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ドコモ、シンプル+使いやすさの「らくらくホン ベーシック」

らくらくホン ベーシック

端末を手にするデザイナーの原 研哉氏とNTTドコモの永田 清人氏
 NTTドコモは、基本機能に特化したFOMA端末「らくらくホン ベーシック」を4月に発売する。

 「らくらくホン ベーシック」(F883i)は、デザイナーの原研哉氏、富士通、ドコモのコラボレーションで生まれたシンプルな折りたたみ型端末。石けんをイメージした形状で、ボタン部は明確な凸形状を採用するなど、シンプルでありながら同シリーズの使いやすさを継承している。

 機能の中心となるのは、通話、メール、iモードの3つ。この3つに機能を絞り、他の機能はなるべく削ぎ落としてシンプルにする、というのが基本的なコンセプトになる。らくらくホンシリーズの中では、多機能な「FOMAらくらくホンIII」(F882iES)と、通話のみの「らくらくホンシンプル」(D880SS)の中間に位置するもので、すでに3年以上に渡り販売されているmova端末「らくらくホンIII」(F672i)の後継機種という位置付け。通話、メール、iモードの3つの機能に的を絞りながら、FOMAらくらくホンIIIで採用されているさまざまな使いやすさのための機能を搭載している。

 mova版らくらくホンIIIの後継機種として、分かりやすいメニューリスト表示や3つのワンタッチダイヤルボタン、大きく押しやすいボタンなどを継承。機能面でも歩数計や音声読み上げ機能を引き続き搭載する。

 mova版らくらくホンIIIから進化した機能として、FOMAらくらくホンIIIでも採用されている「ゆっくりボイス」「自動はっきりボイス」、大きな文字のiチャネルや「らくらくiメニュー」を採用し、操作ボタンが光る「光ガイド」を搭載する。また、らくらくホンシリーズ初の機能として、豊富に用意された定型文を簡単に選択できる「メールらくらく返信」機能、圏内自動送信メール機能、通話・メール着信時の名前読み上げ機能が新たに搭載されている。

 ボディのデザインは、無印良品のアートディレクションや松屋銀座リニューアル、梅田病院サイン計画などを手がけるグラフィックデザイナー・原 研哉氏が担当した。石けんをモチーフに持ちやすくシンプルな外観でまとめられているほか、キー形状やキーフォントの大きさ、色、画面に表示される文字の書体、字間、行間など細かな部分までこだわってデザインされている。

 メインディスプレイは約2.4インチ、240×320ドット、262,144色表示の半透過型TFT液晶、サブディスプレイは約1.2インチ、64×64ドット、1色表示のSTN液晶。なお、FOMAらくらくホンIIIと比較した場合、主なところではテレビ電話、カメラ、iアプリ、外部メモリ、赤外線通信などが非対応になっている。

 歩数計使用時の連続待受時間は静止時約400時間、移動時約280時間。歩数計を使用しない場合の連続待受時間は静止時約560時間、移動時約400時間。連続通話時間は約200分。

 大きさは102×51×19.9mm、重さは約103g。ボディカラーはホワイト、ブラック、ゴールド、ピンクの4色。



キーはシリーズのデザインを継承

右側面には音声読み上げボタン。中央は開けやすいようにくぼんでいる 左側面は通話のボリュームキーとイヤホンマイク端子。 背面もシンプルなデザイン

キーは十分な大きさと突起を確保 サブディスプレイは常時点灯の反射式で見やすい 普段は見えないが、着信時には光るライトも搭載

待受画面と大きな文字のiチャネル 初期設定のメニューはリスト表示 アイコンメニューも用意されている

メール本文入力画面 iモードでらくらくiメニューを表示

NTTドコモ プロダクト&サービス本部 プロダクト部長の永田 清人氏
 6日には都内で記者向けに発表会が開催され、「らくらくホン ベーシック」について説明が行なわれた。

 NTTドコモ プロダクト&サービス本部 プロダクト部長の永田 清人氏はまず、らくらくホンシリーズの現状を紹介した。シニア向けの端末市場は近年大きく伸びており、シリーズ累計でもうすぐ1,000万台を超える勢いという。通話のみに機能を絞った「らくらくホンシンプル」でラインナップやターゲットの幅を広げる一方、市場が拡大する中で「需要のバリエーションが増えている」という。

 ユーザーからは、らくらくホンシリーズの見やすさ、ボタンの押しやすさへの評価が高く、操作性を変えないで欲しいという要望も多いという。また、人に勧められて購入するという傾向が他の端末よりも多いのがらくらくホンシリーズの特徴とし、こういった傾向が操作性を変えないで欲しいという要望につながっていると分析した。

 「らくらくホン ベーシック」はシリーズの基本モデルであるF672iの後継機種とし、「F672iをFOMAでも、というのが大きなきっかけ。基本機能を守り、ベーシックで綺麗な携帯電話を目指した」と述べた。


らくらくホンシリーズの販売状況 簡単な操作のほかに、デザインも求められているという F672iの後継として、FOMAのベーシックならくらくホンという位置づけ

デザインを担当した原 研哉氏

モチーフとなったのは少し使い込まれた石けん
 デザインを担当した原 研哉氏からも説明が行なわれた。原氏は、「最初は、若者向けではないのか、と思ったが、成人人口の半数は50歳以上であり、軽くは受け止められないなと思った」とドコモから打診を受けた際の気持ちを明らかにするとともに、デザイン面では、多くのユーザーが使いやすいと感じる位置や形状ができあがっているとし「継承はしながらいかに素敵なものができるか、難しいところだが意見をぶつけあいながら仕上げた」と語った。

 外見のモチーフである石けんについては、「使い始めて1週間ぐらいたった、角が取れたもの。人間の手の中に収めてどのぐらいが心地良いのか煮詰めていった。らくらくホン ベーシックは使い始めると手放せなくなり、石けんのように手に溶け始める」と述べて、厚さについてもあえて持ちやすい厚さを確保したとした。

 また、自身はプロダクトデザイナーではないと前置きした上で、「プロダクト以外に、シニア層が自在に、上手に、熟成したコミュニケーションができることをゴールと考え、そこにどんなツールを提供できるかを考えた」としたほか、「余計な機能を潔くはぶいて、磨きぬくことで見えてくるものがある。継続していくことでどういう進化があるのか、息長く見守っていきたい」と「らくらくホン ベーシック」に託したデザインを語った。



URL
  ニュースリリース
  http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/20070306a.html
  製品情報
  http://www.nttdocomo.co.jp/product/easy_phone/basic/


(津田 啓夢, 太田 亮三)
2007/03/06 15:17

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