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ニュアンス、文字入力技術「XT9」と検索技術「T9NAV」の日本語版

 米ニュアンスコミュニケーションズは、文字入力ソフトウェアの「XT9」と、検索ソフトウェア「T9NAV」の日本語版を開発した。今後は端末メーカーやキャリアに向けて供給していく。


新製品の特徴

XT9では特に2つの機能が特徴とされる

XT9では特に2つの機能が特徴とされる
 「XT9」は、これまで同社が提供してきた「T9」の後継とも言える文字入力ソフト。2007年2月に発表されていたが、今回、日本語対応版がリリースされた。

 XT9の特徴は、テンキーやQWERTYキー、ソフトウェアキー、手書き入力などをサポートすることや、T9で培われた予測変換機能など。なかでも「押し間違い訂正機能(SloppyType)」と「スペル訂正機能(Spell Correction)」は、QWERTYキーを備える機器向けの機能として利便性が高いものという。

 「押し間違い訂正機能」では、たとえばQWERTYキーで「わさび(wasabi)」と入力する場合、「wwwwbi」と入力しても予測変換候補に「わさび」と表示される。これは、「w」周辺のキーを押し間違えた可能性を配慮して、予測変換候補を導き出す技術を取り入れていることで実現している。

 もう一方の「スペル訂正機能」は、アルファベット入力だけではなく、日本語入力時にも対応している、たとえば「タンタン麺」と入力する場合、QWERTYキーのローマ字入力では「tantanmen」と入力することになるが、誤って「mantanten」と入力しても予測変換候補に「タンタン麺」と表示してくれる。従来のT9による予測変換技術と、「押し間違い訂正機能」に似た概念を組み合わせて実現されている。

 検索ソフトウェアの「T9NAV」は、検索キーワードの入力時に、T9のノウハウを活かすとともに、端末内部のデータと通信経由でのサーバー上のデータを一括検索できるというもの。検索対象は、コンテンツだけではなく、携帯電話に搭載されている機能も含まれる。T9の検索技術によって、「BL」とアルファベット2文字を入力するだけで、携帯電話に搭載されたBluetoothの設定メニューにアクセスすることもできる。また「あいまい検索」と呼ばれる機能では、「計算」と入力して電卓機能を呼び出せるなど、キーワードそのものに合致しなくとも、キーワードに関連すると思われる検索結果を導きだせる。


押し間違い訂正機能(SloppyType) スペル訂正機能(Spell Correction)
押し間違い訂正機能(SloppyType) スペル訂正機能(Spell Correction)

T9NAVの検索デモ。端末内外のデータを一括検索できる
T9NAVの検索デモ。端末内外のデータを一括検索できる

テキスト入力から飛躍した次世代プラットフォームに

部門プロダクト開発バイスプレジデントのブラッド・バーゲン氏

プロダクト開発バイスプレジデントのブラッド・バーゲン氏

左からXT9担当のジェンキンス氏、T9NAV担当のブライト氏、アジア言語開発エンジニアのスタインメッツ氏

左からXT9担当のジェンキンス氏、T9NAV担当のブライト氏、アジア言語開発エンジニアのスタインメッツ氏
 XT9とT9NAVの日本語版リリースにあたり、米ニュアンスのXT9担当プロダクトマネージャーのクリスタル・ジェンキンス氏、T9NAV担当プロダクトマネージメントディレクターのテレサ・ブライト氏、アジア言語開発エンジニアのビル・スタインメッツ氏、テキストインプット開発部門プロダクト開発バイスプレジデントのブラッド・バーゲン氏に話を聞いた。

 XT9、T9NAVは従来のT9をベースにしながら、次世代のプラットフォームとして開発が進められてきたという。その背景には、世界的に携帯電話が多機能化するという流れがあり、たとえば「T9NAV」が携帯電話搭載の機能を検索できるという点は、多くの機能の中からよりスムーズに使いたい機能を呼び出せることを目指した結果だという。またXT9のスペル訂正や押し間違い訂正といった機能が実装された背景には、タッチパネルでの操作を採用する機器が増えてきたこともある。

 XT9については、現状、QWERTYキーのみの対応だが、今後はテンキーでの操作に対応したバージョンの開発が予定されている。一方のT9NAVは、携帯電話だけではなく、ゲーム機やカーナビゲーションシステムなど他の機器への展開をにらんで開発が進められているほか、機器内と通信の検索をサポートすることで、通信事業者にとってはARPU向上に役立つ面もあるという。

 国内の携帯電話において、T9の存在感はやや薄れてきているが、この点についてバーゲン氏らは「XT9やT9NAVは日本市場に対する新たな武器と言える製品群」とアピールしていた。

 今後のスケジュールとしては、日本語版「XT9」が2008年12月末を目処にOEM向け出荷開始予定で、日本語版「T9NAVは、今年12月末にプレリリース予定で、2009年の第1四半期末を目処に出荷される予定となっている。



URL
  ニュアンスコミュニケーションズ
  http://japan.nuance.com/
  T9 製品案内
  http://www.t9.com/jp/


(関口 聖)
2008/06/18 22:13


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