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バージョンアップ後のEdyアプリトップ画面
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ビットワレットは、プリペイド型電子マネー「Edy」の新機能として、企業が販促活動などに利用できる「Edyスマイルクーポン」と「Edyハッピー優待」を6月1日より提供する。
「Edyスマイルクーポン」と「Edyハッピー優待」は、飲食店などでEdy決済すると、Edyギフトで還元されたり、支払額の割引が適用されるというもの。「Edyスマイルクーポン」は、あらかじめWebサイト経由でクーポンが利用できる状況にしておけば、誰でも利用できるもの。一方の「Edyハッピー優待」は、Edyの“サービス登録”を行なった会員向けに提供されるもので、男性向けや女性向けなど、ユーザーにあわせたキャンペーンが提供される。
サービス開始時から導入する、コロワイドグループでは、Edyスマイルクーポンとして、居酒屋の「甘太郎」において1万円以上の利用でEdy2,000円分を、5,000円以上の利用でEdy1,000円分を還元する。また、中央無線タクシーでは、Edyハッピー優待による特典として、月間4回以上Edyで支払うと、Edy500円分を還元する。
これまでのEdyでは、電子マネーとしての役割を果たしており、企業のキャンペーンの景品としてEdyそのものを「Edy○円分」とプレゼントされることはあったが、Edyの利用に連動したクーポンや割引は、加盟店側が仕組みを提供する形だった。一方、今回の「Edyスマイルクーポン」「Edyハッピー優待」は、ビットワレットが提供する販促支援プラットフォームであり、既存のEdy用リーダーライターはそのまま利用できる。
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おサイフケータイで見た「Edyスマイルクーポン」一覧
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こちらはEdyハッピー優待の一覧
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サービス概要
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店舗とユーザーのメリット
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店舗(企業)側から見ると、単価向上や来店頻度の向上など、訴求したいポイントにあわせたキャンペーン内容に設定したり、既存のインフラをそのまま利用したりできること、そして実際にEdy決済が発生した時点でビットワレット側に手数料を支払う「成果報酬型」であることがメリットという。一方、エンドユーザーから見ると、紙のクーポンが必要なくなり、店員に見せるという行為そのものが不要になることなどがメリットとされている。また同社では、Edyチャージ(入金)時にクレジットカードでポイントを得て、決済でマイレージや加盟店のポイントを得られることに加え、今回のEdyスマイルクーポンやEdyハッピー優待による特典・割引が利用できるようになることも、エンドユーザーのメリットとしている。
6月1日のサービス開始時点では、コロワイド(甘太郎・北海道など)、アトム(カルビ大将など)、ジクト(時遊館など)、フォーシーズ(TO THE HERBS)、グローバルスポーツ医学研究所(てもみん)、プラザクリエイト(パレットプラザ)、ライトオン(Right-onなど)、全日空(ANA FESTA)、コナカ、中央無線タクシー協同組合が導入し、全国約5,000カ所で利用できる。ビットワレットでは、2008年3月末までに10,000カ所の導入を目指していく。
■ おサイフケータイで利用可能
「Edyスマイルクーポン」および「Edyハッピー優待」は、決済後に適用されるもので、カード型Edyとおサイフケータイ用Edyで利用できる。また、Edyスマイルクーポンは、事前にクーポンが利用できるように手続きする必要がある。パソコンにEdy対応リーダーライターを接続してビットワレットのWebサイトにアクセスし、利用したいクーポンを選択してから、リーダーライターにEdyカードかおサイフケータイを載せ、サーバー側にEdyナンバー(数字16桁)を登録することになる。または、Webサイト上でEdyナンバーを登録することになる。
一方の「Edyハッピー優待」は、Edyのサービス登録を行なった会員であれば、その後の手続きは必要なく、キャンペーン実施中の店舗でEdyをかざすだけで特典や割引が適用される。
あわせておサイフケータイ用のアプリは、アップデートすることで「お得メニュー」というメニュー項目が新たに追加され、そこからクーポン登録や優待情報の参照ができる。iアプリ版とS!アプリ版は30日より提供が開始されており、バージョンアップできる。BREWアプリ版(W32S除く)は31日から提供される。なお、従来バージョンのアプリでも「サービスメニュー」から、新サービスが利用できる。
■ 導入の背景
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ビットワレット眞鍋社長
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ビットワレット渋谷氏
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同社では30日、都内で発表会を開催し、代表取締役社長の眞鍋マリオ氏が新サービスの導入理由などを説明した。
同氏は「当社の設立以来、電子マネーというプラットフォームを気づいてきた。これまでは現金の代替として普及を図ってきたが、今回のサービスは電子マネーだからこそ実現したもので、そのコンセプトはユーザーと店舗を繋げるということ」と語った。
Edyを取り巻く環境について、同氏は「月間に1,600万件利用されているが、今回の新サービスで10~15%の利用増加を期待している。PASMOやnanacoなど他社サービスが出揃ってきたが、小額決済60兆円市場からすると、電子マネー市場は1兆円にも達していない。やっと出てきた、これからというべきステージだろう。特に関東圏中心に、各社のサービスが出てきたが、当社は全国で展開し、認知度も上がってきた」と述べ、電子マネー市場は他社との競争が本格化する前の発展的段階にあるとの見方を示した。
新サービスのプレゼンテーションを行なった、ビットワレット マーケティング本部マーケティング部統括部長の渋谷友邦氏は、「ユーザーと店舗それぞれにメリットがある。今回のサービスは、これまでの活動を集約した結果生まれたもので、“ビットワレットからEdyを使ったマーケティングツールを提供して欲しい”という声に応えた形」と語っていた。同氏によれば、加盟店からビットワレットに支払われる手数料は3~10%になるという。
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Edyが使えるのは約5万カ所。今年度末には10万カ所達成を目指す
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電子マネーならではの機能とアピール
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■ 加盟店の見いだすメリット
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コロワイドの佐藤氏
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中央無線の武居氏
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新サービスを導入する加盟店を代表する形で登壇した、コロワイドMDマーケティング本部部長の佐藤英美氏は、「もともと、異業種のEdy加盟店とのアライアンスやプロモーションの集客効果、簡単な決済手段としてEdyを導入したが、今回は飲食店ならではの訴求を行なうため、新サービスを728店舗で導入する。年度内には981店舗に拡大する」と述べた。
また、中央無線タクシー協同組合 営業委員長で、昭栄自動車社長の武居利春氏は、「東京で流し中心で展開しているが、クレジットカード決済は中央無線が全国初だった。2006年8月からEdyを導入していたが、ユーザーからは簡便な決済を求める声や、1万円札しかないときに利用しづらいといった声が挙がっていた。そしてタクシー会社からすると、釣り銭を減らせることなどが重要で、選んで乗ってもらえることが最も嬉しい。ただし流し中心では、“選ばれる”ということが難しい。さらに他社はiDやSuicaを導入しており、タクシー業界での電子マネー競争は激しくなっている。“Edyだから選ぶ”という時代が来てしまった。乗車回数の増加という点が新サービス導入の一番大きな理由」と説明していた。
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コロワイドでは、店舗ごとの告知ポスターを製作
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中央無線では、乗車回数の増加を狙う。ちなみにEdy決済は1日500件以上だという
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■ URL
ビットワレット
http://www.edy.jp/
(関口 聖)
2007/05/30 19:23
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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