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KDDIとGoogleが提携、EZwebにGoogleの検索エンジン採用

KDDIとGoogleが業務提携

EZwebのトップにGoogleの検索ボックスが設置される
 KDDIとGoogleは、EZweb上でGoogleの検索エンジンを採用し、モバイル向けとパソコン向けインターネットを統合した検索サービスを提供することで合意した。これに伴い18日、都内で記者会見が行なわれた。

 auでは、7月からEZwebのトップメニューに、Googleの検索ボックスを設置する。CDMA 1X WIN、CDMA 1Xの既存端末でも利用可能で、従来のクローズドな携帯電話向けサイト(公式サイト)に加えて、パソコン向けのオープンなWebサイトの検索も可能になる。

 検索結果は、EZweb公式サイト、EZwebの一般サイト(勝手サイト)、パソコン向けサイトの順番で表示される予定で、例えば、「仲間由紀恵」と検索すると、着うたフル、CDなどのショッピングサイト、EZweb内の検索結果、パソコンでの検索結果が表示される。着うたなどのコンテンツは、ダウンロードページに直接リンクされる。

 パソコン向けのサイトも検索できるため、「仲間由紀恵 ウィキペディア」と検索すれば、Web上のフリー百科事典「Wikipedia」の情報も確認できる。なお、パソコン向けサイトは、Googleのコンテンツ変換エンジンによって携帯電話で閲覧できるように変換される。検索結果から「PCサイトビューアー」を起動し、よりパソコン版に近い形で閲覧することも可能となる。

 また、検索サービスが充実することで、検索キーワードをトリガーにした広告も表示される。パソコン向けのGoogleなどで見られる、いわゆるアドワーズ広告のモバイル版となる。


仲間由紀恵と検索。着うたフルのダウンロードページに直接アクセス パソコン向けサイトも検索できる

検索結果からPCサイトビューアーで閲覧 キーワード広告が表示される

KDDI高橋氏、「これからはケータイでググる時代」

KDDIの執行役員 コンテンツ・メディア事業本部長の高橋誠氏(右)と、米Googleのモバイル プロダクト マネジメント ディレクターのディープ・ニシャー氏(左)

本格的なモバイル検索スタート
 会見では、KDDIの執行役員 コンテンツ・メディア事業本部長の高橋誠氏、米Googleのモバイル プロダクト マネジメント ディレクターのディープ・ニシャー氏がそれぞれプレゼンテーションを行なった。

 高橋氏は、Google検索エンジンを採用する経緯を説明。パケット定額サービスがスタートしたことで、コンテンツビジネスに変化が生まれ、着うたや着うたフル、待ちうた、EZアプリといったダウンロード型のコンテンツが拡大し、さらに、この1年間で、携帯電話でパソコン向けサイトが閲覧できる「PCサイトビューアー」の利用者が約13倍に増加しているとした。

 同氏は、「定額制で、これまでのパケットベースのビジネスモデルが大きく変わってきた。今後、PCサイトビューアーを戦略的なアプリケーションとして導入していく」と語った。

 また、従来クローズドな環境でコンテンツを提供してきたEZwebについて、「オープンなインターネットの世界にもう一歩進まなければならない」とコメント。女子高生を対象としたグループインタビューで、携帯電話は使っているものの、何かを調べる際には不便だとする意見があったことを紹介し、パソコン向けの検索サービスでは定評のあるGoogleとの提携に至ったとした。

 ただし同氏は、単純にオープン化するような発言は避けている。コンテンツのダウンロードニーズに応えるため、権利を保護し、安全に利用できることを強調し、「そこにオープンなネットを加える」と表現した。

 「ポータルからショッピングに行くのはもう古い。検索エンジンからショッピングに行ける。我々は、オープンだクローズだといった論争に巻き込まれるつもりはないが、遅れるつもりもない。これからは、テレビを観ながらケータイを使うなど、いろいろなメディアを見ながら、ケータイでググる時代が面白いのではないか」(高橋氏)。

 だが、EZwebがオープン化されることによって、ニュースサイトや気象情報サイトなど、情報系のコンテンツは、オープンサイトに喰われてしまう可能性もある。こうした懸念について高橋氏は、「我々も戦略的に考えている。基本的にダウンロード型コンテンツは活性化するだろう。しかし、情報系はPCサイトビューアーやソフトバンクのように流れととして、コンフリクト(衝突)を起こすところもある。コンテンツプロバイダーは、ケータイならではのネタの出し方をするなど、ますます工夫するのではないか」とした。

 一方、Googleのニシャー氏は、携帯電話がパソコンの2倍近くも普及しているとし、モバイルインターネットがGoogleにとって重要なものであるとした。同氏は、今後も携帯電話のフォーマットに合わせた機能やサービスを積極的に展開していくと語った。

 なお、両社の提携は今回が第1弾。検索サービスに限らず、さまざまな展開を検討していくという。また、グーグル(日本法人)の牧野友衛氏は、モバイル向けの検索サービスの展開について、「基本的にはあらゆるところからユーザーが検索できるようにしたい」と語ったが、国内の他の携帯電話会社への供給については、「まずはauにフォーカスしたい」とした。


ダウンロードコンテンツが拡大 モバイル検索ニーズの高まり

EZwebサイトに加えて、パソコン向けサイトも閲覧可能に ダウンロードの安全性と権利保護は従来通りだという


URL
  ニュースリリース(KDDI)
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2006/0518/


(津田 啓夢)
2006/05/18 14:36

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