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オーティコン、Bluetoothで携帯とつながる補聴器

「エポックXW 耳あな形」両耳用の2台

Bluetoothで携帯電話などと接続できるユニット「ストリーマー」。ブラックとホワイトの2色のボディカラーが用意される

「エポック」シリーズの価格
 オーティコンは、Bluetooth接続ユニットを介して携帯電話や音楽プレーヤーとつながる補聴器「エポック」シリーズを4日に発売すると発表した。3日には都内で報道陣向けに発表会が開催され、概要やデモが披露された。

 新たに発売される補聴器「エポック」シリーズは、同社製補聴器の中でも高級ラインナップに属する製品。サイズや性能の違いから「エポック」「エポックXW」「エポックW」の3種類が用意され、「エポックXW」「エポックW」には耳あな形、耳かけ形の2種類がそれぞれ用意される。

 価格は「エポック」が43万8,000円、「エポックXW 耳あな形」が48万8,000円、「エポックXW 耳かけ形」が45万8,000円、「エポックW 耳あな形」が45万8,000円、「エポックW 耳かけ形」が43万8,000円。いずれも片耳の価格で、非課税。Bluetooth接続ユニット「ストリーマー」は45,000円(税込)。「エポック」シリーズの本体2台(両耳用)とストリーマー1台をセットにして合計で100万円を切るような、セット価格での販売も検討されている。

 「エポック」シリーズは、両耳に装着した場合、補聴器同士が無線通信を行ない、相互に連携して左右の聞こえ方を最適化する機能を備えている。これにより両耳に装用した場合には、より自然で広がりのある聞こえ方が実現されている。

 「ストリーマー」と呼ばれるBluetooth接続ユニットを別途購入すれば、Bluetoothに対応した携帯電話や音楽プレーヤーと接続でき、補聴器から携帯電話の通話の音声、音楽などを聴くことができる。携帯電話と音楽プレーヤーといったように、2台以上のBluetooth機器とペアリングも可能。

 従来の補聴器では、装用したまま通話しようとして携帯電話を耳に近づけると、補聴器にノイズが入り聞きづらかったり、共鳴を起こしたりして、結果として通話の際には補聴器を外すケースが多いという。「ストリーマー」を利用すれば、補聴器「エポック」を装用したまま携帯電話で通話が行なえ、補聴器から通話の音声を聞くことができる。

 「ストリーマー」と補聴器、および両耳の補聴器同士は独自開発の無線通信技術「イヤストリーミング」で接続される。「ストリーマー」には携帯電話で通話をする際のマイクが搭載されており、本体を首から下げるなどして利用する。「ストリーマー」には充電式バッテリーが内蔵されており、スタンバイが約70時間、音楽再生時で約50時間の使用が可能。音楽再生で利用する際にはBluetoothプロファイルのA2DPが利用できる。

 電池の持ち時間は、「エポックXW」が約110時間。電池は補聴器用の空気電池(PR41)1個を使用する。


日常的な補聴器の装用者がデモを務めた。始めて使用した感想として「会話をしていても人の声が自然に聞こえ、iPodの音もひとつひとつが聞こえる」と述べた。首から「ストリーマー」を下げ、携帯の通話はハンズフリーを実現 装用した状態。ワイヤー部分は個人に合わせて長さが調整される

オーティコン 代表取締役社長の赤生 秀一氏
 発表会に出席したオーティコン 代表取締役社長の赤生 秀一氏は、日本国内での補聴器需要が伸び悩んでいることを指摘し、2006年は出荷数が前年割れとなる45万8,642台になったことを示した。また、補聴器の潜在ユーザーに対する普及率は24.1%とし、低い普及率が業界全体の課題であるとした。

 同氏は新たに発売する「エポック」シリーズをプレミアムな商品と位置付け、補聴器を装用しているユーザーの満足度向上、補聴器潜在需要層に対する需要の掘り起こしといった部分を狙っていくという。「エポック」シリーズで実現したBluetooth接続機能も、補聴器に対する装用者自身のネガティブなイメージを払拭するとともに、活動的な高齢者における携帯電話の利用を妨げないものになっているという。

 赤生氏は「エポックは、生活の質を向上させるもの」と述べ、新製品の高い機能をアピールするとともに、「補聴器に関わるすべての人の意見に耳を傾け、テクノロジ以上に重要視している」と補聴器に対する同社の姿勢も明らかにした。


潜在的なユーザーと「エポック」の位置付け 国内では、2006年の出荷数が前年割れとした

オーティコンA/S プロダクト・マネージャーのピーター・ソマー氏
 デンマークのオーティコンA/S プロダクト・マネージャーのピーター・ソマー氏は、「エポックシリーズは、高速な相互の通信機能だけでなく、小型化、省エネも実現した」と紹介するとともに、ストリーマーにより携帯電話も手軽に利用できる点を特徴として挙げた。同氏は「補聴器を使用する際に、最も満足できないシチュエーションとして、携帯電話の不便さが挙げられている」とアメリカでの調査結果などを紹介し、「これまで補聴器の装用者には使うことが難しかった、携帯や先進的な機器を使ってもらえる」と述べた。

 同氏はまた、「エポック」シリーズの開発には6年を費やし、100人以上の開発者と100億円以上の開発費が投入されたことを明らかにするとともに、ワイヤレスによる補聴器間通信技術が次世代の補聴器の中心になっていくだろうとの見方を示した。



URL
  オーティコン
  http://www.oticon-jpn.jp/


(太田 亮三)
2007/07/03 18:26

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