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NTTドコモは23日、「クローン携帯初確認」とする一部報道を受け、国際ローミング先の海外キャリアで誤った認証手段が用いられていたために国内FOMAユーザーに誤課金していたことを明らかにした。クローン携帯そのものについては「製造できない」という認識は変更していない。
同社によれば、今回の事象は、海外で解約済のFOMAカード(USIMカード)を装着したと見られる携帯電話から通話できてしまったというもの。通常、解約したFOMAカードは国内外を問わず、利用できなくなるが、海外の一部キャリアにおける特定の交換機では、FOMAカードに内包される「個体識別番号(IMUI)」のみで認証を行ない、通話できるようになっていたという。
「IMUI」とは、FOMAカードに記録されている15桁の番号。ドコモだけではなく、国内外の他事業者も利用する番号で、ドコモに割り当てられている数は限られており、再利用されることがある。同社では「利用されなくなった番号は、最短で半年後に再利用する形にしていた。ただし、使われない番号はある程度貯まっていくもので、半年経って再利用というケースは稀」としている。
解約済FOMAカードに記録されているIMUIが、国内の新規契約ユーザーに再利用で割り当てられたため、IMUIだけで認証を済ませていた海外キャリアからの通話が、国内ユーザーのものと誤って記録され、誤課金が発生していたという。
同社では2005年9月から調査を開始。海外との全通話を監視したことで、2006年2月までに6件の事象、計26万円分の通話を確認した。このうち、2件については、誤課金として通話料を返還している。また、残り4件は請求前に発生を確認しており、誤課金の対象ではないという。
■ 対応策は?
携帯電話から発信する際、基地局とは個体識別番号や電話番号、認証キーなどを用いて、全て一致するケースのみ接続するようになっている。しかし、今回の事象は海外キャリアの交換機で、個体識別番号だけで認証されていたことが原因とされている。このため、同社では、今年2月に正しい手続きを踏んでいない交換機からの接続要求を拒否するようにした。また相手には正しい認証を行なうよう要求している。
当分は、個体識別番号の再利用は行なわない考えだが、同社では「対処は完了した。今後、経過を見て、問題なければ再利用を再開したい」としている。また、今回の事象が発生した具体的な地域については、中国やフィリピンなど一部報道で伝えられた地域については否定していないものの、その他の地域、あるいはキャリア名については公開しない考えだ。
同社の説明では、他事業者でも同様の事象が発生し得ると見られるが、au ICカードを採用するKDDI、同じW-CDMA方式でUSIMカードを用いるソフトバンクモバイルはともに「内部調査の結果、そのような事例は過去に発生していない。今後も起こりえない」としている。
■ URL
重要なお知らせ(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/info/notice/page/061123_00_m.html
(関口 聖)
2006/11/24 14:45
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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