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ムシウタの声優陣。左から浅沼晋太郎、花澤香菜、生天目仁美、田村ゆかり
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NTTドコモと角川書店の2社による提携アニメ作品「ムシウタ」の製作が発表された。7月5日木曜深夜24時からWOWOWでノンスクランブル放映される。あわせてiモード端末利用者向けに番組連動型情報サービスを無料で提供する。6月10日に東京・秋葉原で開催された製作発表記者会見には、主要キャラクターの声を担当する浅沼晋太郎、花澤香菜、生天目仁美、田村ゆかりの4名が登場し、作品の見どころなどを語った。
■ 対立する2組織の専用サイトのうち、どちらか1つを閲覧できる
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ムシウタ
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アニメ「ムシウタ」は岩井恭平(著)・るろお(挿絵)による同名ライトノベルが原作。異形の存在「虫」によって夢を食われた代わりに、特殊能力を持ってしまった「虫憑き」と呼ばれる少年少女たちが活躍するアクション作品。
テレビ放映はWOWOWにて行なわれる。ノンスクランブルにつき、BS機器を保有していればWOWOWに加入していなくても無料で視聴できる。初回放送は7月5日木曜の深夜24時。以後、毎週木曜深夜24時に放送される。全12話の予定。
ムシウタの携帯電話向け公式サイト「ダブルバインド」では、番組と連動した情報サービスを実施する。メールマガジンに登録すると、作中に登場するキャラクター「みんみん」からメールが届く。以後、番組放送直前にもメールマガジンが送信される。
加えて、作品内で敵対関係にある2つの組織、政府組織「特殊環境保全事務局」あるいはレジスタンス組織「むしばね」のそれぞれに用意されている専用サイトのうち、どちらか1つのURLが登録ユーザーへ告知される。専用サイトではそれぞれの立場からみたキャラクタープロフィールや、劇中内戦闘の結果報告書などが公開される趣向で、ストーリーをより深く理解できるという。また敵対組織のページに、あえてリンクしていない点も特徴だ。
この情報サービスは、iモード端末利用者限定のサービスとなっており、情報料は無料。番組の公式サイトそのものはNTTドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアに対応している。
■ 主要キャスト4名が抱負。番組テーマソングも披露
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ムシウタ製作発表記者会見の様子
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6月10日開催の記者会見には報道関係者のほか、事前に実施された「キャスティング暗号解読キャンペーン」に当選した一般のアニメファンも参加した。会見開催の前日に完成したばかりという最新プロモーション映像の上映後、声優陣が登場すると、会場からは拍手があがった。
主人公・薬屋大助を演じる浅沼晋太郎は「普段は他人の寂しさに共感できる優しい男だが、政府機関所属の非情なエージェント『かっこう』でもある複雑なキャラ。それぞれをまったくの別人のように演じてほしいと音響監督に言われているのだが、なかなか難しい」と、苦心しつつも挑戦しがいのある役柄だと語る。
ヒロイン・杏本誌歌役の花澤香菜は「オーディション前に原作を読んで『誌歌役をやりたい』と思っていたので、(念願かなって)おぉーという感じ」とコメント。さらに「精一杯がんばるのでぜひ見てほしい」とややストレートすぎる決意を、緊張感からかたどたどしい口調で語ったこともあって、関係者の笑いを誘っていた。
主人公・大介の同級生でクラスの人気者、立花利菜は、政府に対抗するレジスタンスのリーダー「レイディー・バード」という裏の顔を持つキャラクター。大介と似た境遇を持つものの、演じる生天目仁美によると「大介と比較してストレートな感情を出す明朗なキャラ」であり、印象は若干異なるという。また作品の見どころとして「原作を読んだが、胸が苦しくなるような切ない話に思わずメソメソと泣いてしまった。絵のできも美しく、画面から儚さが伝わるのでは」と述べている。
作品におけるトリックスター的存在というみんみん役の田村ゆかりは「学校生活などを感じさせない謎の存在。芝居がかった口調だったり感情豊かだったりと、いろいろな表情を楽しめると思う」と役どころを解説。その上で「キャストや音楽など、それぞれの持ち場のスタッフが持てる力を奮ってがんばっているのでぜひ見てほしい」と話している。
また番組オープニング曲「ムシウタ」を担当する赤月、同じくエンディング曲「サヨナラ」を担当する佐藤ひろ美が登場し、歌声を披露した。佐藤は「クールでいて、ちょっと切なげな世界観を歌で表現できれば……と思っています。アニメ本編と一緒に堪能してもらえれば」とコメントしている。
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薬屋大助を演じる浅沼晋太郎と、杏本誌歌役の花澤香菜
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立花利菜役の生天目仁美(左)と、みんみん役の田村ゆかり
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番組テーマソングを歌う佐藤ひろ美(左)と赤月
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劇中のキャラクターに扮するコスプレイヤーも登場した
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■ NTTドコモ 山口氏、角川書店 井上社長が期待の言葉
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NTTドコモの山口善輝氏(左)と角川書店の井上伸一郎氏
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会見には製作関係者としてNTTドコモ コンテンツ&カスタマ部コンテンツ担当部長の山口善輝氏、角川書店代表取締役社長の井上伸一郎氏が登壇した。両氏はまず2006年11月にNTTドコモと角川グループが包括的な業務提携をしたことを解説。904iシリーズの一部端末に角川書店が製作に携わった映画のプロモーションフィルムをプリインストールする取り組みなどを開始しているが、アニメーション分野ではムシウタが提携第1弾作品になると紹介した。
NTTドコモの山口氏は「携帯電話が高機能化していっても、やはり重要になってくるのはコンテンツ。角川書店が保有する豊富なコンテンツを端末で遊んでもらえるようになれば」と提携のねらいを語る。ムシウタについても「イベントの舞台裏にいても、非常にいい雰囲気で作られていることがわかる作品。今後もアニメや映画の分野で角川書店と協力していくが、まずはぜひムシウタを見てほしい」とアピールした。
角川書店の井上氏は「日本で独自に発展した文化はいくつかあるが、2Dアニメ、ライトノベル、携帯電話の3つはまさに定着しつつある。『ムシウタ』ではそれら3要素が1つになる現象が見られるのではないか」とその意義に触れ、今後も継続して“新たなムーブメント作り”に取り組んでいきたいとまとめている。
■ URL
ムシウタモバイル
http://webnt.jp/musiuta
ムシウタ(webKADOKAWA)
http://www.kadokawa.co.jp/sp/200702-02/
ムシウタ(WOWOWオンライン)
http://www.wowow.co.jp/anime/mushi-uta/
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