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CSR、Bluetoothの最新技術に対応する携帯電話向けチップ

最新技術に対応する「BlueCore7」

チップと周辺デバイスの概要
 シーエスアール(CSR)は、携帯電話向けのBluetooth対応シングルチップ「BlueCore7」を発表した。携帯電話に搭載されることで、最新のBluetooth技術に加えてGPS、FMラジオ、Bluetoothの低消費電力規格のサポートが可能になる。2008年の後半に量産を開始し、2009年の初めに搭載製品が市場に登場する見込み。世界の携帯電話市場においてキーとなる端末メーカーに対し、サンプル出荷が開始されている。

 「BlueCore7」は、携帯電話でBluetoothを利用できるようにするチップの最新版。新たに「Bluetooth Ver.2.1+EDR」がサポートされるほか、FM送受信機能、基地局情報を併用できるGPS測位機能、低消費電力規格「Bluetooth Low Energy」の大きく4つの機能がワンチップで実現されている。

 Bluetooth技術の最新バージョンとして同チップでサポートされる「Ver.2.1+EDR」は、現在の「Ver.2.0+EDR」と比較して、Bluetooth対応機器を簡単にペアリングできる機能、マウスやキーボードなどのHIDデバイス向けに消費電力およびレイテンシを抑えた「SniffSubrating」機能などがサポートされている。ペアリングについては、NFCなどほかのデバイスを用いた簡便なペアリング方法もサポートされる見込み。

 「BlueCore7」でサポートされる低消費電力規格「Bluetooth Low Energy」は、過去にノキアが「WiBree」として策定していた規格を、Bluetooth SIGで「ULP」という規格(名称)を経て「Bluetooth Low Energy」としてまとめられたもの。WiBreeと同じ技術を用いた規格となり、対応するチップを搭載した腕時計やトレーニングシューズといった、単純な通信を行なうデバイスとの接続に用いられる。

 「Bluetooth Low Energy」で機器同士が通信可能な距離は従来のBluetooth同様に10m程度で、周波数帯は2.4GHz帯。機器との通信内容を単純化し、通信速度も350kbps程度までとすることで低消費電力を実現する。腕時計やトレーニングシューズ、テレビのリモコン、血圧計などといった外部機器と接続する際に用いられる。消費電力は従来の一般的なBluetooth機器と比べて大幅に低減されており、腕時計やトレーニングシューズといった外部機器側では、一般的なボタン電池で10年以上駆動できるという。なお、「Bluetooth Low Energy」では通話の音声や高速なデータ通信はサポートされていない。


「BlueCore7」の4つの特徴 従来製品との比較。BlueCore6まではBluetoothのみをサポートする

「Bluetooth Ver.2.1+EDR」など最新規格をサポート 「Bluetooth Low Energy」で外部機器との連携がさらに多様に

 このほか「BlueCore7」では、基地局情報をベースバンドチップから受け取ることでGPSの位置情報と併用できるGPS測位機能機能がサポートされる。測位が従来より短時間で済むほか、屋内でも基地局情報からおおよその位置を測定できるようになる。

 FM送受信機能では、FMラジオの受信と、FMトランスミッター機能がサポートされる。また、通話の高品質化として「AuriStream」をサポートし、ADPCMを用いた高品質な音声や「eSCO」によるエラー訂正機能が利用できる。「AuriStream」は、ヘッドセットなど外部機器側での対応も必要になる。


「Low Energyで多くのビジネスモデルが生まれる」

CSR ジャパンセールスディレクターの深田 学氏
 5日には都内で発表会が開催され、CSR ジャパンセールスディレクターの深田 学氏から説明が行なわれた。

 深田氏は、Bluetoothチップに注力してきた同社の、第7世代の製品として「BlueCore7」を紹介。4つの主要な機能や特徴を解説した。

 Bluetooth SIGで策定され、「BlueCore7」でサポートされる「Bluetooth Low Energy」については、「センサーや腕時計など、新しい使い方、新しいビジネスモデルが期待される技術。ヘルスケアの市場でも、これらのBluetooth技術で協業できるのではないか」と述べて、低消費電力により実現される新たな市場に期待を示した。

 ヘッドセットなどを用いた際の音声品質を向上させるという「AuriStream」では、対応機器側でも対応が必要としたものの、「市場の80%のヘッドセットがCSRの技術を使用している」とし、普及に向けては「今後の対応が重要になる」と語った。

 このほか同氏は、端末メーカーや市場に合わせて、GPS機能やFMラジオ機能の有無といった、「BlueCore7」のバリエーション展開を行なう用意があることも明らかにしている。



URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.csr.com/pr/pr341.htm

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(太田 亮三)
2008/06/05 17:38


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