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ボーダフォン決算、営業利益51.7%減の厳しい内容
ボーダフォン執行部 財務本部副本部長の建石氏
ボーダフォンは、2005年度3月期(2005年4月1日~2006年3月31日)決算を発表した。説明会にはボーダフォンの常務執行役 財務本部長(CFO)の藤原 和彦氏、執行役 財務本部副本部長の建石 成一氏、取締役の後藤 芳光氏が出席した。
売上高は前年比0.2%減の1兆4,676億円、営業利益は前年比51.7%減の763億円となった。売上高がほぼ前年と同じで営業利益が下がったことについて建石氏は、顧客獲得を優先し、営業費用やかさんだことや、3Gネットワーク拡充のための設備投資費が多かったためと説明した。
加入者数の動向としては、2005年1月~5月まで続いていた加入者数純減の傾向は終わり、2005年6月より純増に転じていままでキープしてきていることを報告。建石氏は「2005年度を、純減に歯止めをかける『反転攻勢の年』と位置づけ、会社が踏ん張れたおかげ」と説明した。
決算ハイライト
加入者数の動向
加入者の内訳としては、3Gユーザーが増え、2Gから3Gへの移行が加速していることも報告。2005年の第3四半期にはボーダフォン加入者の20%が3Gになったと説明した。しかし一方で建石氏は「まだ比率的には競合他社に遅れているので、3Gへの移行をがんばりたい」ともコメントした。
解約率は減少傾向にあり、2005年度は1.6%程度で推移。買換率は2.0%台でほぼ横ばいに推移。さらに新規顧客獲得費用としては、2005年は1ユーザーあたり45,000円がかかったとも説明した。顧客獲得費用について藤原氏は「獲得費用はYahoo! BBでも頭が痛いところ。今後は若干上昇するのがトレンドではないかと考えている」と述べた。
総加入者に対する3G・2Gの割合
解約率や買換率
ARPU(加入者あたりの月間収入)については、音声通話による収入が減ったことで、前年に比べて減少した。これについて建石氏は「今後は3Gの客が増えることでARPU向上を図りたい」と説明した。
3Gネットワークの増強については、2005年度は計上ベースでの設備投資額が前年に比べ大きくなったと報告。それに伴い、3Gユーザーのネットワークに対する満足度について、2005年8月の50%から2005年12月には68%まで向上したことを紹介。3Gネットワーク増強に力を入れていることを強調しつつも、一方で建石氏は「逆に言えば32%はボーダフォンのネットワークに満足してもらっていない。ここは改善するべきところで、ネットワークの増強は、ソフトバンクグループに入ったボーダフォンが掲げる4つのコミットメントのうちの最重要課題として取り組む」とコメントした。
端末ラインナップについては、おサイフケータイや着うたフル、ワンセグ対応機種などさまざまな新機能に対応する端末を投入したことをアピール。建石氏は「2006年度もこの流れを維持し、ラインナップの拡充を図る。端末ラインナップについては、まだまだ改善の余地があると考えている」と述べた。
ARPUの内訳と推移
3Gネットワークへの投資と増強
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ソフトバンクグループとしてのシナジー効果
ボーダフォンが掲げる4つのコミットメント
説明会では、ボーダフォンがソフトバンクグループの傘下に入ったことについても説明された。4月27日に買収が完了し、4月28日には新社長としてソフトバンクの孫 正義氏が社長に就任、5月1日からはボーダフォン本社が引っ越しをして、ソフトバンクBBや日本テレコムなど、ソフトバンクグループが入居する東京汐留ビルディングで業務を開始したと紹介。さらに建石氏は「10月1日よりはソフトバンクモバイルとなり、ブランド名もソフトバンクになる。ソフトバンクグループにとって不退転の決意でロゴを使うことになった。社員一同、ソフトバンクグループのシナジーを浴びるべく、急ピッチで作業している」とコメントし、新体制への移行が順調に進んでいることをアピールした。
ソフトバンクグループの傘下に入ることで得られるシナジー効果について建石氏は「ADSLネットワークとバックボーンを共用化することでコストを下げることや、顧客基盤を活用し、通信だけでなくEコマースなどにも拡大できるのではないかと考えている。底辺が拡大するだけでなく、奥行きも深いと思っている。ソフトバンクが得意とする営業、量販店ネットワークを活用して、販売を急ピッチで進めて行きたい」と説明。
一方、具体的なシナジー効果が発揮される時期については藤原氏は「すぐに出るものではない。来年にかけて具体化していく。その一例が汐留のビル」としてボーダフォンの新しい本社である汐留のビルについて紹介した。汐留のビルでは、会社ごとのフロア分けではなく、ソフトバンクグループ各社の同業種が同じフロアになるようにフロア割りがなされていて、グループとしてのシナジー効果を追求していることをアピールした。
記者からソフトバンクグループ傘下に入り汐留のビルに移って、会社の雰囲気や士気に混乱はないのか、と質問が寄せられると、建石氏は「わたしはもともと日本テレコム(ボーダフォンの前身であるJ-フォンの親会社)にいた。日本テレコムからボーダフォン、ソフトバンクに移ったが、ソフトバンクには懐かしいメンバーも集まっていたりする。しかし日本テレコム時代からするとグループ企業も多く、雰囲気も違うし、企業としてのポテンシャルは大きくなったと受け止めている。雰囲気や士気はそれぞれだと思うが、それを感じる暇もなく引っ越し、業務開始した。こういう経営陣の入れ替えには慣れているので、5月1日から業務を開始できている。社員の士気は悪くないと個人的には考えている」とコメントした。
ソフトバンクグループ内におけるボーダフォンの位置付け
ソフトバンクグループとのシナジー効果
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URL
ボーダフォン
http://www.vodafone.jp/
ニュースリリース(ボーダフォン)
http://www.vodafone.jp/japanese/release/2006/20060530j.pdf
(白根 雅彦)
2006/05/30 20:06
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