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「Symantec Mobile Security Suite 5.1 for Windows Mobile」のアンチウイルス機能
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シマンテック コーポレーションは、Windows Mobile搭載端末に対応する法人向けの総合セキュリティソフト「Symantec Mobile Security Suite 5.1 for Windows Mobile」を発表した。14日に発売される予定で、同社やシステムインテグレータを通じて販売される。
今回発表された「Symantec Mobile Security Suite 5.1 for Windows Mobile」は、アンチウイルス機能やファイアウォール機能、暗号化機能などを組み合わせたスマートフォン向けのセキュリティ対策ソフト。モバイル機器向けの製品の特徴として、暗号化や活動履歴、ログイン失敗時のデータ消去機能などで端末紛失時の対策も用意されているほか、別売りのオプションで提供されるVPN接続ソフトと連携する、端末のセキュリティ状況チェック機能も備えている。
端末内のセキュリティソフトが不正に消去されるといった改ざんを防ぐ機能や、カメラや無線通信機能など端末機能を制御可能。パソコンの管理ソフト「Symantec Mobile Security Manager」を使い、セキュリティポリシーを設定・反映させるといった操作が行なえる。
価格は導入される規模に応じて異なる。最も需要が多いと見込まれる100~249人規模への導入では、一人あたりの価格は6,700円。
■ 「スマートフォン向けのセキュリティ対策は急務」
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シマンテックの山中氏
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スマートフォンがハッカーのターゲットになりつつあると警告
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12日には都内で記者向けに説明会が開催され、「Symantec Mobile Security Suite 5.1 for Windows Mobile」の概要が説明されたほか、イー・モバイル、ウィルコム、ソフトバンクモバイルの担当者も出席し、同製品に対する期待を述べた。
製品説明はシマンテック ソリューション&プロダクトマーケティング部 セキュリティグループ プロダクトマーケティングマネージャの山中 幸代氏から行なわれた。
山中氏はスマートフォンをとりまく状況について、統計や市場調査の結果を参照しながら、世界のスマートフォンの年間出荷台数がノートパソコンをしのぐ規模になっていると紹介した。その一方で、ユーザーのリスクに対する知識の欠如や、日常のさまざまな場面で使われる携帯性など、スマートフォン特有の利用環境を指摘。スマートフォンの導入企業においてもセキュリティ対策が追いついていない状況を踏まえ、スマートフォンは「モバイルセキュリティの“Perfect Storm”(非常に大きな規模の嵐)になりつつある」と警告した。
具体的な例では、スマートフォンに感染する「スヌープウェア」と呼ばれるスパイウェアを例に挙げ、カレンダーの内容を参照し会議中にマイクを起動して盗聴を行なうといったスパイ行為になる挙動を説明。こういったスマートフォン向けの新たな脅威により、企業や個人の情報が危険に晒されているとした。
同氏はまた、通信経路が多様化しているスマートフォンではウイルスなどへの感染経路も増加しているとし、スマートフォンとしての利便性を保ちながらセキュリティ対策を講じることが重要であるとする。「場当たり的にスマートフォンを導入した」企業では統合された管理が行なわれておらず、モバイルデバイスに対するセキュリティ対策は急務であるとし、同社の新しい製品がこれらに対応した総合セキュリティソフトになっていることをアピールした。実際の端末上での動作については、「モバイル用に作っているもので、動作が重くならない工夫をしている。それほどストレス無く使えるのではないか」と語った。
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「スヌープウェア」を例にモバイル機器特有のリスクを解説
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遅れているセキュリティ対策を指摘した
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■ 各キャリアから期待する意見も
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イー・モバイルの鎌田氏
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説明会ではこのほか、Windows Mobile搭載のスマートフォンを提供しているキャリアからの挨拶もあった。イー・モバイル 営業本部 法人営業部 部長の鎌田 浩彰氏は、「我々はまだサービスを始めたばかりだが、この製品ひとつで十分なセキュリティ対策になると期待している」と期待を述べた。
ウィルコム 事業促進部 ソリューション開発グループ 課長の工藤 恵記氏は、次世代PHSのサービスイメージや次世代W-SIMの展開、先日発表されたインテルのAtomプロセッサ搭載マシンの開発に触れるとともに、法人から「オンデマンドで(セキュリティ対策を)管理したいという要望が出てきている」と語り、パソコンに近い分野でも「協業していきたい」と今後の展望を語った。
ソフトバンクモバイル 法人マーケティング統括部 プロダクトマーケティング部の國枝 良氏は、「法人向けは弱いというイメージがあるかもしれないが、スマートフォンはすでに10機種を発表している。導入規模も拡大しており、手応えを感じている」と需要の拡大を語り、「今回の製品は幅広く対応しており、端末も売りやすくなる。是非アライアンスを組んでいきたい」と共同展開に積極的な姿勢を明らかにした。
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ウィルコムの工藤氏
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次世代サービスとからめてセキュリティ対策の必要性を語った
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ソフトバンクモバイルの國枝氏
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導入と拡大の速度が速くなっているとする
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端末上での活動ログを見たところ
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ウイルス定義ファイルを更新するLive Updateは定時更新も可能、定時スキャンにも対応する
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ファイアウォールや暗号化フォルダの機能も
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「Symantec Mobile Security Manager」の管理画面
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■ URL
ニュースリリース
http://www.symantec.com/ja/jp/about/news/release/article.jsp?prid=20080312_01
製品情報
http://www.symantec.com/ja/jp/business/products/overview.jsp?pcid=2241&pvid=mobile_security_suite_1
(太田 亮三)
2008/03/12 17:29
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