|
|
|
アッカ・ドコモのWiMAX事業に放送や鉄道、韓国事業者が参画
|
|
|
|
|
アッカ・ネットワークスおよびアッカ・ワイヤレスは、11日に2.5GHz帯の免許申請を行なったことに伴い、都内で記者会見を開催した。会見では事業計画やパートナー企業が明らかにされた。
■ 参画企業
|
アッカとドコモに加え、ISPや鉄道、放送の事業者が参加
|
|
11日時点では16社が参加ことが明らかにされた
|
今回の発表では、既に発表済みだったNTTドコモに加え、新たなパートナー企業が発表された。免許が取得できればパートナー各社からの出資により、アッカ・ワイヤレスの資本金は300億円になる。
アッカ・ワイヤレスに出資するのは、アッカ・ネットワークス(出資額140億円、出資比率46.7%)、NTTドコモ(76億円、25.3%)のほか、東京放送(TBS)、三井物産、アイテック阪急阪神、京浜急行電鉄(京急)、韓KT Corporation、朝日ネット、NECビッグローブ、ソネットエンタテインメント(So-net)、ニフティ、フリービット、YRP事業開発研究所、JPモルガン証券、Ignite Group、DCMで、計16社となる。
出資額が確定、あるいは意向表明しているのは一部企業となっており、アイテック阪急阪神・京急・朝日ネットは出資額5億円(出資比率1.7%)で、その他のISP4社の出資額は各5,000万円(各0.2%)となる。また、YRP事業開発研究所は1,000万円(0.03%)、JPモルガン証券は24億円(8.0%)、Ignite Groupは11億9,000万円(4.0%)、DCMが10億円(3.3%)となっている。
確定金額を合計すると279億円となり、予定の300億円には21億円足りないが、KTやTBSなど、現時点で出資額が決定していないパートナー企業による出資額の合計が21億円になるという。
各社の役割としては、アッカ・ネットワークスが事業運営およびコアネットワークの運用に関するサポート、ドコモが無線網構築と無線技術のサポートと中核を担うほか、TBSはリアルタイム配信などの新サービス、三井物産はMVNE(MVNO支援事業)、アイテック阪急阪神と京急は鉄道システムへのWiMAX活用や沿線での事業開拓など、ISP各社はMVNOや販売チャネルでの貢献、KTは韓国WiBRO事業との国際ローミング、JPモルガン証券・Ignite・DCMは財政および戦略面での支援を行なう。
会見席上で、アッカ・ワイヤレスおよびアッカ・ネットワークス代表取締役社長の木村 正治氏は「参画企業は今後も募っていく」と語った。なお、NECビッグローブやSo-net、ニフティ、フリービットの4社は、ソフトバンクおよびイー・モバイルが中心となるオープンワイヤレスネットワークにも出資している。その点について質疑応答で尋ねられると、「固定系でも各通信事業者と協力している」「チャンスがある限り、いろんな選択肢を模索する必要がある」との回答がなされ、ISPおよびMVNOとしての意気込みをアピールした。
■ アッカのWiMAX事業計画
|
事業計画が発表された
|
|
アッカの木村氏
|
会見では、アッカ・ワイヤレスの事業計画も発表された。無線通信方式は、モバイルWiMAX(IEEE802.16e)で、下り40Mbps/上り5Mbpsという伝送速度(ベストエフォート)となる。
定額制プランが採用される予定だが、価格帯は明らかにされていない。ただし、木村氏は「現状の、データ通信カードを含めたサービスの価格と比べると、かなり安くできるだろう」と説明していた。
サービス開始時期は2009年3月。サービス内容としては、まずデータ通信カードを投入し、その後、WiMAX機能を備えたパソコンの登場を予測。2010年頃には携帯ゲーム機などのモバイル機器への内蔵を見込み、2011年には車載端末の登場も考えられるという。さまざまな機器で利用できることを見込むが、サービスの特徴としては「one ID」という考え方が示された。
これは、1つのIDがあれば、複数のデバイスでWiMAXによる通信サービスが利用できるというもの。契約手順も簡便・スムーズになるような仕組みにしていく考えだという。
|
東名阪でサービススタート
|
加入者は、2009年で25万、2013年で500万を見込んでおり、350万~400万契約といったあたりが黒字化するラインと推定されている。売上高は2009年で60億円、2013年で1,500億円に達し、2012年には単体での黒字化を達成できるとした。設備投資額は2015年までに累計2,000億円に達する。
スタート時のサービスエリアは、国道16号線内側の首都圏、大阪市、神戸市、京都市、名古屋市となる。2010年には関西や関東、中部の主要都市、札幌、仙台、静岡、福岡がカバーされる。2011年から全国展開に移り、2012年には各地の総合通信局管区内の人口カバー率を50%に、2013年には全国の人口カバー率を70%にする。
■ ドコモはMVNOでサービス提供
|
ドコモ中村氏
|
プレゼンテーションでは、技術的なサポートという役割が強調されたNTTドコモ。質疑応答の際には、自社ブランドでサービス提供する考えがあるかどうか質されると、ドコモ代表取締役社長の中村 維夫氏は「ドコモブランドでの販売を考えている」と短く回答。
筆頭株主ではないことについて同氏は、「ルール上、1社で出るのは不可能ということで、今回のような形でやっていくことになった。形としてはMVNOとしてサービス提供することになるだろうが、積極的に参加していきたい」とした。
携帯事業と競合するのではないかという指摘に対しては、「幅広いユーザーに対応することが重要。WiMAXは新たなモバイルデータ通信の広がりで、マイナスではなくプラス。我々の持つ周波数は逼迫して、たとえばストリーミング映像の配信ができない。WiMAXとは棲み分けられる。WiMAXであれば通信の対象外となるものがなく、完全な定額制ができるのではないか。安価であれば、なお魅力的だ」と語っていた。
■ 韓国の状況は?
|
KTの表氏
|
日本よりも早くWiMAXによるサービスが開始された韓国の状況について、KT専務取締役で携帯インターネット事業本部長の表 鉉明氏は「韓国でWiBRO(WiMAXベースで韓国で採用されている技術)が本格スタートしたのは今年4月で、エリアはソウル全域。端末ラインナップも少なく、現時点では初期段階ということで、ユーザー数は7万に留まっている。来年は首都圏全体にエリアカバーを拡大する」と述べた。
また「端末の共同調達も考えられる」と述べた表氏は「WiBROではモデム端末が一番人気で、商用化から現在までにチップセットが30%値下がりした。価格低下で重要なのは、チップ・端末・システムのマルチベンダー化だ。今後、緊密に協議することで効果を上げられるだろう」と説明した。
■ URL
アッカ・ネットワークス プレスリリース
http://www.acca.ne.jp/release/071011.html
NTTドコモ ニュースリリース
http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/071011_00.html
TBS ニュースリリース
http://www.tbs.co.jp/company/newsrelease/20071011.html
三井物産 ニュースリリース
http://www.mitsui.co.jp/release/2007/1177635_1767.html
アイテック阪急阪神
http://itec.hankyu-hanshin.co.jp/
京急
http://www.keikyu.co.jp/
KT(韓国語)
http://www.kt.co.kr/
朝日ネット
http://asahi-net.jp/
NECビッグローブ
http://www.biglobe.co.jp/
So-net
http://www.so-net.ne.jp/
ニフティ
http://www.nifty.com/
フリービット
http://www.freebit.com/
YRP事業開発研究所
http://www.yrp-bdi.co.jp/
JPモルガン
http://www.jpmorgan.co.jp/
Ignite Group
http://www.ignite.co.jp/
■ 関連記事
・ アッカ・ワイヤレス、2.5GHz帯免許を申請
(関口 聖)
2007/10/11 19:47
|
ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.
|
|
|
|
|