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ドコモ、健康管理機能をサポートした「らくらくホンV」
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らくらくホンV
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NTTドコモは、健康管理機能を搭載する富士通製FOMA端末「らくらくホンV」(型番:F884iES)を開発した。8月に発売される予定。価格は未定だが、4万円前後になる見込み。
「らくらくホンV」は、シニアユーザーをメインターゲットにした「らくらくホン」シリーズの最新モデル。今回は、歩数計や脈拍計を内蔵するほか、外部の体組成計や血圧計で測定した体重や体脂肪率などのデータを携帯電話に取り込んで活用できる。測定結果は、プリインストールされたアプリ「健康生活日記」で管理できる。
17日、都内で報道関係者向け発表会が開催され、同社執行役員プロダクト部長の永田 清人氏がプレゼンテーションを行なった。また会場内では、らくらくホンの各種機能を紹介するデモンストレーションが披露された。
■ 健康管理機能
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プリセットアプリ「健康生活日記」
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今回サポートされる健康管理機能は、歩数計、脈拍計、タニタの健康関連製品との連携機能、それらのデータを扱う専用アプリ「健康生活日記」となる。歩数計については、従来のらくらくホンシリーズでも採用されてきたが、今回は3軸加速度センサーを搭載しており、精度向上が図られている。日々の歩数データは、「健康生活日記」でチェックできる。
脈拍計は、メインディスプレイ上部のインカメラを利用した機能で、測定時には指先から第1関節の中間あたりをインカメラに触れるだけ。測定は15~20秒程度で完了し、1分あたりの脈拍がわかるようになっている。シンプルな操作方法ということで、「かんたん脈拍計」という名称が付けられている。
仕組みとしては、インカメラの上に指を置いて、指を透過する光を元に血管の動きを陰影で捉えるというもの。その動きを専用のアルゴリズムで解析し、脈拍をカウントする。インカメラのデバイスは、従来のカメラデバイスと同等で、脈拍計としての機能はソフトウェア上で実装されている。
外部からの光が必要な仕組みのため、暗い部屋ではうまく動作しないこともある。測定するには、どの指を使っても良い。また年齢に関わらず測定できるという。「らくらくホンV」で測定した脈拍データは、「健康生活日記」上でグラフなどで振り返ることができる。
タニタ製品との連携機能では、体組成計や血圧計の測定データを「らくらくホンV」に転送し、日々の状態を管理できる。データ転送は赤外線通信で行われるが、プロトコルはタニタ製品専用のものとなっており、他社製品との連携はできない。タニタ提供のWebサイト「TANITAからだカルテ」との連携機能が用意されており、「らくらくホンV」から専用サーバーにアップロードして、管理することもできる。
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インカメラで脈拍をチェック
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タニタ製品と連携
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■ 使いやすさの向上を図る
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オープンアシスト
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新たに採用された「オープンアシスト」は、ヒンジ横のボタンを押すことで、端末を開けるというもの。パナソニック製の携帯電話で採用されている「ワンプッシュオープン」と同等の機能で、展示会場の担当者は「パナソニックから提供されたもの」と説明していた。
通話面での性能向上を図る機能として、従来の機能を強化した「スーパーはっきりボイス2」「スーパーダブルマイク」が利用できる。「スーパーはっきりボイス2」は、端末背面にあるマイクで周囲の騒音をチェックし、相手の声を従来より細かく音量調整して、聞こえやすくしている。
もう一方の「スーパーダブルマイク」は、従来と比べ、前方向(マイク位置から見て口のある方向)の騒音を抑えられるようになった。こちらの機能も「スーパーはっきりボイス2」と同じく、背面のマイクを使っている。口付近のマイクと背面のマイクを使って、音が届くタイミングのズレをチェックして、騒音の距離を測定。遠い位置にある騒音は抑えるという仕組みになる。
会場では、駅の騒音を流すスピーカー、らくらくホンV、らくらくホンVに喋りかける声を流すスピーカーの3つを配置した小さなボックスが用意されていた。ボックス内の音は、デモ用の専用機器を経由してボックスの外にも流れていたが、専用機器で「スーパーダブルマイク」の技術をONにすると、ボックスの外に流れている音から駅の騒音部分だけがほとんど聞こえなくなり、喋りかける声だけが聞こえていた。
このほか、騒音や揺れを感知すると自動的に着信音量を大きくし、一定時間着信が続くとバイブレーターがONになる「おまかせでか着信音」もサポートする。また、本体を持ち上げて傾けるだけで背面液晶のバックライトが点灯する「おまかせバックライト」も対応する。
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スーパーダブルマイクのデモ用に設置されたボックス
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ボックス内の音を波形で表示。スーパーダブルマイクの技術をONにすると、騒音が低減され波形の乱れが少なくなった
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■ 主な仕様、視覚障害者向けコンテンツも
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録音図書コンテンツにも対応
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メインディスプレイは約2.8インチ、240×352ドットのワイドQVGAサイズ、26万2144色表示のTFT液晶で、サブディスプレイは約1.4インチ、96×128ドットのモノクロFSTN液晶となる。
外側に約200万画素(記録画素数約190万画素)のCMOSカメラ、内側に約32万画素(記録画素数約31万画素)のCMOSカメラを装備する。カメラ撮影時には、写真の暗い部分を明るく鮮明に自動補正する「おまかせ逆光補正」が用意されている。
主な対応機能・サービスは、WORLD WING(3G)、ビデオクリップ(10MBのiモーション)、着うた、GPS、エリアメール、ソフトウェアアップデート(自動更新対応)、音声入力メールなど。
大きさは約108×50×17.3mm、重さは約113g。連続待受時間は約475時間、連続通話時間は約160分。ボディカラーはゴールド、ラベンダー、ロイヤルブルーの3色。最大2GBのmicroSDカード、最大8GBのmicroSDHCカードが利用できる。
このほか、新たな取り組みとして、日本点字図書館提供の録音図書コンテンツにも対応している。同コンテンツは、小説や古典作品などを朗読する音声を専用アプリで再生するというもの。「らくらくホンV」発売時には約1万点のタイトルが用意される予定。どのユーザーでも作品ラインナップは確認できるが、再生するには、日本点字図書館発行のIDが必要とのことで、基本的に視覚障害者のみ利用できるコンテンツという位置づけになる。
■ ユーザーの要望に応えるスタンダードモデル
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らくらくホンVを手にする永田氏
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累計販売数は1316万台に
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これまでのらくらくホンシリーズでは「安心」「簡単」「親切」「見やすい」という4点を中心に開発が進められてきた。ラインナップとしては、音声だけの「らくらくホン シンプル」、基本機能にこだわった「らくらくホン ベーシック」のほか、よりアクティブなユーザー層向けの「らくらくホン プレミアム」が用意されている。これらのらくらくホンシリーズの中で、今回発表された「らくらくホンV」は、最もスタンダードなモデルという位置づけになる。らくらくホンシリーズの累計販売数は、6月末時点で1316万台に達している。
またドコモが発表した706iシリーズでは、使いやすさに配慮した「706ie」シリーズと、健康管理機能をサポートする「SH706iw」が用意されているが、永田氏は「らくらくホンはやはりシニア層向けのモデルで、何よりもユーザーインターフェイスの継続性が非常に重要だと捉えている。らくらくホンでバリエーションを増やしていくのは、新たなユーザー層の開拓という面でも重要。ただし、らくらくホンを求めるシニア層以外でも、使いやすさを求める層はあるだろう。そこで706ieやSH706iwを展開するということ」と述べた。
プレゼンテーションを行った永田氏は、らくらくホンVで健康管理機能をサポートした理由について「健康管理を求める声も高まってきていると認識している。らくらくホンの提供する価値のうち、『安心』の1つとして提供したい」と説明した。同社ではオムロンと健康管理機能に関するプラットフォームを開発し、実証実験に取り組む方針を明らかにしているが、今回の「らくらくホンV」とは直接の関係はないという。
このほか、iPhoneについて永田氏は「iPhoneは素晴らしいプロダクトだと思うが、やはりマルチメディアを好む人、あるいはITリテラシーが高い人にとって使いやすい製品だと思う。キーで操作して本当に使いやすい端末はらくらくホンだと思う。リテラシーに関わらず、マニュアルなしでも操作できるかどうか、らくらくホンほど電話の根本にこだわっている製品はないと思う。マニュアルなしでの操作、心地よいインターフェイスという点では、結果は異なるが、らくらくホンもiPhoneも同じところを狙っているのではないか」と説明した。
なお、NTTドコモと富士通が3月に発表した、ソフトバンクモバイルが販売する東芝製携帯電話「かんたん携帯 SoftBank 821T」の製造、販売の差し止めを求める仮処分申請については、「現在も係争中で答えは差し控える」とされた。
■フォトギャラリー
■ URL
ニュースリリース
http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/080717_00.html
らくらくホンV 製品情報(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/product/easy_phone/foma_rakuraku5/
らくらくホンV 製品情報(富士通)
http://www.fmworld.net/product/phone/f884ies/
(関口 聖)
2008/07/17 14:58
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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