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「INFOBAR2」の深澤氏と「DRAPE」の坂井氏が“デザイン”を語る

トークショーの模様
 東京・原宿のKDDIデザイニングスタジオで3日、深澤直人氏と坂井直樹氏による「au design projectスペシャルトークショー」が開催された。2003年に発売された人気モデル「INFOBAR」のデザイナーである深澤氏と、au端末のトータルプロデュースを手がける坂井氏が、携帯電話を巡るデザインについてさまざまな意見を交わした。

 今回のトークショーは、10月31日から11月16日まで開催中のデザイン展「INFOBAR展」「Trilogy展」を記念して実施されたもの。深澤氏は「INFOBAR」「neon」のデザイナーであり、坂井氏もまた近日発売予定の「DRAPE」を筆頭に、au端末全般をプロデュースする人物。au端末のデザイン性を象徴するクリエイター2名によるトークショーということもあってか、会場では20代の男女を中心に立ち見の観客が出る盛況ぶりだった。


サブカルチャー的な日本製ケータイ

デザイナーの深澤直人氏 コンセプターの坂井直樹氏

 約60万台を販売したという人気モデル「INFOBAR」のデザインを手がけた深澤氏は、INFOBARが発売された2003年に前後する形で、携帯電話デザインに対する消費者の意識は変わりはじめたと分析。「すべてのユーザーがデザインに興味を持っており、機能とデザインのバランスに対する要求も厳しい」とデザイナーとしての苦労を明かした。一方、携帯電話の分野でもデザインが語られ、一般的になったことで、質の高いデザイン論が展開されるようにもなったという。

 デザイン性重視の傾向が強まる日本の携帯電話市場だが、世界と比較した場合はどうなのだろうか。深澤氏は「世界的にはモトローラ、ノキア、サムスン、LG4社のシェアが大きく、日本メーカーは独自性の高い通信方式を国内で導入していることもあって、入り込めていない」と説明。海外では5,000万台もの出荷を記録したモデルも存在するなど、1つのデザインが大量に流通している側面もあるという。

 その上で深澤氏は「日本メーカーの端末は、(世界的に見た場合)極めてサブカルチャー的。しかし日本国内にあってはメインカルチャーになっている」と、その特殊性を指摘。サブカルチャー的な端末はデザインの変化も早いため、メインカルチャー的な海外からは陳腐に見られる傾向があると解説した。

 しかし小型情報機器への文字入力方式として、スタイラスによるタッチペン入力よりもボタン入力が主流になった背景には日本製携帯電話の存在があるとし、一定の“脅威”を国外へ与えていると深澤氏は語る。聞き手の坂井氏も「日本は独自の通信方式ゆえに海外メーカー参入の進まない“鎖国”だが、それだけに独自の発展を見せており、面白い」と補足している。


コンセプトモデルは“揺れ”を生み出す

 坂井氏は、au design projectから生み出された「携帯電話のコンセプトモデル」という概念は、1つの発明だと語る。「自動車の世界ではコンセプトカーがよく作られる。展示されるだけで販売すると約束もない模型だが、レスポンスの良かったものだけは市販される。この概念を携帯電話に持ち込んだのは興味深い」(坂井氏)。

 深澤氏も「コンセプトモデルは“揺れ”を生み出すもの」と、その意義を語る。ここでは人々から寄せられる好評・不評といった意見の幅が「揺れ」であり、揺れを顕在化させるためにもコンセプトモデルは重要だという。

 そして将来のデザインを語る上でのキーワードになりうるのは“素材”だという。「素材へのチャレンジはこれからの分野。コストの関係でこれまでは難しかったが、海外ではノキアが高価な携帯電話を発売し、実際に人気を集めている。ガラスやチタンなどの素材も使えるようになれば、さらにデザインの可能性は広がるだろう」(深澤氏)。

 また坂井氏はトークショーの中で余談的に、携帯電話のデザイン性がまだ発展途上であることを示す事実として「デザイン」という言葉の用法を採り上げた。「“デザインケータイ”という言葉はあるが、“デザインファッション”“デザインカー”“デザインウォッチ”とは言わない。つまりデザインが浸透している分野の製品ほど、デザインという言葉は不要になるようだ」と坂井氏が話すと、会場からは笑いが漏れた。深澤氏も「これからはあまりデザインケータイと呼んで欲しくないかな」と苦笑いで答えていた。


INFOBAR2、そして10年後のケータイの行方は?

INFOBAR2について語る深澤氏と坂井氏
 コンセプトモデルとして展示されたINFOBAR2の今後についても話題はおよんだ。深澤氏自身は「すぐにでもやりたい(販売したい)」と話したが、現段階での製品化は未定という。ただ、坂井氏から観衆に対して飛んだ「INFOBAR2が今すぐにでも欲しい方は?」という質問には相当数の観衆が賛同の挙手で答えており、注目度は非常に高い様子だった。深澤氏も「デザイナーは他人の意見をあまり聞いてはいけないところもあるが、販売が現実となった場合には期待を上回るものを出したい」と意欲を見せた。

 約1時間に渡ったトークショー最後の話題は「10年後の携帯電話はどうなっているのだろうか」。深澤氏は携帯電話に限らず多くの機器が「人間の身体に取り込まれていく」ことをキーワードに挙げた。

 深澤氏は薄型化していくテレビやエアコン、大型テープレコーダーが小型化してMP3プレーヤーへと変貌を遂げていく現状を例に、電子機器の小型化が行き着く先は人間自身や、建築物との一体化だろうと語る。その上で「携帯電話がギリギリまで身体に近づいていった時どのような形になるかは難しいが、“カードサイズ”が1つのフォーマットになるだろう」と展望を示した。

 また、深澤氏によるトークショー終了後は、Trilogy展に出展されたコンセプトモデルのデザイナー、ロス・ミクブライド氏とブラッドリー・フレイザー氏が登壇した。携帯用酒瓶をモチーフとする「vols」のデザイナーであるミクブライド氏は「酒瓶という“伝統的モバイル製品”と一番新しいテクノロジーである携帯電話を結びつけた」と、そのコンセプトを説明。ひび割れたガラスのようなデザインが印象的な「kaos」を担当したフレイザー氏も「工業製品にはあり得ないライン、自然界にあるカオスなラインを再現したかった」と自身の作品を解説した。


「vols」のデザイナー、ロス・ミクブライド氏 「kaos」をデザインしたブラッドリー・フレイザー氏


URL
  au design project 2006
  http://www.kddi.com/design2006/
  KDDIデザイニングスタジオ
  http://www.kds.kddi.com/

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Kスタに「INFOBAR2」ほか3つのコンセプトモデルが登場


(森田秀一)
2006/11/06 11:22

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