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ケースに入った「イルカーナ」。本体外観は、安全上の理由から公開されていない
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加藤電機は22日、ウィルコムのPHS網を利用して、現在地検索や緊急通知が可能な小型通信端末「イルカーナ」の説明会を都内で開催した。同社代表取締役社長の加藤 學氏やウィルコム ユビキタス事業推進部課長の福井 晃氏らが出席し、イルカーナの概要を紹介した。
■ 実験しながら概要紹介
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加藤社長
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警察庁のデータを元に、就学児が被害者となった犯罪状況を紹介
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カーセキュリティ事業を中核とする加藤電機で、子供向けセキュリティに取り組むことになった理由として、加藤氏は「増加傾向にあった車両の盗難件数だが、官民合同で取り組んだ結果、2年前より徐々に発生件数は低下しつつある。当社では『安心と安全を次の世代に』という言葉を企業理念として掲げており、保有する技術やノウハウを子供やお年寄りに役立たせたいと考えた」と説明。
イルカーナの特徴として同氏は、PHS網による現在地検索機能や緊急通知機能、小型ボディといった点を紹介した。会場内で、じょうろで水を降りかけて生活防水レベルの防滴性能をアピール。端末構造として、隙間となる部分にゴムのパーツを使っており、内部に浸水しないよう工夫されているが、会場内では水槽の中にイルカーナ本体を入れながら、位置検索するデモも披露された。加藤氏は「推奨するものではなく、深い池の底は電波が届かないこともあるだろうが、浅ければ動作するということ」と述べ、動作することが紹介された。
また、説明会スタート後に会場からイルカーナとGPS機能搭載の携帯電話を持ったスタッフが外に出て、どちらの端末がより正確な位置を示すか、検証するデモも行なわれた。外出したスタッフが地下鉄の駅構内にいるという状況で2回位置検索が行なわれたが、どちらもイルカーナのほうが、より現在地に近い位置を示していた。
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イルカーナ本体に水をかけて、防水性をアピール(本体部分にはモザイク処理をしています)
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会場からGPSケータイとイルカーナを持ったスタッフが出発
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左がGPSケータイの位置、右がイルカーナの位置。電話で確認したところ、イルカーナが示した位置のほうが近かった
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■ PHS網だから屋内でも位置検索できる
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ウィルコム福井氏
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ウィルコムの福井氏は、PHSの現状や、マイクロセルとマクロセルの違いといったプレゼンテーションを披露した。
同氏は「過去には繋がりにくいと言われたPHSだが、現在では人口カバー率が99%に近づいている。PHSの特徴は、省電力と低電磁波で、病院でも利用されている。今回登場したイルカーナは、W-SIMそのものではなく、PHSモジュールを内蔵した製品となる」と述べた。
位置情報検索の精度について福井氏は「アダプティブアレイアンテナが備わった基地局を高速道沿いなどを中心に展開しており、車両で移動中でも検索できる。地下についてもアンテナを設置している」と述べ、幅広いエリアでの対応能力をアピールした。
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加藤電機 沖田氏
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またイルカーナの技術面については、加藤電機 技術部 部長の沖田茂氏から紹介された。同氏は「端末はPHS通信機能とリチウムイオン電池などを内蔵している。一回充電すると約250時間、つまり10日に1回の充電で済む。ストラップを引っ張ることで緊急通知できるようにしているが、メールでは遅延などがあるため採用せず、回線交換で接続して自動音声で案内するようにしている」と述べた。
また、位置検索機能について沖田氏は「現在は100mくらいの誤差がある。郊外でアンテナがまばらな地域ではさらに誤差がある可能性もある。これをなんとかしたい、と考え、8割の確率で誤差を50m以下にできる独自アルゴリズムを今夏にも導入したい」とした。
このアルゴリズムは、加藤電機が開発したもので、技術を構成する要素は特許として出願済、あるいは今後出願される。技術の概要としては、端末からアクセスできる基地局10カ所の位置と電界強度のデータをサーバーに送信し、サーバー上でそのデータから現在地を推定するものになるという。PHSや携帯電話でも応用できるとのことだが、当面は同社だけの技術としてイルカーナでの活用が予定されている。
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緊急通知の流れ
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今夏には新検索アルゴリズムが導入予定。誤差50m以下を目指す
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■ レンタルと買い取りの2コース
4月からはオンラインでの申込受付が開始される「イルカーナ」だが、利用料は、端末買取コースで月額840円、レンタルコースで月額1,050円になる。月額料金とは別に、入会金5,250円と事務手数料3,150円が別途必要となる。また、緊急通報は1カ所につき1回53円、位置情報検索料は住所だけ表示する場合は1回32円、地図表示する場合は1回53円。
子供向けのソリューションとして提供するだけではなく、他社ブランドのサービスとしてのOEM供給や、運輸業や外回りの営業スタッフの管理といった業務用途、災害時の位置検索システムなどが想定されている。
■ URL
サービス概要
http://www.kato-denki.com/personalsecurity/irukana/
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(関口 聖)
2006/03/22 18:56
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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