|
|
|
ソフトバンク、22日に新端末・新プラットフォームを発表へ 2006年度連結決算は過去最高の実績に
|
|
|
|
|
■ 新機種は5月22日に発表
|
ソフトバンク孫氏
|
ソフトバンクは、2006年度連結決算を発表した。その席上、孫正義社長は、5月22日に、新たな携帯電話端末の投入とともに、新たな携帯電話プラットフォームを発表することを明らかにした。
孫社長は、具体的な内容については触れなかったが、競合各社は、端末のコストダウンなどを追求する上で、プラットフォームの見直しに着手しており、今回の新プラットフォームおよび新端末は、それを視野に捉えたものと言えるだろう。
■ 決算とオペレーションデータ
|
連結決算の概要
|
|
セグメント別の売上高
|
2006年度連結業績は、売上高が前年比129.5%増の2兆5,442億円、営業利益は335.1%増の2,710億円、経常利益は458.1%増の1,534億円、当期純利益は49.9%減の288億円となった。売上高、営業利益、経常利益ともに、創業以来過去最高となった。
移動体通信事業は、売上高が1兆4,420億円、営業利益は1,557億円。ソフトバンクモバイルの全契約者数は前期末から69万8,600件増加し、1,590万8,500件。シェアは16.4%になったという。
月間純増数は、今年1月から3カ月連続で10万件を突破。第4四半期だけで、41万2,000件の純増数に達したという。
また、第3世代携帯電話は、前期末に比べて462万2,500件増加の766万100件に達し、同社における構成比は48.2%に拡大。さらに、4月末には820万契約、構成比は51.1%と過半数を突破。他社に比べて遅れていた第3世代へのシフトが進展し始めていることを示した。
|
ソフトバンクモバイルの4月末時点の契約状況
|
孫正義社長は会見の冒頭、「人生には何度か転機がある。会社もいくつかの転機がある。インターネットに取り組んだのは大きな転機であり、インターネットを高速化するためのインフラに取り組んだヤフーBBへの取り組みもまた転機のひとつと言える。そして、昨年4月からのボーダフォン買収による携帯電話事業へ踏み出したことは、今後のソフトバンクの姿を描く上で、非常に大きな転機になった」と携帯電話事業の買収をあらためて振り返り、「ボーダフォン買収は成功だったのかと言えば、それはYesと言える」とした。
この1年の成果として、昨年5月から今年4月までに85万の純増に達したことや、4月末時点では1,600万契約を突破したこと、ホワイトプラン加入者が開始4カ月で400万契約に達したことを示したほか、発売機種数が前年に比べて3.3倍、発売カラー数が3.9倍へ拡大したことで、端末に対する好感度が約2倍に高まったこと、CM好感度で2四半期連続でナンバーワンとなったこと、第3世代の基地局が4月末で約3万1,000局に達したことにより利用者の満足度が高まっていることなどのデータを矢継ぎ早に示してみせた。
基地局に関しては、「2007年度上期には、4万6,000局を達成する。開局済みと工事中のものを含めて、すでに4万6,000局を超えており、公約ベース通りに進捗している」とした。そのうち、6,000局がHSDPAに対応しているという。
「HSDPAに関しては、3.6Mbpsから7.2Mbpsに拡張していく準備している。さらに、これを早くするための実験も開始している」とした。
|
|
ホワイトプランは400万契約に
|
基地局の推移
|
■ 新スーパーボーナスの動向、MNPの影響など
さらに、新スーパーボーナスによる割賦販売の購入比率が80%以上に達したことを示し、「2年間の契約をコミットしてもらうことで、解約率の減少、収益性の向上、経営体質の強化につながっているほか、赤字の顧客を減らすことで得た原資を顧客に還元でき、通話料、基本料を大幅に下げることができた。また、総務省のモバイルビジネス研究会では端末奨励金やSIMロックの廃止を検討しており、いち早く業界の将来を見据えたモデルを導入したと言える」などとした。
現在、個人の契約者では、9割を超えるユーザーが新スーパーボーナスによる契約だという。
割賦販売の比率が増加したことで、端末1台あたりの販売奨励金は、約2万9,000円と他社よりも低い水準となっている点も見逃せない。
|
量販店での販売が好調という
|
さらに、量販店においては、25%を超えるシェアとなっていることを示し、「全体シェアよりも量販店シェアの方が高い。3社の製品が並んだ環境においては、当社を選択していただいている」としたほか、「都心部が伸びているが、徐々に地方にも基地局が行き渡っており、専売ショップもさらに地方に広げていきたい。今年後半には、地方での展開もいよいよ立ち上がってくるだろう。受付カウンターは、今よりも大幅に増やしたいと考えている」とした。
また、法人需要の増加も見られており、「複数の社員が、まとまってホワイトプランに加入して、内線のように使うといった例もあるようだ。その場合、法人名でなく、個人名で契約しているため、具体的な法人需要の増加分がわからないが、月数万回線レベルで法人需要が増加していると予測できる。ソフトバンクテレコムの法人営業部隊が、大手法人にも食い込めるようになった点も大きい」とした。
MNPの影響については、「一部調査では、3割も他社に流れるだろうとの予測もあり、社内的にも沈みゆく船を買ったことになるのではないかという議論もあった。だが、結果は純増することができた。よい結果だったと考えている」と総括した。
24時間の完全定額制の可能性については、「24時間化した途端に、一瞬にしてパンクする。それだけセンシティブな問題であり、携帯電話事業者の判断としては難しいと言わざるを得ない。だが、ニーズがあるのはわかっている。いつか、なんらかの形でブレイクスルーができればと考えている」とした。
|
2007年度からの5年間を成長期とした
|
一方、孫社長は、「携帯電話事業は、一時的な動きに一喜一憂するのではなく、長い道のりである。これまでの携帯電話は、ボイスマシンだったが、これからはデータマシンになってくる。つまり、ソフトバンクが持つインターネットの総合力が活かされることになる。野球で言えば、これまでは守りだったが、これからは攻めの時代に入る。グループの総力を注ぎ込むことができ、我々の本当の力が発揮されることになる。社内的には携帯電話は十年戦争だと言っている。2006年は初動期であり、ボーダフォンを買収し、事業の立て直しを行ない、集中投資をした。2007年度から5年間は成長期として、顧客基盤の拡大、新サービスの投入に取り組む。そして、5~10年後の収穫期に向けて安定した成長、収益の拡大へとつなげる。私は、携帯電話事業に多くの精力を注ぎ込んでいる。それが盤石なものになってから、次の新たな事業に進んでいく」として、当面、携帯電話事業の拡大を最優先とすることをあらためて強調した。
なお、ソフトバンクBBを中心としたブロードバンド・インフラ事業は売上高が2%減の2,642億円、営業利益は30%増の268億円。ソフトバンクテレコムを中心とした固定通信事業は売上高が6%増の3,741億円、営業損失は前期のマイナス251億円から、マイナス29億円と赤字幅が縮小。ヤフーを中心とするインターネット・カルチャー事業は売上高が24%増の1,942億円、営業利益が30%増の965億円。イーコマース事業は売上高が4%減の2,715億円、営業利益は37%増の66億円となった。
■ URL
ソフトバンク 決算説明会資料・オンデマンド配信
http://www.softbank.co.jp/presentation/results/
(大河原克行)
2007/05/08 20:28
|
ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.
|
|
|
|
|