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ドコモ永田氏が語る「704iシリーズのコンセプト」

 NTTドコモは4日、704iシリーズ8機種を発表したことにあわせ、都内で報道およびアナリスト向け発表会を開催した。704iシリーズについては、NTTドコモ執行役員でプロダクト&サービス本部プロダクト部長の永田 清人氏がプレゼンテーションを行なった。


703iで結実した「70Xi」のコンセプト

NTTドコモ永田氏

NTTドコモ永田氏

FOMAのうち、70Xiが占める割合は、703iで急増した

FOMAのうち、70Xiが占める割合は、703iで急増した
 NTTドコモでは、ハイエンドで最先端の機能を盛り込む機種を90Xiシリーズとして展開する一方、2005年には700iシリーズをラインナップに加えた。当初は、90Xiシリーズの廉価版と言える形だった70Xiシリーズだが、2006年に登場した702iシリーズではデザイナーとのコラボレーションを全面に打ち出すなど、型番が一新されるたびに異なる方向性を採ってきた。

 703iシリーズが登場するまで70Xiシリーズの累計台数は949万台だったが、703i登場後の5月末時点には1,429万台(同時期のFOMA契約数は3,712万契約)で、約480万台増加している。

 永田氏は「2005年からはじめてきた70Xiシリーズだが、ライフスタイルを大事にするユーザーに向けて提供してきた。今年の春モデルとして投入した703iシリーズは、薄型や防水などで非常に伸びた。正直言って、これまで手探りでやってきた。703iシリーズ以前は90Xiのサブセット。その上でデザインを工夫したりしてきたが、70Xiでは、スーパースリム、コンパクト、防水、アロマなど90Xiにない機能を取り入れた。90Xiと70Xiでそれぞれ異なるジャンルに位置づけられたのではないか。ライフスタイルに合わせたケータイというコンセプトは間違っていなかった」と語る。

 つまり、70Xiシリーズでは、700i、701i、702iとそれぞれ少しずつ表層的なイメージを変えながら、“個性的な端末を多く擁することで、ユーザーの好みにマッチさせる”という点が基本的な考えになってきた。しかし昨年までの70Xiシリーズの販売台数はドコモが期待したほどではなかったようで、703iシリーズによって約480万台の増加という結果を残したことが、NTTドコモにとっては「コンセプトが受け入れられた」という評価に繋がっている。この703iシリーズのインパクトが704iシリーズ開発の考え方に受け継がれている。


704iの哲学

「Made For You」というフレーズが掲げられた

「Made For You」というフレーズが掲げられた
 今回発表された704iシリーズのコンセプトについて、永田氏は「Made For You」というフレーズを掲げ、「今回はスリム&コンセプトをベースにしながら、ユーザーが望むケータイに近づけたいと考えた。90Xiは最新の機能・サービスをフルパッケージにするという考え方だが、704iでは、ライフスタイルに合わせて90Xiにはない機能を個々にセレクトする、というのが大きなテーマ」と説明する。

 続けて同氏は「Made For You、あなたのためのケータイとして機能を絞り込んだ。機能を盛り込んで、スリム・コンパクトという特徴をはずすことはできない。ユーザーニーズにあわせて形にするという取り組みをしてきた。全機能を1つに入れるとどうしても大きくなったり、デザインの制約になったりする。904iシリーズやSIMPURE L2とあわせると14機種のラインナップになり、これでライフスタイルにあわせられるようになってきた。それぞれに合ったケータイをドコモの中から選んで欲しい」とアピールしていた。

 その後、永田氏は8機種それぞれを紹介。8機種のうち、D704iは最もコンパクトなワンセグケータイ、SH704iは最も薄いワンセグケータイ、L704iは最もスリム・コンパクトなFOMAハイスピード端末とした。

 また、F704i、N704iμ、P704iμについては、先代の703iが好評だったことを受け、国際ローミング(3G)に対応させたことが特徴という。

 プレゼンテーションの後には、三菱電機・シャープ・LG電子の担当者が登場し、トークセッション形式で各機種の特徴やターゲット層、開発時に困難だったポイントなどが紹介された。


“703iS”ではなく“704i”になった理由

90Xiにない機能を盛り込み、機能向上したことで「703iS」ではなく、「704i」になった

90Xiにない機能を盛り込み、機能向上したことで「703iS」ではなく、「704i」になった
 質疑応答で、703iSシリーズではなく、704iシリーズとなった点について尋ねられた永田氏は「たとえばN704iμやP704iμでは、形は703iだが国際ローミング対応にしたことで、利便性は大きく向上したと思う。そういったことから、新しい番号にした」と説明し、シリーズ共通の新サービスや新機能は発表されなかったものの、従来モデルからの機能向上によって新シリーズにしたと説明した。

 N704iμやP704iμ、F704i、SO704iが703iに似たデザインになっていることについては「半年でデザイン変更するかどうか。これはドコモでは、柔軟にやっていきたいと考えている。703iシリーズは、技術的にも商品企画的にも挑戦だった。次は1年くらいの開発期間がなければと思う。国際ローミング対応という点は、実はそう簡単ではない。半年かけて対応したことになる」と述べた。

 また同氏は「GPS非対応だが、スリム・コンパクトという点を最優先にした結果。GPS機能を搭載しても薄くコンパクトにするには、開発・企画でもう少し努力したい」と語った。

 このほか、2in1が1契約扱いになるとされた件については「電話番号が2つ、メールアドレスが2つで別々の端末を持っていた人が1台にすることも考え、2回線としていた。しかし、異なる名義で契約できない点などで1契約で算出するという指摘を受けていると思う。今後、異なる名義での契約ができるようにするといった点を踏まえ理解してもらえるよう努力したい」とコメントした。


704iシリーズの対応機能 メーカー担当者によるトークセッション。左から、三菱の福室氏、シャープの濱田氏、LG電子ジャパンの李氏
704iシリーズの対応機能 メーカー担当者によるトークセッション。
左から、三菱の福室氏、シャープの濱田氏、LG電子ジャパンの李氏


URL
  ニュースリリース
  http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/070704_01.html

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(関口 聖)
2007/07/04 18:39

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