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WILLCOMコアモジュールフォーラム、AndroidでW-SIMの通話デモ

Google マップ利用中に着信した様子。電話番号が表示され、応答の選択ができる。スピーカーとマイクを使用して通話が可能

Androidが動作するPHS端末開発用のリファレンスボード。左下にはW-SIMが装着されている
 WILLCOMコアモジュールフォーラム(WCM)は、Androidが動作するPHS端末開発用のリファレンスボードで、W-SIMによる通話のデモンストレーションを公開した。

 WILLCOMコアモジュールフォーラムは、11月27日にOpen Handset Alliance(OHA)が公開・提供しているAndroidを、PHS開発用のリファレンスボード上で動作させたことを明らかにしている。これは技術的な検証として、まずはハードウェア上でAndroidの動作を試してみた、という段階だったが、6日には新たにW-SIM経由で音声通話が行なえるデモが公開された。

 デモは、技術的な試験・検証を目的とするもの。今回は発信・着信制御が行なえる様子が披露され、アプリケーション利用中の着信も実現されていた。AndroidのSDKに含まれるGSMの音声通話制御部分はそのままに、W-SIMとの間に中間制御のソフトを入れることで音声通話を実現。このため画面上のユーザーインターフェイスはAndroidに含まれるGSM用のUIが利用されている。なお、リファレンスボード用に画面制御などを調整した以外、今回のデモではAndroid自体に大きな変更は加えていない状態という。今後はパケット通信をW-SIMで行なえるよう開発が続けられる見込み。

 デモ環境の開発は、WILLCOMコアモジュールフォーラムの組込Linuxワーキンググループの会員である富士通ソフトウェアテクノロジーズと、フリースケール・セミコンダクタが手掛けている。動作した環境は前回のデモ同様、フリースケール・セミコンダクタのi.MX31(ARM11)搭載リファレンスボード(Skuld/スクルド)が利用された。CPUの動作は532MHz。

 音声通話デモは、GSM制御部分とW-SIMを橋渡しするソフトにより実現されているが、Android側でW-SIMを直接制御できるようにするにはRIL(Radio Interface Layer)ソフトウェアが必要で、担当者によれば、RILの仕様を受け取るにはOHAへの加入が必要になるのではないか、とのことだった。WILLCOMコアモジュールフォーラム自体はOHAに参加しておらず、参加するかどうかは会員企業の意向を踏まえながら今後検討していくという。


AndroidでGoogleマップを利用しているところ。今回のデモでは、パケット通信は右の有線ケーブルで行なった 起動中のW-SIMの着脱もサポート。W-SIMを抜くと画面上部に「×」が表示された

デモでどういうイマジネーションを持ってもらえるか

 実際にデモ環境を開発した富士通ソフトウェアテクノロジーズ 特定技術グループ 組込みプロジェクト プロジェクト課長の近藤 純司氏は、「WILLCOMコアモジュールフォーラムの会員に、このデモでどういうイマジネーションを持ってもらえるか」とデモの意義を語る一方、「RILがないとこの先(の音声通話制御の詳細な開発)は難しい」とも指摘した。

 WILLCOMコアモジュールフォーラム 事務局の笠浪 潤氏、山田 弘氏からは、デモ公開の意味やWILLCOMコアモジュールフォーラムのスタンスが明らかにされた。笠浪氏は、一連のデモの公開について「WILLCOMコアモジュールフォーラムの知名度の向上も兼ねている。知名度が上がることは会員企業にもメリットになる」と率直な意見を明らかにする一方、「WILLCOMコアモジュールフォーラムの主旨は、W-SIMをより使ってもらえるような製品の開発環境を整備していくもの。その中での組込みLinuxであったり、今回のAndroidであったりする。会員企業の意見があれば続けるというもので、いままでの活動を止めるかといえば、それは別の話」として、今回のデモがあくまで試験的なものであることを示した。

 山田氏は、「WILLCOMコアモジュールフォーラムはウィルコムの施策と常に連動しているわけではない。会員企業、ユーザーにとってメリットになるかどうかが判断基準」というスタンスを明らかにした。今回のデモも非営利団体である同団体ならではの技術的なトライを会員企業が形にしたもので、WILLCOMコアモジュールフォーラムの総意ではなく、先行して試験的に開発・公開されたものとした。

 Androidについては、公開されたSDKを利用したアプリケーションのコンテストが大々的に開催される一方で、対応するハードウェアの展開見通しなどについては、オープンプラットフォームである点も手伝って現時点では不明な点が多い。とはいえ、国内でもリファレンスボード上で動作する様子が公にされたことで、各社の開発にはずみがつくことが期待される。



URL
  WILLCOMコアモジュールフォーラム
  http://www.wcmf.jp/

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(太田 亮三)
2007/12/06 21:21

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