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「nanaco」をレジにかざすセブン&アイ・ホールディングス 最高財務責任者の氏家 忠彦氏
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セブン&アイ・ホールディングスは、コンビニエンスストア「セブン-イレブン」の店頭で使える独自電子マネー「nanaco」のサービスを4月23日より開始すると発表した。カード型に加え、おサイフケータイに対応する「nanaco モバイル」の2種類が用意される。
「nanaco」は、セブン-イレブンの店頭で各種の決済に利用できる電子マネー。非接触ICのFeliCaチップを内蔵したカード型に加え、iモード、EZwebのおサイフケータイ向けに「nanaco モバイル」としてアプリが提供され、携帯電話だけで「nanaco」を利用することも可能。セブン-イレブンの商品ほぼすべての決済に利用できる。1つの「nanaco」にチャージできる金額の上限は29,999円。チャージは現金のみで、1,000円単位となる。
サービス開始に先がけて、4月10日には「nanaco」カードに関するパソコン・携帯向けWebサイトが開設され、事前登録が開始される。「nanaco モバイル」は、4月10日よりiモードでアプリのダウンロードが開始される。EZwebでは12日よりダウンロードが開始される。なお、ソフトバンクのおサイフケータイには、2007年度内に対応する予定。
4月23日のサービス開始時点では、町田市を除く東京都の約1,500店舗で「nanaco」が利用可能になる。その後、5月14日には東北、関東の11県と町田市の約4,730店舗で対応し、5月28日には残り22県の約5,500店舗が「nanaco」に対応する。
■ カードとおサイフケータイの2つを用意
「nanaco」カードの申込みは、店頭の書類のほかに、パソコンや携帯電話からWebサイト経由で申し込める。セブン-イレブンの店頭で発行手数料300円を支払ってカードの発行を行ない、続けてチャージすればすぐに利用できる。プリペイド式のみのカードとなるため、年齢を問わず申し込みが可能。ただし15歳以下は親権者の同意書(店頭に設置)が必要になる。チャージ残高、ポイント残高はレシートで確認できるほか、「nanaco」のWebサイトでも確認できる。
おサイフケータイだけで利用できる「nanaco モバイル」は、「nanaco」の携帯電話向けサイトからアプリをダウンロードし、必要事項を入力して店頭で現金のチャージを行なえば利用できるようになる。カード型で必要な発行手数料300円は、モバイル版では無料。16歳以上の携帯電話ユーザーが申し込める。アプリでは、利用履歴や残高の確認などが行なえる。
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カード型とおサイフケータイ版の2種類を用意
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プリペイド型で誰でも使え、ポイントサービスも提供
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カード型の申し込み方法
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携帯アプリはNTTドコモとauのおサイフケータイに対応
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■ 店頭で発行・チャージが可能、ポイントサービスも
「nanaco」へのチャージは、セブン-イレブンの店頭レジで24時間受付ける。2007年の秋をめどに、店舗内に設置されたセブン銀行のATMでも現金によるチャージが可能になる予定で、現在「nanaco」に対応する新型ATMへの交換が進められている。新型ATMは2009年度中に全国のセブン-イレブンに設置される予定。なお、セブン銀行のATMで利用できる銀行口座などから、「nanaco」へ振り込むような形でチャージを行なうことはできず、現金でのチャージのみに対応する。レジ混雑時におけるチャージの代替手段や、セルフサービス的な位置付けになる。
店頭で「nanaco」の決済対象外となるのは、自賠責保険、コピーサービス、「nanaco」発行手数料、「nanaco」へのチャージなど。コピーサービスについては機器の交換を行なう予定で、2009年の第1四半期に対応する予定としている。
「nanaco」ではポイントサービスも提供される。100円(税抜き)の決済につき1ポイントが付与され、貯まったポイントは1ポイントを「nanaco」の1円分として交換できる。貯まったポイントは年度単位で管理され、有効期限は翌々年の3月31日まで。ポイント交換は店頭のレジで行なえる。なお、ポイント交換では、交換するポイントの1%が交換手数料(小数点以下切り上げ)として必要。「nanaco」100円分に交換する場合なら、101ポイントが必要になる。また、たばこ、切手はポイント付与の対象外。
■ 2007年夏には店頭レジがQUICPayに対応
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店頭のPOSレジはマルチリーダーライター一体型に交換済み
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「nanaco」対応に合わせて、セブン-イレブン店頭のPOSレジはマルチリーダーライター一体型の製品に交換されている。このリーダーライターは「nanaco」以外の電子マネーも利用可能で、2007年夏には「QUICPay」が利用可能になる予定。他の電子マネーについても今後順次検討される見込み。また、グループ外企業とのポイント連携も予定されているほか、セブン-イレブン以外の店舗における「nanaco」の利用も順次拡大していく予定。
27日には都内で記者向けに説明会が開催された。セブン&アイ・ホールディングス 最高財務責任者の氏家 忠彦氏は、「nanaco」でほとんどの支払い手段が代替可能であることをアピールするとともに、「他社の電子マネーとの相互乗り入れも計画に組み入れている。チャネルの開放、他店での展開もある」と述べ、電子マネーサービスに柔軟に取り組んでいく姿勢を明らかにした。
また氏家氏は、流通業として“情報”の重要性が増しているとし、「ユーザー、地域、顧客特性、祭事など、ユーザーの近いところに情報が発信できるツール」とするとともに、「決済としての利便性はもちろん、金融サービスの拡大や、いろんな企業に門戸を広げてのコラボレーション、価値のあるチャネルとして輝けるようにしていくこと」と「nanaco」の導入意義を語った。
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「第6次システム」により高速で高度なセキュリティのネットワークを構築。オンラインチャージは1秒で処理が終了する
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グループ内でのポイント連携など、今後の方向性も明らかに
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利用イメージ。カードをかざしているのは「nanaco」の発行を担当するアイワイ・カード・サービス 代表取締役社長の山本 俊介氏
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■ URL
ニュースリリース(PDF形式)
http://www.7andi.com/news/pdf/2007/0327_01.pdf
セブン&アイ・ホールディングス
http://www.7andi.com/
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(太田 亮三)
2007/03/27 20:17
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