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KDDI神山氏、メディアビジネスの今後を語る~MCFセミナー

KDDIの神山氏
 モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)は「モバイルプラットフォームはどこに向かうのか!?」と題したセミナーを開催した。セミナーの中でKDDIのコンテンツ・メディア事業本部 メディアビジネス部 部長の神山 隆氏は「KDDIのメディアビジネスの方向性」と題した講演を行なった。

 まず神山氏は現在のauの概況をデータとともに説明した。現在、EZweb契約者のうちほぼ4割がWINユーザーで、WINユーザーのうち85%以上が定額制に加入。コンテンツARPUも上昇傾向を維持している。さらにauの主要なサービスとして、「着うたフル」「電子書籍(EZブック)」「GPSサービス」「DUOBLOG」のいずれもが好調に利用を増やしていることも紹介した。auが提供しているポータルについても、1X向けポータルはユーザー減少に伴いページビューも減少しているが、WIN向けポータルは1X向けポータルの減少をはるかに上回るペースでページビューを増やしているという。

 神山氏はケータイコンテンツの今後について「定額制などの導入により構造変換が進展している。この流れに注目しなければいけない」と語る。顧客ニーズについて「コンテンツDLニーズ」と「情報閲覧ニーズ」の2種類に分け、「コンテンツをダウンロードして再生するという、メディアプレーヤーとしてのケータイのニーズはある。一方でパソコンのウェブサーフィン的な情報閲覧がケータイでやりやすくなった。この2つのコンテンツの方向性が明確化している」と分析する。その上で今後の方向性として「ポータルの魅力を強化する必要がある」と語った。


auの定額制利用状況 コンテンツ市場概観

auが提供するポータルのページビュー増減 ケータイでの情報検索ニーズの高まり

auの主要なサービスの状況 今後のコンテンツビジネスの方向性

 続いて神山氏は、auが力を入れている音楽ビジネスの概況を説明した。auが手がける音楽ビジネスとして、着うたフルの累計ダウンロード数が3月上旬で4,000万ダウンロードを突破し、5月中には累計5,000万ダウンロードを突破する見込みであることや、「待ちうた」や「au Records」なども好調であるという。

 今年の春モデルから導入した「LISMO」については、近々、パソコン経由で着うたフルを提供するサービス「MUSIC STORE」を導入することも紹介した。

 LISMO導入の狙いについて神山氏は「日常生活のあらゆる場面で着うたフルのフォーマットを使えるようにすること」と語る。「ユーザーのライフステージを考えている。着うたフル対応機種ユーザーの低年齢化で、初めてのケータイが着うたフル対応ということも考えられる。このステージでは気軽にダウンロードできることが重要。しかしステージが進むと、CDをレンタルしたり購入してコレクションしたいというニーズも生じる。そこにも着うたフルで対応できないと、あるタイミングで使われなくなってしまう。そこで着うたフルの適用領域を広げること、重要なポジションを維持するためのアプローチが必要になった」と説明。「そこで必要となったのは、着うたフルの利用障壁の低減。最終的にはケータイ経由のダウンロードを拡大させるのが目的の一つで、パソコン向けサービスも着うたフルのリコメンドサイトとして作っている」と語った。

 またLISMOのパソコン向けソフト「au Music Port」について、「実際の稼動数は公表できないが、ケータイに同梱されているバージョンと、インターネットからダウンロードできる完全バージョンを比較すると、4:6程度でダウンロード版を利用している人が多い」という。同氏は「LISMO対応ケータイをもっていない人も、au Music Portを使っているのではないか。音楽はパソコンで聴き続けるというものでもないので、そうしたユーザーは着うたフルの潜在的なユーザー。これまで着うたフルを使っていなかった人も、着うたフルの世界に入ってきていて、マーケット拡大につながる」と語った。

 今後のLISMOについては、「LISMOはauとツーカー、2,500万ユーザーの生活空間にリーチするサービス。今後はauケータイを中心としたAVライフを実現するために、まずは映像からLISMOを拡張したいと考えている」という。


音楽関連サービスの状況 LISMOの概要

LISMO導入の意義 音楽から実現するFMCサービス

 放送と通信の連携ビジネスへの取り組みについては、まず「ケータイのメディア化」から説明する。「ケータイがメディア化するというのは、簡単に言うとケータイの画面にユーザーが接触する時間を増やすこと。そうすることでビジネスチャンスを拡大することが、ケータイのメディア化の本質」と語る。

 ケータイのメディア化に向けた取り組みとしては「新たな接触行動を増やすためにブログやオークションなどさまざまなサービスを導入したが、生活行動が変わるわけではないので限界があった。そこでメディア行動に注目し、音楽やゲーム、書籍などの既存メディアをケータイに取り込んだ」と説明。さらに「その次の段階が放送と通信の融合。メディアの王様であるテレビと連携する。テレビ放送をきっかけにほかのメディアソフトやポータルの利用拡大につなげるのが、放送と通信の連携の重要な意味合い」と語った。

 テレビとケータイの連携については、テレビを見ながらケータイを使う人が増えていることを紹介し「すでにユーザーの生活の中で放送と通信は融合し始めている」とも説明する。アナログテレビを内蔵したケータイにおいて、テレビ画面の下に「お知らせウィンドウ」というバナーを設けた際、年齢層が高いほどアクセス経験率が高かったという調査結果を紹介し、「従来のEZweb利用が活発でない層の方が、テレビ視聴からコンテンツにアクセスしている」と語った。

 神山氏によれば、(KDDIでは)「こうした問題を意識して、4月からテレビ朝日と共同事業検証を行ない、テレビ番組が喚起した興味を着実にレスポンスにつなげる」ことを狙っているのだという。放送通信連携ビジネスモデルとしては、通販やマーケティングを挙げつつ、「こうしたビジネスモデルができたあとは、端末提供者としての責任も果たす」と語り、コンテンツ販売プラットフォームとしての「au Shopping Mall」やテレビ広告連携のプロモーションを開発するKDDIと電通の子会社「ユビキタス・コア」などKDDIの取り組みを紹介した。


テレビ視聴と融合するケータイ利用 新たな利用者を開拓するテレビ視聴

テレビ朝日との共同事業検証の狙い 放送通信連携が想定するビジネスモデル


URL
  モバイル・コンテンツ・フォーラム
  http://www.mcf.to/
  KDDI
  http://www.kddi.com/


(白根 雅彦)
2006/04/18 23:04

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