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NTT Com、「香り通信モバイル」の個人向けモニター実験を開始

「香り通信モバイル」の概要

2つの方法を提案
 NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、インターネット経由で香りを届ける「香り通信」において、携帯電話を利用した「香り通信モバイル」のモニター利用実験を行なうと発表した。同時に協業パートナー企業の募集も行ない、個人向けサービスとして商用化を検討していく。

 「香り通信モバイル」は、コミュニケーション手段としての嗅覚に着目した「香り通信」を携帯電話に対応させ、個人向けの提供を検討しているもの。モニター実験では男女20名の体験モニターにより実施され、潜在ニーズやサービス提供方法、香り発生装置の外観などさまざまな項目で調査・検証が行なわれる。体験モニターの候補者はすでに決定済みで、4月10日~20日にかけて実施される。

 「香り通信」は、手元にある香りの発生装置をパソコンに接続し、インターネット上にある「香りレシピ」をダウンロードすることで任意の香りを発生させられるというもの。現在は法人向けに提供されており、ホテルや映画館など一部施設で導入されている。

 「香り通信モバイル」では、新型の香り発生装置が開発されている。これまでパソコンと接続する必要があった香り発生装置に赤外線通信機能を搭載し、携帯電話でダウンロードしたデータを専用iアプリ経由で転送できるようにした。受信した「香るプレイリスト」に基づいた内容の香りを発生させることができ、発生させる時間やタイマー予約などの動作も可能になっている。

 また、新型の香り発生装置は従来のようにUSB接続も可能で、赤外線通信による携帯電話との連携以外に、サービスゲートウェイ利用方式も提案されている。これは、ホームサーバーなどに専用ソフトウェアを追加的に搭載し、香り発生装置を接続できるというもので、携帯電話から専用サイトにアクセスし操作を行なえば、指定時刻に香り発生装置から任意の香りを発生させるといった利用が可能。

 香り発生装置自体の機能も強化され、これまで液体だった香料がビーズ状の固形に変わり、カートリッジ方式で交換できるようになった。香料の種類は従来の6種類から16種類に増えており、組み合わせにより約600種類の香りを発生させられるという。1日2~3時間利用した場合、ひとつのカートリッジで1~2カ月間使用できる。長時間香りを発生させ続けると、のどを痛める可能性があるため、3分毎に1分間、自動停止する仕組みになっている。香り発生装置の価格は、「2万円を切る価格が目標」と説明されたが、開発中の現在は未定。


左からNTT Comの境野氏、濱田氏、パートナー企業として出席した香料会社・シムライズの吉本 宏氏
 7日には都内で記者向けに説明会が開催された。説明会に出席したNTT Com ネットビジネス事業本部 営業推進部 次世代コミュニケーション担当 担当課長の境野 哲氏は、「これまで法人向けに提供してきたが、これを個人向けに提供していこうと検討するもの」とモニター実験の主旨を説明。「インターネットを利用した調査結果などで、ニーズがあると判断した。日本を香りの力で元気にしていきたい」と意気込みを語った。

 同社 同担当 課長代理の濱田 俊一氏は、2004年の7月頃から「香り通信」について検討を始めたとし、アロマテラピーなどの利用において「アンケートでは、なんとなく気分で香りを選ぶという回答もあり、専門家がリコメンドしていくことも必要ではないかと思った」と語る。新しい香り発生装置は、設置場所がパソコンの周辺に限定されない点がこれまでと違う特徴であるとし、デザイン候補として、香りが“たゆたう”様子をイメージしたデザインの香り発生装置も紹介した。

 「香り通信モバイル」ではiアプリと赤外線通信を使ったサービスのほかに、iモードサイトとサービスゲートウェイ方式を利用するサービスも、モニター実験が実施される。濱田氏は具体的な利用イメージとして、携帯電話では「香るプレイリスト」をやりとりするといったものや、メールへの添付、デコメールのひとつとしての提供などを挙げたほか、サービスゲートウェイ方式では、ホームサーバーに接続されたほかの情報家電機器と連携し、自宅で視聴する長時間の動画と連動して香りを配信するといった例を紹介した。

 濱田氏はこのほか、NTT Comのサービスにとどまらず、他社のコンテンツにも対応できるような形で提供する意向を明らかにし、「パートナー企業と共に、商用化して成功できるかどうかを検討していきたい」と語った。


iアプリでは、既存のリストのほかにも、音や映像を好みで組み合わせることも可能。アップロードも行なえる サービスゲートウェイ方式ではiモードサイト上で操作し、ホームサーバーに設定を転送できる

新型香り発生装置のひとつ。香りが“たゆたう”様子をイメージした もうひとつの新型香り発生装置。赤外線通信を行ない確認ランプが点灯したところ

フタを外した利用時の状態。カートリッジ内に収まった各香料にはそれぞれ空気が通る穴があり、組み合わせて目的の香りを発生させる 香料のカートリッジ本体。ビーズ状の16種類の香料が収納されている。交換対象となるのはこのカートリッジ全体とのこと。使用しない香料も、長期間経過すると本来の香りが出なくなるという

赤外線通信でデータを転送しているところ サービスゲートウェイ方式で提案されるホームサーバー型装置は、既存の製品にソフトウェアを組み込む形式になる

専用iアプリの画面で、ダウンロードしたデータの一覧を見たところ。タイマー設定などは、一度転送すれば装置側で記憶して実行する 好みの香りをすぐに発生させることもできる。将来的には、占いと連動して香りを案内するといった、エンターテイメント分野での利用も想定しているという


URL
  ニュースリリース
  http://www.ntt.com/release/monthNEWS/detail/20080407.html


(太田 亮三)
2008/04/07 19:09


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