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TI・テンプルトン氏
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日本TI山崎氏
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日本テキサス・インスツルメンツ(TI)は30日、同社の事業戦略を紹介する報道関係者向け説明会を開催した。同社代表取締役社長の山崎俊行氏から挨拶があったほか、米本社CEOのリッチ・テンプルトン氏から、日本市場および世界市場への取り組みが語られた。
テンプルトン氏は、同社の業績について「2005年、半導体分野の売上高は約1.3兆円。3G携帯電話に関連した製品の売上は10億ドルを超えており、携帯向けチップのOMAPは出荷量が倍増、ベースバンドチップは2004年の3倍となった。世界市場で昨年投入されたW-CDMA端末の半分以上で採用されている。3G端末のトップ7社のうち、6社にで当社製品が採用されており、出荷製品は110種類を超えた。DSPだけではなく、電源管理チップなどアナログ製品は、2004年より13%成長している」と好調さをアピールした。
世界市場への取り組みとして同氏は「今後、いわゆるBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)といった市場から、10億人の新規携帯ユーザーが誕生するという調査結果もある。既に世界の8割が携帯電話のサービスエリアとなっており、そのエリア内には50億人いるものの、実際に携帯を使っているのはその25%に過ぎない。こうした事情を踏まえ、我々は低コスト化を実現するソリューションに注力している。年内には、非常に安い携帯電話が登場することだろう」と語った。
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TI半導体事業の売上高
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DSP市場は順調に推移している
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日本にも生産・研究開発拠点が設けられている
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また、製品ラインナップについて同氏は、「顧客のさまざまなニーズに応えることは、重要な点の1つ。そうした中、我々はDSPをベースにしたDaVinciプラットフォームに注力している。DaVinciは、ローコスト端末からハイエンド端末まで、あるいは低消費電力を重要視する端末など、多彩な製品開発に利用できる。既にサンプル出荷は開始しており、OMAPとともに、多くの場面で採用されると考えている」と述べた。
テンプルトン氏は、プロセス技術について「現在、65nmプロセスでは最初のサンプル提供から8カ月で検証を終えており、量産出荷に向けて着実に進展している。他社では複数の企業が協力して技術開発する、というケースもあるが、TIでは、全て自社のみで開発、生産していくことがベストと考えている。これにより、最先端技術のメリットの享受につながる」と述べた。
このほか同氏からは、同社戦略の重要な項目として「成功を収めるための公式は非常にシンプルだ。業界をリードする製品を提供すること、開発・製造設備への投資を積極的に行なうこと。そして最も重要なのは、顧客と、深く継続的な関係を構築すること。我々と顧客の間には、互いへの信頼が必須と言える。顧客のニーズに、より早く対応していくことが重要だ。日本で学んだことだが、顧客に辛抱を強いるようなことがあってはいけない。当社は、さまざまな業界標準をサポートするなど、良いポジションにあると思っている。日本はもちろん、世界各地でサポートしていきたい」と、今後の事業展開に向けた意欲が示された。
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プロセス技術への取り組みも語られた
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自社だけで開発・生産するTIでは、新たに米国テキサス州に工場を設ける
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■ URL
日本TI
http://www.tij.co.jp/
(関口 聖)
2006/03/30 14:06
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