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「食べたいむ」の概要
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左から、ベンチャー・リンク 代表取締役社長の松本 信彦氏、ベネフィット・ワン 代表取締役社長の白石 徳生氏
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ベネフィット・ワンは、飲食店のすいている時間帯で食事代が50%割引などになるクーポンを用意した、携帯電話向けの有料クーポンサービス「爆割クーポンショップ 食べたいむ50/30」の提供を開始した。iモード、EZweb、Yahoo!ケータイ版が順次オープンする。
今回開始された「食べたいむ」は、店舗が指定した時間帯の食べ物代が50%割引になる「爆割50」や、飲食代の合計が30%割引になる「爆割30」などの、大幅な割引クーポンを有料で配信する携帯向けサイト。
会員登録が不要な従量課金制コースの場合、「爆割50」が1回525円、「爆割30」が1回210円。月額315円でクーポン取り放題コースも用意される。
クーポンは、利用可能時間やテーブル数が店舗ごとに異なる。まず携帯サイトでクーポンを発行している店舗を検索し、内容を確認して予約することでクーポンを購入できる。クーポンを入手した後、携帯電話のクーポン画面を店頭で提示すれば割引が受けられる。1つのクーポンで1グループまで割引を受けられる。
クーポンが利用できる飲食店は、サービス開始時点で500店舗。2009年の3月末で5000店舗を目標に拡大される。
なお、福利厚生サービス「ベネフィット・ワン」の会員は利用料が6カ月間無料になるキャンペーンも実施されている。
9月3日にはドコモ向けの一般サイトがスタートし、9月下旬にはドコモの公式メニューに登録される予定。Yahoo!ケータイ版の公式サイトは9月1日に開設されており、EZweb版は9月11日に公式サイトがオープンする。
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クーポン購入までの流れ(1)
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クーポン購入までの流れ(2)
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■ ホテルや航空券のように、人気のない時期を割引
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クーポンは4種類が用意される
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課金は大きく2つのコース
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従来よりある無料のクーポンサービスと大きく違うのは、サービスの運営を飲食店からの広告費でまかなうのではなく、ユーザー課金型としたところ。店舗側は広告費や手数料を省けることで、クーポンに対する負担が軽くなるメリットがある。また、店舗側は、開店直後や平日の夕方、あるいは夜間遅くなど、客の入りにくい時間帯を指定したり、対象人数やテーブル数を指定し、店舗側の判断でクーポンを発行できることから、店舗経営や集客の最適化が図れるという。その代わり、同サービスでは閑散期は食べ物を半額にするといった大幅な割引が用意される。
これは航空業界やホテル業界を中心にみられる仕組みで、人気のない時期や時間帯は販売価格を下げて回転率を上げ、経営の効率化を図ろうとする考え方に沿ったもの。飲食店における厨房は工場の生産ラインに例えることも可能で、(従業員の数が変わらないなら)作業をしている時間が長いほど効率が上がることになる。
3日には都内で記者向けに発表会が開催された。ベネフィット・ワン 代表取締役社長の白石 徳生氏は、「需給バランスに沿った変動価格を実現するもの」と同サービス導入の背景を語り、「週末に集中するところを平日に分散させることができ、経営の効率化が図れる。広告収入に頼らないことで、ユーザー視点でのサービスが提供できる」と、これまでのクーポンサービスとは違う姿勢をアピールした。
店舗数の拡大などで協力するベンチャー・リンク 代表取締役社長の松本 信彦氏からは、飲食店側の意見が語られた。同氏は、「我々の1200店舗あまりの顧客にこのサービスを紹介したところ、さっそく導入意向をしめす店舗があった」と店舗側の反応も上々と紹介。「飲食店にとって広告は一度出すとなかなかやめられないもの。しかし、広告費は増加し、売上げの増加に苦労する中で、週末には多くの客がクーポンを持って訪れることで利益圧迫要因になっている」と飲食店側の実情を明かし、「『食べたいむ』では、売上が欲しい曜日にクーポンを設定でき、集客をコントロールできる。飲食店サイドを応援できるもので、たくさんの飲食店に利用してもらえるのではないか」と述べた。
■ 飲食店以外にも拡大した、サービスのアウトレットモールを構想
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サービスのアウトレットモールを構想
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ポイント合算サービスと連携する計画も
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ベネフィット・ワンの白石社長からは、今後の構想も明らかにされた。「食べたいむ」では、法人の一括加入向けの販売も積極的に行っていくとし、これにより、例えばクレジットカードの会員が「食べたいむ」のサービスを利用できるようになったりするという。
また、飲食店に限定している「食べたいむ」のサービスをほかのサービスにも拡大し、閑散期のサービスを流通させるサービスのアウトレットモール「アウトレットステーション」を構想していることを明らかにし、宿泊・レジャー、スポーツ・エンターテイメント、医療や教育といったサービス分野にも拡大していく方針を示した。さらに、さまざまな企業から提供されているポイントサービスを合算して交換できるポイントサービス事業と連携し、ポイントを「アウトレットステーション」の商品と交換できる事業を展開するとした。ポイント交換は販売とは異なるため、通常ならブランド維持の側面から避けられることが多い、ホテルのスイートルームといった高級サービスが格安で提供されることなども期待できるという。
白石氏は、「飲食店以外も水面下で集まっている状況。すべてのサービス業を対象にしていきたい」と意気込みを語り、事業展開に自信を見せた。
■ URL
「食べたいむ」
http://tabetime.com/
(太田 亮三)
2008/09/03 18:37
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