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検索システムベンダーのMCN、日本に本社機能を移動

MCNのマーク・ブックマン氏

MCNの使命と任務
 携帯電話向けの検索ソリューションを提供する米Mobile Content Network(MCN)は、10月1日に日本法人となるエム・シー・エヌを設立。本社機能を東京に移し、日本の携帯電話市場に本格的に進出する。これに伴って10日、都内で記者会見が開催された。

 MCNは、携帯電話電話向けの検索管理プラットフォームを提供するソリューションプロバイダー。欧州の端末メーカーで携帯電話向けの検索システムの研究開発行なっていたメンバーが中心となって設立された。これまで大企業など社内検索システムなどで導入されてきた垂直型の検索システムを、一般ユーザー向けの携帯検索プラットフォームに展開。導入する企業は、検索システムを自社ブランドとして提供可能で、カテゴリに合わせて詳細なチューニングが行なえる。

 同社の検索管理ソリューションである「MobileSearch.net」は、GoogleやYahoo!などのオープン型の検索サービスとは異なり、携帯電話会社やコンテンツプロバイダー(CP)のデータベースとWebサイトを繋ぐ、検索プラットフォームとなる。

 独自の統合型検索(Federated Search)エンジンをベースに、検索管理用ミドルウェアや管理用インフラを提供する。導入する企業に合わせてAPIが用意され、企業の要望に合わせた検索結果が得られる。また、データベースに情報が反映されればリアルタイムに検索できる点も特徴で、2~3クリックと少ないページ変遷で検索結果が表示できるとアピールしている。

 現在、フィンランドやタイ、中国、米国など12以上の携帯電話会社にプラットフォームを提供しており、日本では、D2コミュニケーションズ(D2C)と共同で、D903iやD904iにプリセットされているiアプリ「FMラジオMusicサーチ」などで利用されている。同アプリでは、FMラジオで現在放送されている楽曲を検索し、着うたや着うたフル、DVDなどが検索できる。

 MCNの代表取締役社長 兼 CEOのマーク・ブックマン氏は、「パソコンとは異なり、携帯電話で検索する場合は2~3クリック以内に適切な内容が表示されなければならない」と流ちょうな日本語で語った。少ないページ変遷で最適な検索結果が表示できればユーザーの満足度が上がるというわけだ。同社では、今後の世界展開を見据えて、日本を中心に欧州、アジア、北米の携帯市場にプラットフォームを拡大する方針。

 また、日本法人には、モバイルマーケティングソリューション協議会の理事長である高藤丈也氏も取締役に名を連ねている。同氏はユニークメディア(現IMJモバイル)の創業者。

 高藤氏は、「MCNは、優良なコンテンツがCPのクローズドなデータベースの中に入っており、オープンなPC型検索技術では意味がないと気づいた。携帯電話の画面は小さいので最適な検索結果が表示されないと飽きてしまう」と、MCNのシステムを評価した。


携帯検索のバリューチェーン MobileSearch.netの中心となるクエリーブローカー

少ないクリックで検索結果に到達する 高藤氏

携帯検索の問題点 ビジネスモデル

FMラジオMusicサーチ ラジオで今流れている楽曲が検索できる

iモードの公式メニューにも検索プラットフォームを供給 検索結果2段目の「PR」でMCNの検索結果が確認できる コンテンツにアクセスできる

CEOインタビュー

ブックマン氏
 なお本誌では、会見に先駆けて、CEOのブックマン氏にMCNのソリューションについて話を聞いた。

――日本に本社機能を移した理由を教えてください。

 我々は日本市場を1番に考えており、今後、中国の成長も予想されることから日本の方がやりやすいと思いました。また、設立者の1人であるキモ・パッソ(営業部門担当エグゼクティブバイスプレジデント)はフィンランドにおり、米国西海岸に本社があると東欧州とは時間が合いません。日本では、朝起きて西海岸とやりとり、午後に欧州と打ち合わせができため、CEOは日本に座るべきと判断しました。実際、投資家を説得するのは苦労しましたね。

――日本は携帯電話会社がコントロールするクローズドな環境と言われているが、世界的に見てそれは独特なものですか?

 ばらばらですね。例えば、アメリカや韓国はもっと厳しいクローズドな環境で、勝手サイトが非常に弱い。日本は公式が1/3、勝手が2/3とバランスがいいと思います。

――着うた以外の検索などにも期待できますか?

 そうでうね、ゲームやショッピング、マンガなどの検索システムを現在開発中で、近いうちに提供したいです。中でも日本で発達しているショッピングには注目しています。

――なぜ、自分たちで検索サービスを展開せず、BtoBとして裏方に徹するのでしょう?

 そこは大事なポイントです。CPたちは本来、自分たちの持つデータベース内の情報や属性データをオープンにしたくありません。しかし、我々を信用してもらい、その情報を得ることで少ないアクセスで検索結果が表示できる仕組みが成り立っています。そのためにも我々自身がサービスを提供するのではなく、CPのデータを守りながら展開していかなれければなりません。

 例えば、大手CPがこういった仕組みを真似しても、おそらくうまくいかないでしょう。彼らは自分たちでサービスを提供しており、それぞれ自分たちのコンテンツを持っている場合もあります。競争相手に情報は提供したがらないと思います。

――D2Cが検索システムを利用して広告モデルを行なっていますが、MCN自身で広告を手がける予定はありますか?

 ありません。我々はあくまでプラットフォーム提供者なのです。我々の検索システムを使った場合、CPは高いクリックレートが得られます。今後は音楽関連だけでなくさまざまなカテゴリに我々のシステムを拡大し、エコシステムを実現したいですね。

――本日はありがとうございました。



URL
  MCN
  http://www.mcn-inc.com/JP/


(津田 啓夢)
2007/10/10 15:41

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