オウケイウェイヴは、音声通話とQ&Aサイト「OKWave」を連携させたサービス「VOICE de OK」を発表した。現時点で2社の採用が決定しており、まず12月中旬にトレンドマイクロが一般顧客向けサポートセンターに同サービスを採用する予定だ。
オウケイウェイヴ 代表取締役社長 兼元謙任氏
パソコンやモバイルウェブで提供されているOKWaveのQ&Aシステムに電話音声での質問投稿を加えたVOICE de OK
VOICE de OKは、企業内のコールセンターを対象としたサービスとなる。通話による音声の質問を音声認識技術によりテキスト化しOKWaveに掲載、それに寄せられたテキストの回答を音声合成技術により音声化し電話で聞くことができる。これにより、コールセンターの「繋がりにくい」という問題や、サービス受付時間の問題が解決。そして95万人以上の会員、99.2%の回答率、平均3件の回答というOKWaveのQ&Aシステムにより、他社製品との相性といったグレーゾーンに含まれる質問にも対応。さらに企業側メリットとしてコスト削減にも繋がるとしている。
発表会ではデモンストレーションも実施された。まず電話からコールセンターにコールすると、一般コールセンター同様にIVR(音声自動認識装置)が応答する。IVRにはウェブとの親和性も高いというNTTコミュニケーションズの高機能IVR「Vポータルダイレクト」を採用している。「○○をお問い合わせの方は△番を押して下さい」という一連のメッセージのなかにVOICE de OKのメニューが追加されている。利用するためには電話番号の入力が必要であり、発給されたパスワードと組み合わせ質問の履歴や回答へのアクセスを管理している。
オウケイウェイヴの代表取締役社長 兼元謙任氏は、VOICE de OKを「コミュニティを利用させていただいて企業さんのサポートを支援する。これを音声を通じてやるという世界でもあまり例を見ないサービス」と紹介した。企業ではウェブやメールという他の手段を用いたサービスも展開されているが、「企業における問い合わせの7割は電話」というデータを示し、この負担を軽減することができるとVOICE de OKのメリットを紹介した。また、一時期、コストダウンのため海外へのアウトソースが話題となったコールセンター業務だが、ここにきてサービスの質を見直す動きが出てきたという。「サポートセンターはお客さんとの良い接点であり、ここでお客さんとちゃんと対話をすれば新たな利益に繋げることができる」というのが同氏の主張である。オウケイウェイヴでは、今後2010年までに10カ国語、100カ国でのQ&Aサービスの展開を目標としており、回答のプロ(≒専門家)に利益を還元できるような「Q&Aオークション」も検討中であることなど今後の展開についても紹介した。