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パーム、SD対応でTFTカラー液晶搭載の「m505」
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m500
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パーム コンピューティングはPalm OSの最新版「Palm OS 4.0」を搭載したPDA「m500」シリーズ2機種を発売する。価格はオープンプライスだが、実売価格はカラー液晶を搭載する「m505」が5万円弱、モノクロ液晶の「m500」が4万円台半ばになる見込み。
m500シリーズは、Palm Vx系のデザインを採用したPalm OS搭載機。Palm OS 4.0を搭載する初のPDAで、Palm OS搭載機としては初めてSDカードスロットも搭載する。モノクロ液晶を搭載する「m500」の厚さは10mm、重さは113gでPalm Vxとほぼ同等。「m505」は6万5536色表示の反射型カラーTFT液晶を搭載するモデルで、重さは139gとなっている。
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m505
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両製品ともに、SDカードやマルチメディアカード(MMC)をストレージとして使用できるほか、SDカードの拡張規格「SDIO」もサポートしており、今後登場が期待されているSDカード型BluetoothアダプタやGPSレシーバといった周辺機器も利用できる。
また、Palm OS 4.0から新たにサポートされたプラグ アンド プレイの機能により、SDカードやMMCは挿入するだけで利用できる。たとえばアプリケーションの入ったカードを挿入した場合、即座にPalm OSのメニュー内にアプリケーションが追加され、カードからPalm内のメモリにプログラムをコピーすることなく直接カード内のアプリケーションを実行できる。
m500シリーズでは、新たに「ユニバーサル・コネクタ」も採用されている。これは本体下部のクレイドルやモデムなどを接続する通信ポートと、本体背面のフックとして機能する穴の形状を規格化したもので、今後同社から発売される機種の多くはユニバーサル・コネクタに対応し、同じ周辺機器が使用できるようになるという。従来製品のコネクタとは互換性はないが、USBが標準でサポートされ、パソコンとのシンクロ速度が向上している。ユニバーサル・コネクタ対応版の折りたたみ式ポータブルキーボードも発売される予定。
このほか、Palm OS 4.0は、インターネットサービス「ウェブクリッピング」にも対応する。ウェブクリッピングとは、Palmを携帯電話などに接続し、Palm向けに作られた専用コンテンツを閲覧するというもの。コンテンツはHTMLベースで記述されるが、画面の狭いPalm向けに作られた専用のものとなる。
ウェブクリッピングのコンテンツへのリンクは、1つのリンクが1つのPalm用アプリケーションのような形の「PQA」ファイルとなる。Palmのメニューからコンテンツのアイコンをクリックすることでそのコンテンツに接続できるが、リンクファイルには各コンテンツの入り口となるページも含まれており、たとえば地図検索サービスでは住所や目的地名称、電話番号などを入力するフォーム部分をPalm上にダウンロードしておける。
ウェブクリッピングのサービスはm500シリーズの発売と同時に開始される予定。パーム コンピューティングではオプションとしてm500シリーズ向けのアナログモデムも発売する予定だが、赤外線を利用して携帯電話と接続することもできる。サン電子ではPalm向けの携帯電話アダプタ「Poche Tail」のユニバーサル・コネクタ対応版を同時期に発売する予定。
ウェブクリッピングのコンテンツとしては、ウェザーニューズによる天気予報や、アーパスによる地図検索サービスなど、モバイル環境での使用を想定した15コンテンツの提供が予定されている。
このほかm500シリーズでは、LEDやバイブレーションによる「サイレントアラーム機能」がサポートされた。新しい日本語フォントが採用され、小さいフォントでの視認性を向上させている。パソコンとのHotSync機能も、標準でOutlookとのシンクロがサポートされた。また、ソフトのインストール先としてHotSync時にPalmに挿入されたSDカードを指定できるようにもなった。パスワードによるセキュリティ機能の強化やタイムゾーンがサポートされたほか、手書きメモ、クロックなどのソフトウェアも用意されている。
両製品ともに、CPUはDragonball VZ 33MHz、メモリは8MBのRAMとOSなどの書き換えにも対応した4MBのフラッシュROMを搭載。従来のリチウムイオンではなく、新たにリチウムポリマー充電池が採用され、耐久性が向上した。
m500の大きさは114×79×10mm(縦×横×厚)で重さは113g。液晶は160×160ドットの16階調モノクロ液晶。液晶は従来のモノクロ液晶よりも背景色が白に近くなっている。
m505の大きさは114×79×13mm(縦×横×厚)で重さは139g。液晶は160×160ドットの反射型TFT液晶。サイドライトを装備しており、点灯時はグラフィティエリアも光る。
m500とm505では液晶の仕様とサイズが異なるほか、m505では前面・背面ともに金属筐体が採用されているのに対し、m500では金属なのは前面のみで、背面はプラスチックとなっている。
標準のソフトウェアのほかに、POP3・IMAP4に対応したメールクライアント「MultiMail SE」(デスクトップとのシンクロ機能が省かれている)、画像閲覧ソフト「MGI PhotoSuite Mobile Editionなどが付属する。
なお、同社ではSDカードを採用した理由について、200社以上の企業が開発に参加しているという標準性と、切手サイズという小型さ、拡張スロットとしても使える汎用性、コピー防止機能などのセキュリティ性を挙げている。また、国内ではネットを利用したダウンロード販売よりも、店頭でのパッケージ販売のほうが一般的とし、SDカードやMMCに入った形でもソフトを供給するという。
パーム コンピューティングでは、データのバックアップ用カード、16MBのメモリ拡張カード、SimCityなどのゲームが入った「PalmPak ゲームカード」の発売を予定している。価格はいずれも1万円を切る見込み。このほかにも三省堂がデイリーコンサイス英和・和英・国語辞典を収録したカードを、昭文社が国内主要都市のタウン情報を収録した「マップルガイド」を、ダイヤモンドビッグがアメリカの観光情報を収録した「地球の歩き方アメリカ編」を、JR東日本が路線検索ソフト「JRトラベルナビゲータ」を発売する予定。
m500シリーズの販促キャンペーンとしては、松下電器産業が開発した、ひらがな手書き認識ソフト「楽ひら」やウェブクリッピングコンテンツ集、バックライト・フロントライトを自動点灯させるユーティリティソフト、地図データなどが収録された「Simply Pack.IV」が製品に添付される。ユーザー同士のコミュニケーションのウェブサイトもオープンする予定。
なお、パーム コンピューティングでは、同社のOS書き換えが可能なPalm OS搭載機(Palm VxおよびIIIc)向けに、Palm OS 4.0にアップグレードするキット(有償)を提供する。これにより、従来機種でもウェブクリッピングや新デザインの日本語フォントを利用できるようになるという。
m500とWorkPad c3(左)、m505とWorkPad c3(右)をそれぞれ並べた写
真。大きさ的にはほとんど変わらない
m500のボタン部(左)は従来のPalmシリーズとは少々異なり、上下カーソ
ルが分離し、時計や液晶コントラスト調整がシルクエリアに割り当てられて
いる。m505とWorkPad c3を横から見ても、厚さはほとんど同じに見える
本体上面にはSDカードスロット、赤外線ポート、電源スイッチ(LED内蔵)が
ある。ちなみにスタイラスはPalm Vxなどと同じように両側面の溝に収納す
るが、SDカードスロットがある側のスタイラス収納溝は設計の都合上、逆
サイドよりも小さくなっている
本体背面にはモデムなどを装着する際に引っかかりとして使える穴が開い
ている。本体下部の通信ポートは新設計の「ユニバーサル・コネクタ」。下
部にも周辺機器を装着する際に用いる引っ掛かりが用意されている。
左の写真はパーム コンピューティングが想定しているSDを利用した周辺
機器のモック。中央の写真は同社が発売予定のm500シリーズ向けのゲ
ーム入りMMC。右の写真はサン電子が発売する予定のユニバーサル・コ
ネクタ対応の携帯電話アダプタ「Poche Tail」
・ プレスリリース
http://www.palm-japan.com/about/pr/20010423b.html
・ プレスリリース(補足)
http://www.palm-japan.com/about/pr/20010423c.html
・ プレスリリース(Simply Pack.IVについて)
http://www.palm-japan.com/about/pr/20010423d.html
・ パーム コンピューティング
http://www.palm-japan.com/home.html
・ 松下電器産業「楽ひら」のリリース
http://www.matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn010423-3/jn010423-3.html
・ 米Palm、SDカード対応の新製品「m500」「m505」
(白根 雅彦)
2001/04/23 18:10
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