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ソフトバンク孫氏、「冬モデルのコンセプトは“プレミアム”」
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ソフトバンクモバイルは22日、都内で冬モデル発表会を開催した。新機種の概要やコンセプトは、代表取締役社長の孫 正義氏から紹介された。
■ 上質感を追求
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920SHを手にする孫氏
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孫氏は、プレゼンテーションの開始早々、「今回は機能追求などは置いて、上質感にこだわりぬいた。キーワードは“プレミアム”。まさに上質で気品があり、スタイリッシュ、格好良いという品揃えになっている」と語り、冬モデルのコンセプトが「プレミアム」になるとした。
春モデルでは「ファッション」を、夏モデルでは「スタイル」をコンセプトとしてきたソフトバンクモバイルだが、一方で、料金面ではホワイトプランなどで割安感を訴求してきた。ブランド戦略について孫氏は「メール無料や家族間の通話定額など、ユーザーの立場からわかりやすいものになるよう配慮してきたつもり。そのポジションはキープしていきたいが、その一方で、“安かろう悪かろう”では意味がない」と説明する。
プレミアムというイメージは、広告キャラクタでブラッド・ピットやキャメロン・ディアスを起用したように、当初から上質感、格好良さをアピールする考えだったという。孫氏は、今回のタイミングで「プレミアム」というコンセプトが掲げられたのは、「端末開発は1年かかる。これで、ソフトバンクらしい上質感を持ち、機能性に溢れた端末が出始めたということになる。安いというイメージを取りたいのではなく、良質な品がリーズナブルな価格で手に入るということ。割安な料金とプレミアム感を両立させたい」と述べた。
■ 820SH/821SHは“別格扱い”
920SH、920SC、820P……という順で新機種が紹介され、その後、新サービスの概要が説明された。一通り、プレゼンテーションが終了したような雰囲気になったが、孫氏は「最後にとっておきを紹介する。私自身の携帯電話は、乗り換えるならこれだと思っている」と述べると、ワンセグ対応のシャープ製折りたたみ端末「820SH」「821SH」のプレゼンテーションがスタート。
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装いを改め、再登場した孫氏
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孫氏が一度舞台袖に隠れ、映像での紹介、“予想GUY”を含むモデルたちが壇上に立って両機種を披露し終わると、フォーマルな服装に着替えて再び孫氏が姿を見せた。
同氏は「おサイフケータイ対応など、優れた機能を有しながら、薄く上質な仕上がりで、外装の素材にもこだわりぬいて開発した。ワンセグ端末と言えば、どうしても若者が持つような、ややマニアックな機種という印象だったと思うが、この機種ならば、フォーマルな場でも手にできる。薄くしながらも、過去の反省を活かし、操作しやすくしている。機能面だけではなく、持って心がときめく大人の機種」と語った。冬モデルのコンセプトを体現した機種として紹介された「820SH」「821SH」の両機種は、型番のほかに「THE PREMIUM」という愛称が付けられている。
■ “キャラケー”というジャンル
新機種群とは別に、個性豊かな端末として紹介されたのが「913SH G TYPE-CHAR(シャア専用ケータイ)」、そして8月に発売された着せかえ対応端末「fanfun. 815T」を元にした「ハローキティケータイ」「スヌーピーケータイ」だ。
これらのパッケージは、付属品が充実しており、たとえばハローキティケータイでは、パッケージにジュエリーボックスやストラップが付属し、スヌーピーケータイでは、犬小屋型の充電台がセットになる。またシャア専用ケータイにはザク頭部型の充電台が付属する。
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913SH Gを手にする孫氏
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孫氏は「新しく“キャラケー”という言葉を作り、商標登録までした。私自身も大のスヌーピーファンで、よく絵も描く。犬小屋風の充電台は、端末をセットするとオルゴールが鳴るようになっており、外出時にスヌーピーケータイを使って、家に帰ったら休ませて和める。こういった世界観を作ろうと企画会議を進めてきた。単なる着せかえという次元ではなく、もっと濃く深くして、マニアにたまらないモノを用意しようと考えた。携帯電話の充電を忘れて翌日出かけてしまった、という経験がある人は多いだろうが、当社は充電という行為そのものを楽しめるものにした。(ザク頭部型充電台は)世界一大きな充電器だと思う。携帯電話は単に便利な道具でなく、ライフスタイルそのものにしたい」と説明した。
ハローキティケータイとスヌーピーケータイは、5月の815T発表時には明らかにされていたもので、今回その発売が正式に決定し、発売時期が明確になった。“キャラケー”としては、人気アーティストによる「アーティスト系」、アニメなどを題材にした「キャラクター系」、アパレルブランドと協力した「ファッション系」といった分類が為されている。また、男性ユーザーを多く獲得してきた中で、全20色のPANTONEケータイ(812SH)をリリースしたことで女性ユーザーが増加したとのことで、孫氏は、今回のキャラケーは女性ユーザーに向けた施策という一面があるとも説明していた。
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シャアが913SH Gを持つイラストが投影されると、池田秀一氏による「見せてもらおうか……」というセリフも流れた
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多種多様なモデルが投入される
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■ 質疑応答ではMNPの話題も
来月上旬に決算会見を控えるソフトバンクだが、昨年10月のMNP(携帯電話の番号ポータビリティ)導入からちょうど1年を経た時期での新機種発表会とあって、会見後半の質疑応答では、新機種以外の質問も行なわれた。
MNP開始から1年を振り返った孫氏は「MNP直前、草刈り場になるとの予想が為されており、我々も大変心配していたが、機種を揃え、弱点を一気に改善して5カ月連続での純増1位を実現した。1年前にほとんどの人が想像していたものよりも、我々の結果は良かったのではないか」と述べた。
実際のユーザーの動向としては、MNPの利用は少ないとの印象のようで「この1年で、使ってきた番号にこだわるよりも、その番号を解約しても良いというニーズのほうが圧倒的に多いとわかった。もしかしたら彼氏が変わったら番号も、というニーズがあるのかもしれな。番号を大切にするユーザーを追いかける一方、当社を利用してもらえるよう、番号にこだわらないユーザーも追いかけていきたい」とした。
ボーダフォン買収後に孫氏は、4つのコミットメント(3Gネットワークの増強、端末の充実、営業体制の強化、サービス&コンテンツ強化)を掲げてきたが、「ネットワークは、他社よりも繋がりにくい状況に対するもので、いわば守りを固めるものだったが、残り3つは攻めの方針。ホワイトプランなどの値付け、CMでのブランド作り、Yahoo!ケータイの採用なども攻めだろう。ネットワーク以外は攻めまくった。今後もユーザーの好みにピンポイントにあわせて発売していく。キャラケーもその一環で、ピンポイントに狙い打つ」とした。
総務省から発表されたモバイルビジネス活性化プランを受け、今後の料金施策などについて尋ねられると、「モバイルビジネス研究会が行なわれていたが、分割販売という我々のモデルを事後承認していただいたようなものだった。ビジネスモデルについては、上から押しつけるものではない。ただ、公正でフェアな競争環境は必要。自発的に工夫していくのが自由主義、民主主義の基本的な在り方ではないか。数名の有識者が日本人全体の(ケータイの)在り方を決めて良いのか、という疑問が根本的にある。もっとも議論を行なうことは健全であり、それがオープンだったというのは歓迎したい。議論そのものはマイナスではない」と述べ、総務省で行なわれた議論に一定の評価を与えた。
このほか、新機種関連では、WMA対応機種を拡充していく方針であること、国際ローミング対応機種はハイエンドクラスを中心に進めていくことが明らかにされた。また、NEC製端末がないことは“偶然”で次機種開発が進められているという。ドコモが先に行なわれた展示会「CEATEC JAPAN」で緊急地震速報関連機能を紹介していたが、ソフトバンクモバイルでも開発中とのこと。
■ URL
ソフトバンクモバイル
http://mb.softbank.jp/
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・ ソフトバンク、「920SH」や「920SC」など冬モデル発表
(関口 聖)
2007/10/22 17:23
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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