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出会い系事業者に届出を義務付けへ、警察庁の研究会が提言

 警察庁は17日、有識者による「出会い系サイト等に係る児童の犯罪被害防止研究会」の報告書を公表し、報告書に対する意見募集を開始した。報告書では、出会い系サイトをきっかけとする児童の犯罪被害が増加しているという状況を受け、出会い系サイト事業者に対して公安委員会への届け出を義務付けることなどを提言している。意見はメール、郵送、FAXで受け付けており、提出期限は1月31日必着。

 出会い系サイトに対しては、児童買春などの犯罪被害から児童を守ることを目的とした「出会い系サイト規制法(正式名称:インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律)」が2003年9月から施行されている。警察庁では、法施行後に一旦は被害件数が減少したものの、2006年からは再び増加に転じていることなどから、2007年10月より対策を検討する有識者による研究会を開催。1月10日に行なわれた会合で報告書をまとめた。

 現行法では、出会い系サイトを利用して18歳未満の児童に性行為や援助交際を促した者に対して、6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金を科すことを定めている。また、出会い系サイトの事業者に対しては、児童の利用禁止を明示するとともに、利用者が児童でないことを確認するよう義務付けている。

 警察庁では同法施行後、違反した出会い系サイト事業者に対しては警告を実施しているが、事業者を特定するためにISPやサーバー管理者などの協力が得られない場合や、海外のサーバーを利用している場合、無料レンタル掲示板の場合には管理者が出会い系サイト事業者に関する情報を持っていない場合などの問題が起きているという。

 このため、報告書では、出会い系サイトの事業者に都道府県公安委員会に対する届け出を義務付け、届け出を行なわなかった業者には罰則を科すことを提言。また、届け出制を採用した場合には、どのようなサイトが「出会い系サイト」に該当するかについて、事業者が判断しやすいガイドラインを設けることを求めている。

 このほか、出会い系サイト事業者には、児童に関係する書き込みを知ったときに、その書き込みの削除を義務付けること、年齢の自主申告制を一部廃止し年齢確認方法を一層強化すること、児童の利用を防止するため事業者の責務を法に明記すること、フィルタリングの普及を促進するため保護者および携帯電話事業者の責務(努力義務)を規定することなどを提言。法に違反した事業者に対しては、行政処分(事業の停止命令を含む)の対象とすることも提言している。



URL
  報告書に対する意見募集(PDF形式)
  http://www.npa.go.jp/cyber/deaimeeting/h19/doc0/deai_pubcome_annai.pdf
  出会い系サイト等に係る児童の犯罪被害防止研究会
  http://www.npa.go.jp/cyber/deaimeeting/index.html
  警察庁:あぶない!出会い系サイト
  http://www.npa.go.jp/cyber/deai/index.html


(三柳 英樹)
2008/01/17 19:19

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