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KDDI、第24期定時株主総会を開催

 KDDIは、6月19日午前10時から、東京・品川の品川プリンスホテルにおいて、第24期定時株主総会を開催した。

 会場には509人の株主が出席(昨年の出席数は475人)。インターネットなどによる議決権行使を含めて、議決権個数は367万1291個に達した。

 まず、KDDIの小野寺正社長兼会長は、第24期の事業報告を行ない、5期連続での増収増益を達成したこと、営業利益では初めて4000億円を突破し、過去最高を達成したことに触れながら、「移動体通信事業では、auの累計契約数が3000万契約を達成。累計シェアは29.3%、純増数は279万となった。端末、料金、コンテンツといった観点から、総合的な商品力の強化を図った」などとした。

 昨年11月から開始した新たな販売方式の導入、フィルタリングサービスの拡充、法人向け営業体制の強化などの第24期の取り組みについても説明する一方、W42Kに搭載している電池パックの一部において発熱、膨張し、発煙や破裂に至る可能性があることを確認したことで、順次、電池パックの交換を行なっていることに触れ、「大変ご迷惑をおかけした。再発防止に対策を講じる」とした。

 さらに、新たな事業として、UQコミュニケーションズによるモバイルWiMAXサービスの開始を2009年度に予定していることを紹介した。「2009年2月から東京23区で試験サービスを開始、夏には首都圏、名古屋や大阪で商用サービスを開始し、モバイルブロードバンドによる新たな市場創出を図る」としたほか、7月に営業を開始する「じぶん銀行」については、「携帯電話、インターネット、固定電話を通じた円預金、振り込みなどの決済サービスを提供。auの携帯電話を利用しているお客様には、携帯電話ならではの便利なサービスを提供できる」とした。

 また、両角寛文取締役執行役員専務は、書面による質問への回答を行なった。

 「株式の騰落変動性が高いのは、株主構成で個人比率が低いことが課題」とする質問については、「個人投資家を対象としたセミナーの開催や、個人投資家向けIRサイトの整備を行なった。個人投資家の比率は、3月末で0.22ポイント上昇し、4.56%となった。地道だが継続して取り組んでいく」とした。

 「固定通信事業については赤字増加だが、チャレンジ2010で示したように、2010年度の黒字化を予定している。営業費、開通工事費に多額のコストが必要であるが、コスト構造の見直しを進めている。首都圏、中部圏で自前化を実現したことで、一定顧客を確保すれば黒字化できるという道筋が見えている。映像系サービス、auとの連携強化による差別化を図る。販路についても、auショップを活用した顧客獲得を推進するといった施策を進める」と回答した。


小野寺社長
 株主との質疑応答には約1時間以上の時間が費された。

 北京オリンピックを控えた中国とのテレビ映像伝送ネットワークについては、「これに関しては、KDDIが一括で受注している。今回のオリンピックに向けては、複数の冗長性をとっており、万全の体制としている」(伊藤泰彦代表取締役執行役員副社長)、「携帯電話では、北京オリンピックに向けた特別なサービスを用意しているわけではないが、チャイナユニコムと国際ローミングのパートナー契約を結んでおり、障害発生時の対応も万全にしている」(高橋誠取締役執行役員常務)とした。

 また、これまでの企業統合における評価を問われた小野寺社長は、「今年10月に8年目を迎えるが、売り上げ、利益はそれなりに伸ばしてきた。この間の合併会社は15社になるが、人の統合を図ることが、業績の向上には大切であると考えてきた。人の統合については順調に進んできたといえる。だが、固定系ネットワークの統合についてはシンプル化や、経営資源が統合されているかという点では課題がある。言い換えれば、ここにおける経営資源を統合することが経営効率の向上につながる」とした。さらに、「チャレンジ2010における量的拡大については、これまで携帯電話を中心にやってきたが、個人ユーザー市場には飽和感がある。法人領域や無線など、新しい分野についての領域拡大を図ることが必要。また、固定通信については、FTTHのアクセス系ネットワークを所有することが重要な時期にきている。顧客を増やすことで、基本料金収入、通信料金収入を増やすことができる。とはいえ、通信事業だけでのチャレンジ2010の達成は困難であり、じぶん銀行のような新しい事業への出資を進めていく。質的向上としては、お客様満足度向上、ステークホルダーの満足度を上げることに取り組み、持続的な成長を目指す」と回答した。


 自然災害時の対応については、「災害時に携帯電話が有効な手段として使われることを強く意識しており、迅速に対応できるように施策を施している。大きな問題は、電力の供給が切れる問題。移動電源車を配備して、これに対応している。また、衛星を使った移動中継基地局もあり、万が一、災害が起きても、できるだけ早く復旧できる手段を講じていく。なお、基地局の耐震性については、阪神・淡路大震災、新潟の中越地震でも、当社の基地局、鉄塔の倒壊はない」(小野寺社長)と述べた。

 また、端末機の回収については、「最近では端末だけでなく、取扱説明書についても回収するなど、積極化している。だが、携帯電話にあらゆる機能が搭載されていることも影響し、回収率は最近落ちている。本当に端末が不要になった時期でいいので、auショップなどに持ち込んでもらうようにお願いしたい」と語った。

 今年3月末でサービスを終了したツーカーにおけるプリペイドサービスがauに移行されず、電子メールアドレスが利用できなくなったとする質問に対しては、「ツーカーの利用者が、同一電話番号、同一Eメールアドレスを、auでも使ってもらえるような施策を行なってきた。ツーカーについては、大事なお客様であり、移行には1年3か月という時間をかけ、ダイレクトメールや新聞、テレビCMで告知を行なってきた。auで対応できるように料金面でも配慮し、プリペイドサービス以外のサービスとして、高齢者、子供向けの料金サービスを用意している」(高橋取締役執行役員常務)と回答した。

 なお、取締役11名の選任や定款一部変更などの第1号議案から第5号議案までの決議事項は、満場一致で決議され、午前11時48分に終了した。



URL
  KDDI
  http://www.kddi.com/


(大河原克行)
2008/06/19 13:52


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