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UQの田中社長、「真のモバイルブロードバンドを提供する」
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UQコミュニケーションズは、26日からデータ通信サービス「UQ WiMAX」をスタートすると発表した。同社では3日、都内で記者会見を開催し、代表取締役社長の田中孝司氏からサービス概要や、同社が掲げるコンセプトなどが紹介された。
■ 目指すは「真のモバイルブロードバンド」
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自らの手で、接続~スピードテストまでデモを披露した田中社長
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田中氏は、「免許割当からの短期間でキャリアを立ち上げるのは苦しかったが、何とかこの日を迎えられた。だが、ここに至るまでに一部の方から『UQがどういった世界を作ろうとしているのか、はっきりしない』と指摘されたこともある」と述べ、コンセプト面からの説明をはじめた。
同氏は、電話が固定電話からコードレス、携帯電話へと発展したように、パソコンもまたデスクトップだけではなくノートパソコンが普及し、固定回線の高速化、携帯電話網のデータ通信サービスが成長しているとして、「UQは制限されたインターネットアクセスではなく、真のモバイルブロードバンドを提供したい」と語る。
理論上では下り最大40Mbpsと、従来のモバイルデータ通信サービスと比べると、大幅な高速化が図られているモバイルWiMAXこそ、「なんちゃってブロードバンドではなく、外出時にも本当の意味でのブロードバンドを楽しんでもらえる」(田中氏)サービスであるとし、報道陣の前で実機を使ってスピードテストを行った。会場内の基地局に接続する形でのスピードテストは、下り約16Mbps、上り約3.9Mbpsとなった。また基地局からの距離も短く障害物もほとんどない、比較的良好な通信環境ではあったが、これは予想を下回る数値とのことで、そのポテンシャルを改めてアピールした。
■ シンプルな料金体系
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シンプルでわかりやすい料金を目指した
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プレゼンテーションでは、試験サービス期間に加えて、7月以降の有料プランについても紹介された。同氏は「できるだけオープンに情報を公開したい」と述べたほか、料金プランは「シンプルに1本で行きたい」と述べ、月額4480円の「UQ Flat」のみ提供する方針を示した。期間拘束がないことや、モバイルデータ通信で最速・低料金を目指すとした。
サービスエリアについては、当初東京23区内や横浜・川崎で展開することになるが、同氏は「穴はまだまだある。隣の基地局との間にもう1つ基地局を入れる、という形でエリア拡充をはかり、満足してもらえるような形にしたい」と述べた。
料金プランについては、「UQ Flat」のみで終わるのではなく、海外からの渡航者が1日だけ利用できる形態なども検討していく方針が示された。料金面での新施策は、7月の有料サービス開始後、速やかに行うという。
このほか、田中氏からは2009年度中に数十万のユーザー獲得を目指すことも明らかにされた。
■ ノートパソコン以外の機器にも展開
データ通信カード端末4モデルをラインナップに、当初はノートパソコンでの利用が想定されている「UQ WiMAX」だが、田中氏は「インテルの協力もあり、今夏以降、ノートパソコンには続々とWiMAX通信モジュールが搭載されると思う」と述べ、具体的な説明は避けつつも、今後発表されるノートパソコンでは、無線LANとWiMAXの一体モジュールが搭載されるとの見通しを示した。この見通しを裏付けるように、3日の発表会場には、WiMAX/無線LAN対応のモジュールが展示されていたほか、ノートパソコンにモジュールを組み込み、その内部を公開する展示も行われていた。
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モバイルWiMAXと無線LANのモジュール
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ノートパソコンに組み込んで展示
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当初はノートパソコン市場が主流になりつつも、田中氏は「ノートパソコンでの利用であれば、従来の3Gサービスとの違いはわからないだろう。しかし、家電やゲーム機、カメラなど、あらゆる機器にWiMAXが入る時代が、そう遠くない未来に始まるのではないか」と語り、各種デバイスに搭載されると予想した。ただし、ノートパソコンではある程度の需要が見込めるものの、「それ以外のデバイスでのWiMAX利用は、市場そのものがどう立ち上がるか予想できない」(田中氏)とも語っていた。
会見後、取材陣に囲まれた田中氏は、自動販売機などでの利用もダイヤルアップのないWiMAXのほうが組込機器を設計しやすいとして、徐々に移行するとした。ただし、法人での利用については、エリアがまだまだ不足しているとして、しばらく時間が必要との見解を示した。
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ノートパソコンへの搭載率は順調に伸びるという
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ノートパソコン以外のデバイスへの搭載が本命
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■ 垂直統合モデルは避け、MVNOも積極的に
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今回は自社ブランドのサービス・端末を紹介したが、垂直統合モデルには依存しない方針
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7月の有料サービス開始時には、量販店でも販売されるよう、今後取り組んでいくとした田中氏は「携帯電話ではインセンティブ、販売奨励金が利用され、見かけの価格を安くしているが、そういった3Gの世界とは異なったやり方を採用していきたい。今回、UQブランドのデータ通信カードを出したため誤解されるかもしれないが、こういった我々のブランド、垂直モデルは今後、だんだん少なくなっていくと思っている」と語る。
同氏は「UQが目指す世界は、携帯電話のような垂直統合型ではなく、メーカーがさまざまなWiMAX対応製品を量販店で売るというもの。製品本来の価格で量販店も利益が出る形で提供したい。我々自身の端末は、他のメーカーさんが出されるデバイスに対して、悪影響を与えない形を想定している」と説明。奨励金を出して、安価に販売すれば短期的な顧客獲得は期待できるものの、メーカー独自のWiMAX製品の販売が伸び悩む可能性があるため、インセンティブは利用しない方針を示した。
携帯電話ビジネスでは、販売奨励金を費やせば端末価格を押し下げるため、資金力の豊富なキャリアのほうが有利で、新規のMVNO参入を妨げるという指摘もある。垂直統合モデルを否定する姿勢を見せたUQでは、MVNOの参画に意欲的な姿勢を見せてきたが、今回の会見で田中氏は「守秘義務があるため具体的には言えないが、試験サービス期間中から一部のMVNOが我々と同じような試験サービスをスタートすると思う。有料サービス開始後には、もっと多くのMVNOが登場する」とMVNOが続々と登場することを示唆した。
会見後の囲み取材で、あらためてその数を尋ねられた田中氏は「現在20社程度決まっている。そのうち1つはニフティ(@nifty)で、ISPのほかにもこれまで考えられないような業種の利用もあり、今夏に向けて70~80社がMVNOになるのではないか」とした。
■ URL
UQコミュニケーションズ
http://www.uqwimax.jp/
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・ UQ、WiMAXサービスを2月26日スタート
(関口 聖)
2009/02/03 17:53
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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