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通信方式のロードマップ。左上半分が3GPP2、右下半分が3GPP
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米クアルコム セルラー製品グループ 製品管理担当 シニア・バイス・プレジデントのスティーブン・モレンコフ氏
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クアルコムは、半導体部門の担当者が来日したことに合わせ、記者向けに主要な半導体製品に関する戦略説明会を開催した。
まず、米クアルコム セルラー製品グループ 製品管理担当 シニア・バイス・プレジデントのスティーブン・モレンコフ氏からは、同社の戦略的なロードマップが解説された。モレンコフ氏は、3GPP2、3GPPの双方のロードマップを示した上で、「2008年に重要となるのは、3GPP2ではUMB、3GPPではHSPA+」と予測する。
日本においてはKDDIの提供するCDMA 1X EV-DOの延長線上に位置付けられる「UMB(Ultra Mobile Broadband)」については、対応する製品の「MDM8900」を2008年にもサンプル出荷の形で提供を開始するとした。UMBに含まれるOFDMA、MIMOなどの技術には8年の開発期間がかけられているという。
一方、国内でドコモやソフトバンク、イー・モバイルが採用する方式であるW-CDMA、HSDPAなどの延長線上に位置付けられる「HSPA+」については、対応する予定の製品「MDM8200」を挙げて、「低いレイテンシのサービス、特にゲームなどに有効だろう」と語った。
モレンコフ氏はまた、無線通信デバイスを搭載する製品の拡大に触れ、これまで市場の中心だった携帯電話、ノートパソコン以外にも、これらの中間を埋めるセグメントの製品が拡大するとの見方を示し、「新たなプラットフォームのスナップドラゴンで、中間にある“ポケッタブル・デバイス”の市場を狙っていく」とした。
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UMBとMDM8900
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HSPA+とMDM8200
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■ LTEの前に位置するHSPA+の意味
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米クアルコム COO兼半導体部門 プレジデントのサンジェイ K. ジャ氏
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モレンコフ氏からのプレゼンテーションの後には、質疑応答の形で同社の戦略が明らかにされた。米クアルコム COO兼半導体部門 プレジデントのサンジェイ K. ジャ氏は、ドコモが「LTE(Long Term Evolution)」などさらに次世代の通信方式の導入をすでに明言している点について聞かれ、「HSPA+は、HSPAへの投資を活かしながらアップグレードできる。LTEと同等のパフォーマンスを1.5年ほど早い段階で実現でき、HSPAへの投資に対するリターンが低ければさらに魅力になる」と語った。また、LTEは広帯域が求められることもあり、「新たな周波数の割当てにより実現される方式だろう」と予測。「追加的にデータキャパシティの最適化を要求するキャリアにはHSPA+が最適で、その後にLTEが導入されるだろう」との予想を明らかにした。
ジャ氏はまた、ARPUへの貢献についても触れ、「全世界の平均で、ARPUに占めるデータ通信の割合は10~15%といったところ。我々としては、これをもっと上げてもらいたい。それには(パケット)単価が下がることが重要で、現行の方式よりも効率が良いHSPA+はデータ通信料の低廉化に貢献できるだろう」と述べた。
「UMB」について、ユーザーが恩恵を受けやすいサービスにはどういうものがあるのか、との問いには、ジャ氏が「例えばユーザーが作成したコンテンツのアップロードなど」と例を挙げたほか、「データ転送が月に2GBを超えるようになると、UMBが必要になるだろう。EV-DO Rev.B以降、データ通信量はさらに増加することが予想され、単価が下がるUMBなどのロードマップは重要な意味を持っている」とした。
■ 「スナップドラゴン」の戦略
新たなセグメントを攻略する製品として紹介されたプラットフォーム「スナップドラゴン」については、市場規模の予測に質問が及んだ。モレンコフ氏は、「モバイルブロードバンドが発展する市場を信じている」とし、また「市場からのフィードバックを元に製品化を検討している」と語った。ジャ氏は、「携帯電話は年間10億台以上が出荷され、ノートパソコンも年間8,000万台以上が出荷されている。この中間にある“ポケッタブル・デバイス”は、今後4~6年の間に1億台ぐらいの市場規模になると考えている」との予測を明らかにした。
同社の言う“ポケッタブル・デバイス”の定義については、3.7~4.5インチのWVGAディスプレイを搭載し、文字通りポケットに収まるようなサイズで、ストレスのないブラウジング、HDビデオの鑑賞、ゲーム、GPSナビゲーション、オーディオ再生などが可能なデバイス、と想定される内容が説明された。また、プッシュ配信によるメールや長時間駆動が可能になることで、インテルが提唱しているUMPCとは直接競合せず、補完的な製品になるのではないかとした。
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ノートパソコンと携帯電話の中間に位置する、新たな市場を開拓するとした
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スナップドラゴンの概要。45nmプロセスも準備されている
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■ 「iPhone、ワイヤレス業界で重要な意味を持つ製品」
このほか、日本国内でも話題の「iPhone」について質問が及ぶと、ジャ氏は「興味深いデバイスで、ワイヤレス業界では重要な意味を持つ製品だろう」と語るとともに、「今後は、ブラウジング、フルキーボード、3Gなどがテーマになっていくるのではないか」と課題についても言及した。
■ URL
クアルコム
http://www.qualcomm.co.jp/
(太田 亮三)
2007/08/29 14:55
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