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エリクソンが語る次世代通信の今後、LTE普及は2015年以降か
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日本エリクソンは6日、「Mobile Broadband―Now!」と題した業界関係者向けセミナーを開催した。エリクソン本社から来日した、Jonasu Lundstedt氏からは次世代のモバイルブロードバンド技術の進展状況や予測が、Mats Norin氏からは通信モジュールの組込市場に対する展望が語られた。
■ HSPA evolution、豪州で商用化
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エリクソンのLundstedt氏
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日本ではNTTドコモやソフトバンクモバイル、イー・モバイルがW-CDMA方式という技術を、auがCDMA2000 1x方式という技術でサービスを提供している。どちらも第3世代(3G)と呼ばれる世代の技術で、現在はその進化版にあたる3.5Gの技術が実用化されている。
W-CDMA方式で3.5Gにあたるのが、「HSPA」(High Speed Packet Access)と呼ばれる規格だ。このうち、下りの速度を高速化するものはHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)と呼ばれ、ドコモではFOMAハイスピード、ソフトバンクでは3Gハイスピードというブランド名が付けられている。
HSPAの次には、3.9Gの技術としてLTE(Long Term Evolution)という規格が準備されており、ドコモが2010年より導入する意向を示しているが、LTEとHSPAの間を埋める規格として「HSPA evolution」と呼ばれる方式も商用化が見込まれている。
3.5Gと3.9Gの間に位置する「HSPA evolution」は、別名「HSPA+」「eHSPA」とも呼ばれる規格だが、通常のHSPAが下り最大14Mbpsとなる一方、HSPA evolutionは下り最大21Mbps~42Mbpsとなる。また、LTEは下り最大150Mbpsになると見込まれている。
Lundstedt氏は、「世界市場を見ると、2008年からHSPAが普及しはじめ、2013年まで順調に成長する。一方、GSMの伸びは止まり、今後横ばいが続くだろう」とした。
同社では、2008~2009年をHSPA evolution導入時期と見ており、LTEは2009年の導入しているが、同氏は「欧州ではGSMの廃止という話も出てきた。GSMが利用する周波数帯のうち、800MHz帯はLTEに割り当て、GSMは他の帯域に退避させ、徐々に巻き取るという形も想定されている。ただ、欧州のオペレーターでGSMサービスの終了時期を宣言したところはない」と述べたほか、技術進化で既存の通信方式が長寿化しており、LTEの普及は2015年以降になるとの予測が示された。
エリクソンによれば、豪州のTelstraでは、HSPA evolutionの商用サービスを年内に開始する予定とのこと。同サービスでは下り最大21Mbpsという通信速度が実現する見込みだ。
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左側が通信方式別に見たユーザー数の推移。一番面積が大きいGSM(青)は途中から横ばいになり、HSPA(緑)が伸びると予測
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今後のロードマップ
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■ 通信モジュールの組込市場を有望視
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ネットブックを手にするNorin氏
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Norin氏はモバイルブロードバンドの実現により、期待する市場として、いわゆるネットブック(小型軽量のノートパソコン)を手にしながら「これからはデータトラフィックの伸びが期待されているが、このような機器で通信モジュールが導入されることのメリットは大きい。ユーザーから見ると、買ってきてすぐに使えるというシンプルさに繋がり、企業が導入する場合もノートパソコンと通信機器が一体化していてコスト削減が見込める」とした。
既にDELLやLG、lenovo、東芝と話し合いを進めており、今後の製品化が見込めるという。また、ノートパソコンとは異なる、新たなネット接続デバイスの登場も期待できるとして、「そのようなデバイスは1億台でるという予測もある。そのために、従来より小型な通信モジュールの開発を進めており、実現に向けてインテルと協力している」とした。
■ URL
日本エリクソン
http://www.ericsson.co.jp/
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・ エリクソン、LTEなど次世代ネットワーク戦略を解説
(関口 聖)
2008/11/06 16:02
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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