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Huawei本社見学レポート
Huawei本社(Huawei提供写真)
中国のメーカー、Huawei Technologies(華為技術、ファーウェイ)が日本のメディアを対象にプレスツアーを10月16~18日にかけて開催した。
ツアーは中国の広東省深セン(シンセン)市にあるHuawei本社において行なわれた。インタビューや製品紹介だけでなく、本社をざっとではあるが見学できるという機会も得られた。残念ながら施設内での撮影は許可されなかったが、せっかくなので本社の様子もレポートしよう。なおHuaweiの概要やインタビューについては別記事にてお伝えする。
Huaweiの本社は、シンセン市の市街地からはちょっと離れたところにある。Google Mapsで検索するならば、まず「shenzhen」(シンセンの英語表記)を検索してシンセン市周辺を表示させ、さらに「Huawei」で検索することで場所がわかる。高速道路で市街地から20分ほどの場所で、Huaweiのために作られたと思われる「華為(の簡体字表記)」というインターチェンジを出てすぐのところだ。
高速道路から降りると、周囲はHuaweiの施設が建ち並ぶ
インターチェンジ出口の標識。Huaweiの名前がつけられている
日本の企業でも郊外に工場を置くことがあるが、Huaweiの場合、多くの施設を郊外にある本社に集中させている。
Huaweiのスタッフが「キャンパス」と呼ぶ本社敷地の面積は約1.6平方キロだという。大雑把に言ってしまえば、東西に1km、南北に1.6kmほどだ。たとえば東京都の中央区が約10平方キロなので、その約6分の1という広さだ。有名どころで比較すると、シャープの亀山工場は33万平方メートル=0.33平方キロなので、その約5倍にあたる。この敷地で、Huaweiの全世界にいるスタッフの3分の1にあたる2万人が働いているという。
キャンパスは一般道によって複数のエリアに分断されている
キャンパスは、部門ごとにA~Kまで11個のエリアに分けられていてる。たとえばFエリアは研究開発(R&D)部門だ。社員教育用のトレーニングセンターのあるエリアや各種福利厚生施設のある社宅エリア、緊急用発電設備まであるデータセンターエリア、マネージメント部門のエリアにはきれいな人工池があり、VIP接待用の施設、総裁の豪華な邸宅もある。
広大なキャンパスには、近代的な建物が整然と立ち並んでいる。エリアごとにデザインされているようで、たとえば研究開発部門は高層建築が立ち並び、日本の大学キャンパスに近いイメージだ。一方トレーニングセンターのエリアは、なぜか南国風イメージでデザインされていた。
製造部門の建物(Huawei提供写真)
中国というと安い賃金でたくさんの人を使う、というイメージもあるが、Huaweiはちょっと異なる。たとえばHuaweiの物流を担当するロジスティクス部門には、面積は200×100m、高さは12mくらいの巨大な倉庫があるが、入庫・出庫はSiemens Dematic製の自動機械によってほぼ無人化されている。
入荷した部品などは、RFタグと二次元コードを貼られてベルトコンベアに乗せられると、全自動で倉庫に収納される。製造部門が必要な部品を発注すれば、自動で出庫され、そのままコンベアで陸橋を超えて隣の製造部門エリアへと運ばれる。ロジスティクス部門にはわずか35人程度のスタッフしかおらず、人手はトラックからの積み卸しと自動機械の管理にしか使われていない。
Huaweiでは全スタッフのうち5割近くが研究開発部門だというが、それはこうした省力化の成果というわけだろう。中国的な人海戦術が、肉体的な部分ではなく頭脳部分で発揮されているわけだ。
Huawei自体が新しい会社で、シンセン市のこのキャンパスも数年前に作られたばかりということもあるが、その施設は筆者の予想以上に近代的で整然としていた。もちろん隅々まで施設を見たわけではないが、ざっと見学したところ、質の面では日本企業と同等もしくはそれ以上という印象を受けた。
もちろん規模の面では、これほどの施設が1カ所に集中しているのは、日本企業ではあまり例がないだろう。シンセン市の市街地から10km程度、国際的な港湾都市である香港から100km以内の場所、さらに高速道路のすぐ近くにこれだけの敷地を確保できるのも、ある意味、中国ならではなのかもしれない。
研究開発部門の建物の一つ。キャンパス内でももっとも高い建物で、地下には広大な展示スペースもある
左記の建物の入り口。当たり前だが、建物全体の印象に違わず近代的
こちらは今回の取材でインタビューなどを行なった、エグゼクティブ用のトレーニングセンター施設
トレーニングセンターのあるエリアの建物の一つ(Huawei提供写真)
キャンパス内にある社員寮。現在は満室で、空き室待ちの状態だという(Huawei提供写真)
取材時、社員寮エリアでは新入社員の研修が行なわれていた。全社員が1週間の研修を受けるという
社員寮エリアにはクラブハウスもある。中ではビリヤードや卓球ができる。屋外にはバスケットボールコートもあった
クラブハウス裏のプール。福利厚生も充実している。社内では部門対抗でバスケットボール大会も行なわれているという
研究開発部門エリアの社食。数百人を収容できる広さだが、混雑緩和のため社員は2グループに分けられ、時差利用するようになっているとか
VIP向け接待エリア。人工池があり、上品なデザインとなっている。エリア自体は出入りが自由らしく、社員かその家族らしき妊婦が散歩していた
研究開発部門エリア内の道路。完全に敷地内なので、公道ではなく私道である。実際にはこれと同じくらいの距離の道が背後にも続いている
社員によるエリア間の移動のために、シャトルバスが運行している。それぞれのエリアも広いため、乗り降りはわりと自由な場所でできる模様
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URL
Huawei(英文)
http://www.huawei.com/
(白根 雅彦)
2007/10/22 12:19
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