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オーディエンス、聴覚の仕組みを採用した携帯向け音声プロセッサ
A1010
ピーター・サントス氏
米オーディエンスは、人間の聴覚の仕組みを取り入れた携帯電話向け音声プロセッサ「A1010」を発表した。シャープ製FOMA端末「SH705iII」搭載の音声機能「トリプルくっきりトーク」は「A1010」によって実現されている。
「A1010」は、携帯電話に雑音を抑えるノイズリダクション機能、音声を明瞭に伝える機能、エコーキャンセル機能などを搭載できる音声プロセッサ。人間の蝸牛から脳幹、視床および皮質に達する音の信号経路と処理を電子機器に置き換え、複雑に混じり合った音のグループ分けを行なった上で雑音を抑える。携帯電話では2つのマイクを搭載し、マイクとベースバンドチップの間にこの機能を持つプロセッサを実装する。
電車の雑音や人混みの音など、さまざまなノイズを人間の耳のように柔軟かつ瞬時に抑えられる。例えば、駅のホームで通話中、電車がやってくると、それにつれて雑音も大きくなるが、A1010では雑音に合わせて余計な音を抑圧する。A1010を搭載した端末同士では雑踏の中でも小さな声で話せるという。
A1010では、音声加速ロジック、カスタム・デジタル・シグナル・プロセッサ、音声用周辺デバイスおよびコントロール・インターフェイスがワンチップ化されている。サイズは2.7×3.5mm、端末への組み込みが容易で、端末プラットフォームに関わらず実装できる。サンプル価格は1個500円。
「オーディエンスの技術は、人間の聴覚系インテリジェンスを使っている」と語ったCEOのピーター・サントス氏は、同社CTOのロイド・ワッツ氏が開発したチップについて説明。ワッツ博士は、「ムーアの法則」の名付け親でもあるカーバー・ミード博士の下で研究し、チップの中に聴覚を司る感覚器官「蝸牛」の構造を取り込んだ。蝸牛は、音波を電気信号に変換するA/Dコンバータのような器官という。オーディエンスはカーバー・ミード博士とマイクロソフトの共同創業者のポール・アレン氏の支援を受けて2000年に設立された。
「A1010」では、音を電気信号化する「精度の高い前処理」(サントス氏)を行なうことで、非定常音の中からいらない音と必要な音を選択。サントス氏は、「カクテルパーティの席で特定の人の声を聞くのと同じこと」と語っており、現在では科学の1つの分野になっているという。また、この仕組みを量産ベースで実現しているのはオーディエンスのみだとアピールした。
特徴
人の聴覚の仕組みを電子機器化
A1010の概要
聴覚の伝導経路
オーディエンスでは、日本のハイパフォーマンスな携帯電話市場を皮切りに、音声プロセッサを世界展開したい考え。また、携帯電話だけでなく、パソコンや自動車分野にも拡大する方針だ。現在のモデルでは、マイクを2つ搭載することで実現しているが、サントス氏は「人間の耳は片耳だけでも同じように機能する」と語っており、シングルマイクでも実現可能であることほのめかしていた。
発表会後、音楽をかけて騒音環境によるデモが行なわれた。大音量で音楽を流したがノイズキャンセル状態の「SH705iII」では、かすかに音楽が聞こえる程度にまで雑音が抑えられていた。説明員によれば、「SH705iII」では、A1010を使った機能をON/OFFで切り替える形だが、チップの設計上は10段階に設定可能だという。つまり、周囲の雑音をほぼ聞こえなくするのではなく、やや抑えるといった調整も行なえるというわけだ。ユーザーの利用動向などを調査しながら、ドコモやシャープとともに今後のモデルでの採用が検討されているという。
音声機能
25dBの雑音を抑える
メリット
SH705iIIに採用
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URL
オーディエンス(英文)
http://www.audience.com/
(津田 啓夢)
2008/06/12 19:31
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