|
|
テレコムサービス協会 MVNO協議会は、MNOがMVNOとしてサービスを提供することについて、MVNOの主旨に反するとして反対意見を表明した。
ソフトバンクモバイルとイー・モバイルは4日、ソフトバンクがMVNO(仮想移動体通信事業者)としてイー・モバイルのネットワークを利用しサービスを提供すると発表した。MVNOとは、MNO(移動体通信事業者)から移動通信網の設備を借り受ける形でサービスを提供するもので、移動通信網の設備を持たない企業の事業形態として利用されてきた。今回のようにMNOであるソフトバンクが、イー・モバイルの設備を借り受けるMVNOともなるのは初めての事例となる。なお、同様のケースとしては、ウィルコムが、ドコモのMVNOとしてサービス提供を検討していることが明らかになっている。
MVNO協議会では、MNOがMVNOになれないという決まりはないとした上で、MVNOのガイドラインである「競争促進」「多様・低廉なサービス提供によるユーザーの利便性向上」「電波の公平・能率的な利用の促進」といった指針から、今回の事例は外れていると指摘。「周波数免許を付与されているMNOが、ほかのMNOの通信網を借りてMVNOとなるのは、MNOとしての責務を放棄することにほかならない」と、協業を明らかにしたソフトバンクなど、MNOがMVNOとなることに反対意見を表明した。
総務省では、「MNOによるMVNOを一律に認めない、とするのは適当ではない」とし、「電気通信事業法においても、MNOによるMVNOは禁止しておらず、制度上の枠組みはない」とする。同省では個別のケースについてのコメントは控えているものの、免許を付与されているMNOは、開設計画にもとづくエリアカバー率の達成や技術導入などを達成する義務を負っているとした上で、「例えば、想定を超えるトラフィックに対応するために借りる場合など、ビジネス上の経営判断は自由。ただし、その場合は設備投資について説明する必要も出てくるのではないか」との見解を示し、MNOとして移動通信網への設備投資や努力を十分に行わないままMVNOとなる場合については疑問を呈した。
ソフトバンクでは今回の協業の理由について、「ニーズが高まっているパソコンでのデータ通信サービスに応えるため」としている。同社では、今後の成長予測を踏まえた上で、同社に割り当てられた帯域では、パソコン向けの定額データ通信サービスの提供は既存ユーザーのサービス品質に影響が予測されるなど、実質的に提供が難しいと判断。今回のMVNOとしての協業に至ったとしている。なお、現在同社が提供している2GHz帯での携帯電話サービスは、今後も継続的に、可能な限り設備投資を行っていくとしている。
■ URL
ニュースリリース(テレコムサービス協会)
http://www.telesa.or.jp/committee/mvno/20090204_mno.html
■ 関連記事
・ ソフトバンクとイー・モバイル、データ通信サービスで協業
・ ウィルコム、「ドコモと提携」報道にコメント
(太田 亮三)
2009/02/05 14:25
|
ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
Copyright (c) 2009 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.
|
|
|
|
|