|
|
|
実験で用いられる「PaPeRo」
|
|
ロボットを通じて、保護者が参加できるのもメリット
|
NECとNTTは、ロボットと携帯電話を用いて、子供がいる施設を遠隔地から確認できるようにする見守りシステム「メルロボ連絡帳」を開発し、2006年末まで幼児向け施設2カ所で実証実験を行なう。
今回開発された「メルロボ連絡帳」は、NEC製「パーソナルロボット PaPeRo」と、NTTサイバーソリューション研究所開発のプラットフォーム「ActionSwitchプラットフォーム」を活用して、保護者の携帯電話からロボットを操作できるようにしたもの。実験内容としては、保護者が携帯からロボットに命令を出し、子供が遊ぶ様子を動画(iモーション)で返信する「メルロボ」と、施設スタッフが子供の様子をブログ形式で記録する「ロボ連絡帳」の2種類となっている。
実験が行なわれるのは、東京都世田谷区の施設「まいとプロジェクト」と、山梨県南アルプス市の「マコト愛児園」の2カ所。どちらも1カ月間に1~2日、1日に2~3回、1回あたり2時間程度と時間を区切った形での運用となる。
「ActionSwitchプラットフォーム」は、携帯電話から届いたメールを解析し、ロボットに指令を伝える役割を果たす。今回の実験では、あらかじめPaPeRoにプリセットされた楽曲4種類を演奏することだけが携帯電話から命令できるようになっている。送信するメールの種類も限られているが、同プラットフォームには自由文を解析して、コマンドに変換する「キーワード抽出コマンド変換技術」が採用されている。
また、どの保護者からメールが届いたか判別する際には、メールアドレスでの認証が利用されており、NTTでは「スムーズに実験できるようメールアドレスを採用したが、各ユーザーにIDとパスワードを付与して認証することもできる」としている。実験ではiモーション対応端末が利用される。システム上は、携帯電話に限らずインターネット接続できる端末であれば良いとのことだが、同社は「今回は、一般的に普及している携帯電話で利用できるようにした」と説明している。
|
|
プレ実験の映像。保護者のメールに応じてPaPeRoがアクションを起こす
|
あらかじめPaPeRoで撮影した写真をブログとしてアップロードする
|
両社では25日、都内で報道関係者向け説明会を開催し、NECメディア情報研究所所長の山田敬嗣氏とNTTサイバーソリューション研究所所長の小川克彦氏から概要が説明された。
山田氏は「NEC側はセキュリティなどに対応した通信基盤を、NTT側は人に対して情報伝達・収集が可能なインターフェイスとロボット技術を求めており、今回の実験は互いのノウハウを組み合わせている。監視カメラではなく、ロボットにすることで、子供と施設スタッフに加えて保護者も関与できる」と実験の背景や意義を説明した。
さらに同氏は「今回の実験では、技術的な側面よりも、ロボットなどがどの程度受け入れられるかという点が重要だ」と述べた。また、小川氏は「Webカメラで同様のことができるかもしれないが、ロボットがエージェントのような存在に、そして“監視”とは異なる考え方になればと思っている」と語っていた。
|
|
NECメディア情報研究所所長の山田敬嗣氏
|
NTTサイバーソリューション研究所所長の小川克彦氏
|
■ URL
プレスリリース(NEC)
http://www.nec.co.jp/press/ja/0610/2503.html
ニュースリリース(NTT)
http://www.ntt.co.jp/news/news06/0610/061025a.html
(関口 聖)
2006/10/25 13:45
|
ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.
|
|
|
|
|