日本産業デザイン振興会は、22日~24日までの3日間、東京ビッグサイトにおいて、アジア最大規模のデザインイベント「グッドデザインエキスポ2008(GOOD DESIGN EXPO 2008)」を開催した。文具やインテリアからソフトウェアに至るまで多彩な審査対象製品が展示され、多くの来場者の目を楽しませた。
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製品紹介パネルに印刷されたQRコードから所定のURLにアクセスすると、その場で投票が可能に
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「グッドデザインエキスポ」は、昨年まで「グッドデザインプレゼンテーション」という名称で実施されていたデザインイベント。昭和32年に今日の「グッドデザイン賞」のルーツとなる「グッドデザイン賞品選定制度」が発足して以来、今年で52年目となり、今回より名称を変更した。
今年は、昨年を上回る約3000点の応募があり、6月25日~7月7日にかけて実施された一次審査の結果、審査対象点数は約2200点余りに絞られた(タイの優秀デザイン18点含む)。
会場では、国内外の企業やデザイナーから応募された二次審査対象製品が、領域別に2000点以上展示されたほか、「デザインコミュニケーション」エリアでは企業によるデザインの取り組みや、デザイン専攻大学による学生の作品を紹介。特設ステージではプレゼンテーションやトークショー、音楽演奏が行われ、「キッズ&ワークショップコーナー」では親子でデザインを楽しめるワークショップが開催されるなどした。
さらに、会場ではパネルのQRコードを読み取ることで、携帯電話からお気に入りの製品に投票できるようになっており、投票後には最新のランキングが確認できるなど、来場者参加型の仕組みも提供されていた。
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日本産業デザイン振興会理事長 飯塚和憲氏
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開催に先立ち、報道陣向けに行われた記者会見では、日本産業デザイン振興会理事長の飯塚 和憲氏が挨拶した。同氏は、今日のグッドデザイン賞の特徴を「歴史の長さ」「Gマークの認知度の高さ」「審査対象の急速な拡大」「国際化」の4つのポイントに分けて紹介。「数の上では携帯電話などの個人情報機器が非常に多い。さらに自動車や鉄道車両などの移動用機器の応募数も増えている」と傾向を解説したほか、より生活者の立場にたった審査方法、審査の視点が導入や、タイとのデザインの表彰制度の協力協定についても触れ、「今年も引き続きグッドデザイン事情について熱い視線を送っていただきたい」と述べた。
今後は10月8日に大賞以外のグッドデザイン賞各賞の受賞結果発表、ならびにグッドデザイン大賞候補の発表が行われ、11月6日にグランプリの選出と表彰式が開催される予定となっている。
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グッドデザイン賞審査委員長 内藤廣氏「50年くらい未来から2008年を見たときに、当時の日本人が何を望み、考え、どんな思考を持っていたのか知りたかったら、Gマークの展示を検索すれば、この時代の人間の思考あるいはライフスタイルが浮かび上がってくるだろう」
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審査副委員長 安次富隆氏「未来に対して、環境や個人情報を守っていこうというアプローチが多かったような気がする」
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審査副委員長 森山明子氏「みなさんにも2008年のデザインの風景を共有していただければと思う」
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インターフェイスのデザインについて語り合った「アルファギークに逢いたい」
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タイ政府が創設した新しいデザイン賞「Design Excellence Award」のプロダクトも展示
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音響システムに特徴があるというタイの携帯電話「I-Mobile IM 520」も展示
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液晶は176×220ピクセルで26万2144色、130万画素のカメラを搭載し。MPEG4もサポート。ターゲットは15~20歳
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■ ウィルコム、「Kuma Phone」と「nico. Marble」を展示
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小熊が横たわるウィルコムのブース
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「デザインコミュニケーション」ゾーンのウィルコムブースでは、3匹の小熊のぬいぐるみ型PHS「Kuma Phone」や「nico+」を基にマーブルチョコレートをイメージしてデザインしなおした「nico. Marble」が展示され、女性を中心に人気を集めていた。
「Kuma Phone」はぬいぐるみ作家が独自にデザインした小熊のぬいぐるみの中にW-SIM、マイク、スピーカー等が収納されており、単3電池2本で最大7時間の連続通話が可能。待受時間は約700時間となっている。
外部からの着信時には両手両足いずれかを押すことで通話できる。腹部を押すとハンズフリーでの会話も可能。終話は“しっぽ”で行う。両手両足の先端を押すことで、あらかじめ登録された4つの番号にダイヤルすることもできる。
担当者は「W-SIMを使えば、このようにぬいぐるみもケータイになる。W-SIMの持つ可能性をぜひ知っていただきたいですね」と語っていた。また、「Kuma Phone」は評判がよければ市販も考えているという。
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左から「Andy」「Bill」「Charli」
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「Kuma Phone」の内部。バッテリーには三洋電機の「eneloop」が用いられていた
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通話の様子
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ボタンがマーブルチョコレートのような「nico. Marble」。赤外線はサポートしていない
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「nico. Marble」の待受画面
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■ ノキア、「NM706i」「X02NK」を展示
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黒がベースのノキアブース
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「デザインコミュニケーション」ゾーンのノキアブースには、NTTドコモの「NM706i」とソフトバンクの「X02NK」が展示されていた。
製品の前には「サプライズが起こる」として5つの携帯番号が紹介されており、ダイヤルすると壁に埋め込まれた端末に着信。着信音とともに両サイドのイルミネーションが点滅する仕掛けが用意されていた。
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ドコモの「NM706i」
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コンパクトなボディ
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ソフトバンクの「X02NK」
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電話をかけると壁が光る
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■ 国内外の携帯電話を多数展示
このほか、「個人が使う情報機器」領域にはメーカー各社から多数の携帯電話が展示されていた。日本国内では普段目にする機会の少ない海外向けモデルも多数含まれており、来場者が興味深げに手に取っては感触を確かめる様子が見られた。
auの「Sportio」も展示されていたほか、サムスンとアディダスが協業で開発したパーソナルトレーニングスポーツ携帯電話「SGH-F110」の展示もみられた。
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auの「Sportio」
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産学協同プロジェクト「K-TAI UI DESIGN PROJECT」
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サムスンとアディダスが協業で開発した携帯電話「SGH-F110」
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スライド機構を採用
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■フォトギャラリー
■ URL
グッドデザインエキスポ2008
http://www.g-mark.org/expo/2008/
(すずまり)
2008/08/25 12:07
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