ケータイ Watch
最新ニュースIndex
【 2009/06/26 】
携帯フィルタリング利用率は小学生で57.7%、総務省調査
[17:53]
ドコモ、スマートフォン「T-01A」を28日より販売再開
[16:47]
ソフトバンク、コミュニティサービス「S!タウン」を9月末で終了
[15:51]
ソフトバンク、ブランドキャラクターにSMAP
[15:34]
カシオ、携帯での閲覧にも対応した画像変換ソフト
[14:56]
テレビ朝日、iモードで動画配信「テレ朝動画」を開始
[13:54]
ファーウェイ、東京に「LTEラボ」開設
[13:22]
SoftBank SELECTION、iPhone 3GS向けケース3種発売
[13:04]
「G9」の文字入力に不具合、ソフト更新開始
[11:14]
アドプラス、iPhone 3G向けコンバージョンレンズ
[10:41]

米Amazon、携帯電話内蔵の電子ブックリーダー「Kindle」

 米Amazon.comは19日、同社が「革命的」と呼ぶ電子ブックリーダー「Kindle」を発売した。Kindleは紙のように見えて目が疲れない電子ペーパー技術を使い、200冊以上の書籍を保存できる。携帯電話を内蔵しているため、PCなど他の機器を必要としないという特徴がある。

 Kindleは重さが292グラムで、大きさは19.1cm×13.5cm×1.8cm(縦×横×厚さ)。電子ペーパーディスプレイの大きさは6インチで解像度は600×800ピクセル、文字の大きさを数段階に変更することもできる。USB端子とヘッドホン端子が用意されている。価格は399ドルで、米国内でのみ購入可能だ。


携帯の通信料支払いは不要、Amazonが負担

販売ページ

「Kindle」販売ページ。紹介動画も掲載している
 Kindleには携帯電話によるデータ転送機能が内蔵されており、「Amazon Whispernet」という無線システムによって、米国内の携帯電話と同じEVDOネットワークを使って電子書籍を購入できる。この携帯電話機能のおかげでKindleはPCとシンクロさせる必要がなく、Wi-Fi内蔵機器のように無線LANスポットを探す必要もない。携帯電話がつながる米国主要都市部であれば、ビルの中や電車の中など、どこであれ電子書籍を購入できる。

 そして携帯電話機能を使用するにもかかわらず、ユーザーは携帯電話会社に毎月の料金を支払う必要がない。「AmazonがKindleに必要な無線接続料金を支払う」と説明しており、ユーザーが携帯電話会社との契約のためにデータプランやサービスプランに迷う必要がない。

 Amazon Whispernetを使って接続できる電子書籍ストアの「Kindle Store」では、現在9万冊以上の書籍が販売されており、米国の人気書籍の指標の1つであるニューヨークタイムスベストセラーリストに掲載されている書籍のほとんどは、9.99ドルで販売されている。

 そのほかに、新聞や雑誌も購読でき、その場合、紙面はAmazon Whispernetを通じて自動的にKindleに届き、発売と同時に紙面を読むことができる。新聞の購読価格は月額5.99ドルから14.99ドル、雑誌の購読価格は月額1.25ドルから3.49ドルとなっており、ともに2週間の無料試読期間が用意されている。The New York Times、Wall Street Journal、Wachington Post、TIME、Fortuneなどの英語紙のほか、フランスのLe Monde、ドイツのFrankfurter Allgemeineなど、外国紙も含まれている。

 そのほかにKindleではSlashdot、TechCrunch、BoingBoingなどのブログも読めるが、インターネットで読むのとは異なり、Kindleでは月額0.99ドルの費用が必要となる。ブログは更新されるたびに自動的にAmazon Whispernetを通してKindleにダウンロードされる。


1台ごとにメールアドレス割り当て、文書を受信・表示可能

 Kindleのもう1つの大きな特徴は、紙と同じように見えるE-Ink社による電子ペーパー技術を採用したことだ。バックライトを必要とせず、紙のように光を反射することが特徴で、PCやPDAの画面を見る時のようなぎらつきや眼精疲労が少ないという。また、その特徴から、屋外でもはっきりと読むことができるというメリットがある。電子ペーパーは消費電力が少ないため、Amazon Whispernetの電源を切っている場合には1週間充電せずにKindleを利用できるほどだ。なお、Amazon Whispernetの電源を入れたままであれば、毎日充電する必要がある。

 Kindleには英語辞書の「The New Oxford American Dictionary」が含まれており、わからない単語がある場合には、その行にある単語の意味をすぐに表示できる。また、Wikipedia.orgへのアクセスもできるようになっている。Kindleにはこうした機能を利用するためにフルキーボードが備わっており、辞書やWikipediaを参照したり、Kindlestoreで買物するために利用できる。

 そのほか、Kindleの書籍の中にしおりを挟んだり、メモを編集する機能もある。また、Kindleで読んだ最後のページはいつでも自動的に記憶するようになっているため、次に使用する際にはすぐに閉じた場所から読み始めることができる。

 Kindleには、ユーザーの個人的なドキュメントも保存可能だ。対応しているフォーマットはMicrosoft Word、HTML、TXT、JPEG、GIF、PNG、BMPファイルだ。Kindleには1台ごとにメールアドレスが割り当てられており、これらのドキュメントを送信するとKindleで読めるようになる。ただし、文章をKindleで読める形式に変換するために、1ドキュメントあたり0.10ドルが請求される。

 KindleにはUSBケーブルが付属するが、これらはオーディオブックサービス「Audible」を利用するためにある。このファイルはサイズが大きいため、PCにいったんダウンロードし、それからUSBケーブルを使用してKindleに転送する必要があるという。音声はKindleのスピーカーかヘッドホン端子を通して聞くことができる。



URL
  ニュースリリース(英文)
  http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=97664&p=irol-newsArticle&ID=1079387&highlight=
  「Amazon Kindle」販売ページ(英文)
  http://amazon.com/kindle


(青木大我 taiga@scientist.com)
2007/11/20 12:30

ケータイ Watchホームページ

ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.