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「モバイルSuica」で不正クレジットカード利用、被害額は990万円

 JR東日本は、携帯電話向けサービス「モバイルSuica」において、盗難されたりやスキミングされたりしたクレジットカード情報が登録され、電子マネー990万円分が不正利用されたことを明らかにした。

 「モバイルSuica」は、2006年1月28日より提供されているおサイフケータイ向けサービス。携帯電話が乗車券代わりになるほか、電子マネーとしてショッピングなどで利用できることが特徴。今回明らかにされたのは、不正なクレジットカード情報が登録されたというもの。本来は、携帯電話ユーザー本人が持つクレジットカードを登録することが想定されているが、今回のケースでは、盗難や偽造、スキミングによって不正に作成されたクレジットカード情報がモバイルSuicaの会員情報として登録され、電子マネーのチャージなどに利用された。

 不正利用されたクレジットカードの持ち主がカード会社から覚えのない請求をされたりしたことで発覚した。同社では2006年12月頃から不正利用されたことを確認しており、2007年10月中旬時点で被害額は990万円、不正利用されたクレジットカードは65枚となる。今夏には、不正利用を防ぐべく、対応策が実施されたとのことで、一部ケースは不正利用を防いだものの、現在も不正利用は発生しているという。

 盗難やスキミングなどによるクレジットカードの被害は後を絶たず、その対象が今回はたまたま「モバイルSuica」だったとも言える状況だが、JR東日本によれば「会員登録時に14項目入力する必要があるが、全ての情報をクレジットカード情報と照合していなかった。その隙を突かれた格好になる」として、モバイルSuicaの会員認証の仕組みにも原因の一端があることを認めている。また、「モバイルSuica」関連では昨年10月に仕様を拡充し、VIEWカード(JR東日本のクレジットカード)以外にも他社のクレジットカードを利用できるようにしており、同社では「(他社のクレジットカードを利用できるようにしたことが)遠因となっている可能性はある」としている。今回のケースで、一般ユーザーで被害を受けるのはクレジットカード保有者ということになり、モバイルSuicaユーザーに被害は発生しない。

 JR東日本では、昨年12月の不正利用確認後、対策を検討してきたが、模倣犯の拡大を防ぐことなどから10月26日付けで原宿警察署に被害届を提出。なお、同社側では不正利用した本人を特定できないという。

 現時点で、電子マネーのチャージ方法などモバイルSuicaの利用方法に関する変更は予定されていない。ただし、1日あたりの電子マネー利用上限額の設定や、1日あたりのチャージ回数の制限など不正利用を防ぐ仕組みを検討中とのこと。JR東日本では「利便性をできるだけ損なわなずに不正利用防止策を講じる必要があり、今後のスケジュールは未定」としている。



URL
  JR東日本
  http://www.jreast.co.jp/

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(関口 聖)
2007/11/09 17:01

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