ソフトバンクモバイルは3日、2008年夏モデル発表会を開催した。バリエーションモデルを含めて全12機種が同社代表取締役社長の孫 正義氏から紹介された。会見には、ファッションモデルの道端ジェシカや、同社テレビCMに出演する“白戸(ホワイト)家”の面々が登場した。
■ 女性が求める機能は「防水」、幅広い女性ユーザー層をカバー
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824SHを手にする孫氏
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821N GLA紹介時に道端ジェシカが登場
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プレゼンテーションがスタートすると孫氏は、開口一番、「今回のキーワードは女性。これまでのラインナップで女性ユーザーを意識した機種が足りないと思っていた。そこで今回、女性ユーザーに特化した8機種をリリースする」と述べた。
女性向けモデルとして紹介されたのは、防水対応の「824SH」と「823P」、スライド型の「825SH」、薄型モデルの「821N」、エレガントなデザインを採用した「824P」、立体印刷採用の「824T」、雑誌とのコラボモデル「821N GLA」のほか、ディズニー・モバイルの「DM002SH」となる。
孫氏は「私自身も驚いたが、アンケート調査の結果、女性ユーザーが最も求めている機能は、ワンセグやおサイフケータイ、GPSよりも防水だった。お風呂でメールを利用するというニーズが高く、幾度もアンケート調査を行なったが、そのたびに防水を求める声が一番高かった。そこで、女性が求める防水ケータイはどのようなものかという観点で開発を進めた」と語る。
女性ユーザーをメインターゲットに据えた今回のラインナップは、1年以上の時間を費やしたプロジェクトとのことで、たとえば女性の手にぴったりな携帯電話の横幅は48mmであること、デザインやソフトウェアで質感の高い世界観の提供を求めていることなどを踏まえて開発が進められた。
防水ニーズにあわせて提供する2つの機種は、ワンセグやおサイフケータイに対応するなど、「機能面でも充実させた」(孫氏)という。残りの6機種は、たとえば821Nが10代~20代の女性、824Pは都会的でスタイリッシュな女性向け、824Tはエレガントな大人の女性向け、雑誌とのコラボモデルである「821N GLA」は流行の先端を追う女性向けと、年齢やファッション性にあわせて、幅広いユーザー層をカバーすることを狙っている。
一方、男性向けとして紹介されたのが薄さ11.7mmでワンセグ対応の「820N」、表と裏に人工皮革素材を貼り付けた「823T」の2機種。とはいえ、孫氏は「男性が2機種で、女性は8機種と『女性ばかり大切にするのか』と言われそうだが、それに対しては『そうです』ということになる」と率直に述べ、会場の笑いを誘った後、同氏は「今年は女性で行こうという思い入れでやっている」とも述べ、女性ユーザーの開拓に注力していることをアピールした。
■ ハイエンドの2機種
このほか、VIERAケータイ「921P」と、AQUOSケータイ「923SH」は、ハイエンドの機種として紹介された。特に「923SH」について孫氏は「AQUOSケータイはソフトバンクで初めて登場したが、今回で第5世代となる。現時点で考えられる機能は全て搭載した。他社にない、より先進的な機能を追求した」と述べ、高精細な液晶ディスプレイ、HDDレコーダー風と称するワンセグの追っかけ再生、Wikipediaと連携する辞書検索などを紹介した。
同氏は「ワンセグ視聴中に、AQUOSケータイ向けのYahoo!にアクセスできる。シャープとヤフー、ソフトバンクによる技術的統合だ。単なるAQUOSケータイではなく、最も最先端でスピーディに進化させている。第5世代のAQUOSケータイということを認識して欲しい」と技術的に新たな試みに取り組んだことを強調していた。Wikipediaとの連携する辞書や、ワンセグ視聴中のネット接続などについては、「Wikipediaとの連携は私のアイデア。他の機種でも追求していきたい。テレビとネットの連動は、他メーカー製端末でも展開していきたい」とした。
■ 他社の動向を踏まえた質問も
質疑応答では、同日午前中にauの新機種発表会が開催されたこともあり、他社の動向を踏まえた質問が投げかけられた。たとえば、料金プランについては、当面ホワイトプランを主力にする考えが明らかにされたほか、動画コンテンツについては従来から取り組み、大容量ファイルを頻繁に送信できる設備の準備を進めているとした。
春モデルでリリースした機種がドコモから「似ている」と指摘されたことについては「ドコモさんは仮差し止め請求を要望していたと思うが、裁判所の手続きではいっさい止められなかった。私は、権利を侵害したものではないという第1次の判定が出たと認識している(ソフトバンクモバイル広報によれば、仮差し止め請求は審議中とのこと)。ドコモさんでAQUOSケータイやVIERAケータイが出るなど、お互い部分的に似ているところがある一方、追い越すように努力していることもある。我々は独自性を出しているつもりで、精一杯事業に邁進したい」と述べた。
このほか米アップルの「iPhone」については、「噂に対してはコメントしない。全てノーコメント」と、従来と同じく回答を避けた。
今回の夏モデルでノキアやサムスンといった海外メーカーの端末が登場しなかったことについて孫氏は「たまたま狭間だったということ。海外メーカーはこれからも継続して出す」と説明した。
■ URL
プレスリリース
http://www.softbankmobile.co.jp/ja/news/press/2008/20080603_06/
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(関口 聖)
2008/06/03 19:39
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