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KDDIと三菱東京UFJの「じぶん銀行」、銀行営業免許を取得

左からKDDIの小野寺氏、じぶん銀行の中井氏、三菱東京UFJ銀行の永易氏

左からKDDIの小野寺氏、じぶん銀行の中井氏、三菱東京UFJ銀行の永易氏
 KDDIと三菱東京UFJ銀行が共同設立した株式会社じぶん銀行は17日、銀行営業免許を取得したと発表した。

 じぶん銀行は、KDDIと三菱東京UFJ銀行が共同設立した金融機関。本店は東京都港区六本木一丁目に設置され、代表取締役社長には中井雅人氏が就任する。資本金は200億円。株主はKDDIと三菱東京UFJ銀行で、株式保有比率は50%ずつ。

 携帯電話やパソコン、音声通話という3つのチャネルで24時間サービスを提供する。まずは円預金(普通・定期)と振込などの決済サービスが用意され、順次、外貨預金やカードローン、金融商品の仲介、保険取り扱いなどを行なっていく。

 今後の業績目標は、開業から3期目で240万口座、預金量1兆円程度で単年度黒字化を、5期目には340万口座で預金量1兆5000億円程度、累積損失の解消を目指す。

 auユーザー向けには、携帯電話ならではのサービスが提供されるという。サービス開始時期は7月中旬になる予定。


サービス内容

「じぶん銀行」アプリのトップメニューイメージ

「じぶん銀行」アプリのトップメニューイメージ

「貯金計画」のイメージ

「貯金計画」のイメージ
 じぶん銀行が当初提供するサービスは、預金口座と決済になるが、auユーザーには、特典とも言える機能が用意される。

 「ケータイ番号振込」は、振込先の指定に相手の携帯電話番号を使える機能。また、「携帯電話通帳」は、携帯電話本体に最大300項目程度まで記録できるという入出金の明細管理、月間の入出金を管理する月次収支、グラフ表示する残高推移機能などが利用できる。またEZwebでのショッピングやオークションで利用できる「じぶん銀行決済」、電子マネーをチャージできる機能もある。

 ユニークな機能としては「貯金計画」と呼ばれる機能が提供される。これは、旅行用資金を積み立てしやすくする機能で、用途と目標金額、貯金する期間を最初に登録すると、「じぶん銀行」のサービスにアクセスするたびに、1日にいくら貯金する必要があるのか教えてくれる。

 auの利用料をじぶん銀行の口座で支払えば、支払額に応じてauポイントが増量するというキャンペーンも実施される。

 このほか、個人ユーザーであれば、じぶん銀行内、じぶん銀行と三菱東京UFJ銀行との間での振込手数料は無料となる。ただし、三菱東京UFJ銀行の本支店や出張所の窓口、ATMでの現金での取引、有人対応の電話窓口での取引では手数料がかかる。現金の入出金では、三菱東京UFJ銀行とセブン銀行など提携金融機関のATMが利用できる。

 KDDIと三菱東京UFJ銀行は、じぶん銀行を所属銀行とする銀行代理業者としての活動を行なう。両社が抱えるユーザーに対して、じぶん銀行の商品やサービスを紹介し、口座開設を勧誘していく。KDDIでは、auショップに口座開設勧誘スタッフを派遣するほか、auのカタログやテレビCMでの広告宣伝などを行なう。三菱東京UFJ銀行では本支店や出張所の窓口、ATMコーナーで口座開設勧誘を行なう。

 じぶん銀行のサービスは、auだけではなく、他キャリア向けに提供される予定。ただし、auのBREW 3.1対応機種であれば、専用アプリで各種機能が利用できる。一方、BREW3.1非対応機種や他キャリア向けには、ブラウザベースのサービスが提供される。

 金利や細かな手数料は、開業までに別途案内される見込み。スケジュールとしては、7月中旬のサービス開始時点で専用アプリやブラウザを通じて各種機能が利用できるようになり、ショッピングやオークションでの決済、Edyなどの電子マネーチャージが可能になる。2008年の秋冬モデルでは、メインメニューの1つに「じぶん銀行」のアイコンが用意され、ダイレクトにアクセスできるようになる。また専用アプリがプリインストールされる。同時期には、携帯から申し込めるカードローンサービス、携帯から利用できる証券・保険の仲介サービスが提供される。

 来春を目処に、外貨預金サービスやおサイフケータイ向けのクレジットカードサービスが提供される予定となっている。なお、キャッシュカードは、開業当初から発行される。


通帳としての機能が用意される 携帯電話ならではの機能という、「携帯番号振込」
通帳としての機能が用意される 携帯電話ならではの機能という、「携帯番号振込」

秋冬モデルではメインメニューに サービススケジュール
秋冬モデルではメインメニューに サービススケジュール

顧客満足度向上を目指して

小野寺氏からは、じぶん銀行設立の意義などが語られた

小野寺氏からは、じぶん銀行設立の意義などが語られた

顧客満足度向上を掲げた三菱東京UFJ銀行の永易氏

顧客満足度向上を掲げた三菱東京UFJ銀行の永易氏
 17日、銀行免許取得を受けて3社では都内で会見を開催した。KDDI代表取締役社長兼会長の小野寺正氏と、三菱東京UFJ銀行頭取の永易 克典氏、じぶん銀行代表取締役社長の中井 雅人氏が出席し、今後の展開などを紹介した。

 小野寺氏は「KDDIでは、通信に加えて新規事業を創出して持続的成長を目指しているが、じぶん銀行はその中核に位置付けている。auの3000万ユーザーに対するサービス基盤として大きく育てたい。携帯電話は、日常生活に必要不可欠なツールになってきており、多機能化して、急速にその役割が拡大している。これまではコンテンツ購入が中心だったが、最近は洋服などの物販まで携帯電話で済ませるユーザーが増えてきた。銀行の機能を携帯電話に組み込むことで、ライフスタイルに密着した金融サービスを提供し、顧客満足度の向上に邁進したい」と述べた。

 一方、永易氏は「当行を含む三菱東京UFJファイナンシャルグループは、生活の質向上を手伝うべく、『Quality for You』というメッセージを掲げている。その中でも、携帯電話の普及には特に注目しており、モバイルならではの便利で新しい金融サービスを提供したいと考えた。同じ意識を持っているKDDIと縁があって、2006年秋頃から共同で検討してきたが、より便利で快適な生活に役立つと確信している。ユーザー1人1人のライフスタイルにあった金融サービスを提供することで、満足度を高めていく」と述べた。


携帯電話ならではの利便性提供を考えたという中井氏

携帯電話ならではの利便性提供を考えたという中井氏
 じぶん銀行の中井氏は「ユーザーの携帯電話に銀行をビルトインというコンセプトで開発を進めた。ATMの代わりに簡単かつ安全に銀行取引できる、ユーザー1人1人専用の銀行ということで、商号をじぶん銀行にした。KDDIと三菱東京UFJ銀行の資源を活かして事業を確立したい」と語った。

 KDDIと三菱東京UFJ銀行の提携ではなく、新たな金融機関を設立した意義について小野寺氏は「最近は物販やオークションまで利用されており、これまでは適当な決済手段がなかった。じぶん銀行のサービスはauユーザーに使いやすいものになる」とした。中井氏によれば、「ケータイ番号振込」はKDDIの顧客データベースと連携する機能であり、単なる提携サービスではなくじぶん銀行が設立されたからこそ、実現できたサービスだと説明していた。



URL
  ニュースリリース
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2008/0617a/

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(関口 聖)
2008/06/17 15:17


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