の性質上、新幹線などと比べると、どうしても揺れが大きいのだ。時折、飛行機の着陸時のような振動があるので、その中でパソコンを使うのはわりと大変。とりわけ目が疲れる。筆者は乗り物に強い方なので比較的大丈夫だが、酔いやすい人は気分が悪くなってしまうかもしれない。乗車して1時間ほど頑張ってみたが、取材の疲れもあり、これ以上は無理と判断し、寝ることにした。
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バスの中からケータイ Watchにアクセス
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各座席にはコンセントも用意されている
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結論としては、無線LANが使えるからといって、ガッツリ仕事ができる環境ではないが、ちょこっとメールをチェックしたり、寝るまでの暇つぶしにネットにアクセスしたりするには十分と言える。正直なところ、新幹線で移動した方が時間的にも体力的にも楽なのは確か。それでも料金は新幹線より安く、早朝に到着するので朝イチから活動できるというところにどれだけメリットを感じられるか、ということになるだろう。
■ URL
サービスの概要
http://travel.willer.co.jp/x/bus/dynamic/3/ja/html/pc/bus/premium/e_index.html
ニュースリリース
http://travel.willer.co.jp/x/bus/dynamic/3/ja/html/pc/info/wg/press/index.html#01
(湯野 康隆)
2009/03/18 10:36
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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