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LG、学生デザインコンペの表彰式を開催

グランプリ「Planet Phone」は表面の星で友人などとのつながりが一目で分かる
 LGエレクトロニクス・ジャパンは、学生を対象にした携帯電話のデザインコンペティション「LG学生デザインコンペティション 2008」の表彰式を開催した。日本全国の学生を対象に携帯電話のデザインを募集したもので、412品が応募される中、グランプリを含む20組の作品が表彰された。

 グランプリに輝いたのは京都工芸繊維大学 大学院の鷲尾 和哉さんによる「Planet Phone」。閉じた状態では円形になる折りたたみ型端末で、背面にはプラネタリウムのように星が表示されている。ユーザー同士のつながりを表現するというテーマで、頻繁に連絡をとる友人や恋人は中央付近に、逆に疎遠な知人は遠くに、といったように星の距離が変化。一見して、よく連絡をとる人がどれぐらいいるのかが分かるという。しばらく連絡をとっていない人を知らせるような機能も搭載する。鷲尾さんは、「アドレス帳は100件とか200件とか登録していても、私がいつも連絡を取り合っているのはほんのわずかだった。これをもったいないと思い、プラネタリウムをモチーフにデザインを考えた。星はひとつで輝いているが、星同士がつながって星座になっている。表示される星同士の距離で、つながりが分かるようになっている」とPlanet Phoneのテーマや機能を紹介。グランプリ受賞を受けて、「コンペの提案で終わることなく進めていけたら」と今後の活動への抱負も語った。


Planet Phoneについて 表面の星の様子。中央の星は自分で、周りの星との距離が変化していく

 ゴールド賞は、千葉大学 大学院の河合 匠さん、大曽根 一平さんによる「ring」。相手を感じられるような機能を追加する過程で、携帯に「穴を開ける」というデザインに至ったというこの端末は、細身のストレートデザインの下部に親指がスッポリ入るほどの穴が開いている。通話の音声が穴をくぐって相手に届くというモチーフのほか、ハーフミラー仕上げの表示パネルは、「自分を映すものではなく、おとぎ話に出てくる鏡のような、違う世界とつながるものとして用いた」と解説。「(穴を開け)形をマイナスにすることで、人間が本来持っている想像力に働きかけられないか、という発想」と穴に込めた思いを語った。


ringについて 大胆に穴が開けられている

 シルバー賞は2作品。自分の現在の体温情報を取得できるタイル状のチップを、友人や恋人と交換することで相手の体温がリアルタイムにわかるようになるという「TEMPERATURE」、点字を表示でき、かな文字を点字に変換する機能を持つ「r.b.t ~read by touch~」が受賞した。


TEMPERATUREについて 携帯に付属のチップを交換すれば、友達の体温が分かるように。直接的ではない情報になることで「暑そうだけど、大丈夫?」といったコミュニケーションが生まれるという。裏側は全面ディスプレイとなっていた

r.b.tについて 担当した学生は、失明しかかり数日間目が見えなかった経験をもとにデザインしたという。裏側にも点字が表れることで、親指と人差し指で点字を入力したり確認したりできる

 ブロンズ賞は3作品で、電源OFFではなくスリープ状態にできるスイッチを携帯電話全体のデザインに取り込んだ「TAP.」、透明なボディーにディスプレイが包まれ、ディスプレイをスライドさせて使う「Drop」、背面の13本のストライプを剥がすことで8192通りのアレンジが楽しめる「8192」が、それぞれブロンズ賞に輝いた。

 このほか、13組のデザインが入賞として表彰されている。


TAP.について 本体がシーソー式のスイッチのようなデザインで、実際にスイッチのように動く

Dropについて ディスプレイを収めるボディを透明としたことで、収納状態でもディスプレイを確認できる

8192について 「人と同じ機種だったらなんかイヤですよね」とデザインのきっかけを語る担当の学生だが、この携帯の膨大な組み合わせの中で、同じアレンジの人に出会ったらうれしいかも、とも。

LGエレクトロニクス・ジャパン 代表取締役の李 揆弘氏
 都内で開催された表彰式には、入賞した学生や主催者、審査員の代表者が出席した。あいさつを行ったLGエレクトロニクス・ジャパン 代表取締役の李 揆弘氏は、今回が第1回となる学生ケータイデザインコンペについて「日本のユーザー動向を把握し、商品作りに活かすためのもの。知名度を上げながら、LGと言えばデザイン、と愛用してもらえるようにしていきたい」と述べ、日本市場に対する積極的な取り組みの一環であることを明らかにした。また、関係者からは、インド、イギリスでも同様の取り組みを行っていることが紹介され、今後は3カ国をまとめた形の表彰も検討していることが明らかにされた。


杉山デザイン研究所 代表の杉山 和雄氏
 審査員を務めた杉山デザイン研究所 代表の杉山 和雄氏は、「女性が少ないのには驚いた」と率直な感想を述べつつも、「最終審査を担当した5名の審査員は、それぞれ違う分野から集まったので、議論自体が楽しかった」と振り返り、「学生の斬新さを十分に味わえた」と応募作品を評した。杉山氏は、「デザイナーの役割は、表現だけでない。人と人とをいかにインタラクティブにつなげていくかということも、これからのデザイナーの大きな役割」と語り、デザインに取り組む姿勢を示すとともに、「会社では、提案だけでは通らない。説明できることも非常に重要な要素になる」と述べて、集まった学生に向け、形作るだけではない、デザインにまつわる違った一面の重要性を説いていた。



URL
  LGエレクトロニクス・ジャパン
  http://jp.lge.com/


(太田 亮三)
2008/10/17 21:53


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