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ドコモ中村社長、「先進と安心」で携帯電話の方向性を語る
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NTTドコモ 代表取締役社長の中村 維夫氏
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ACCESSは都内で同社主催のイベント「ACCESS DAY 2005」を開催した。基調講演にはNTTドコモ 代表取締役社長の中村 維夫氏が登場し、同社の携帯電話の今後について講演を行なった。
中村氏は、現在の携帯電話市場の状況や今後のロードマップに触れた後、今後の動向について「(携帯電話を)通信以外の用途にも変身させていこうという時代」と述べて、これがユビキタス時代への対応になるとした。それらを踏まえて「さまざまな企業とのコラボレーションが重要になる時代」と語った同氏は、厳しい競争による技術的発展に加え、より一層の顧客ニーズへの対応、社会環境への対応が重要とする。
「先進性を求めるユーザーがいる一方で、携帯は簡単でいいという人もいる。また、少子高齢化、災害対策なども以前にも増して大きな意味をもってきており、信頼、安全を求める要望の姿ともとれる」と述べた同氏は、「生活ケータイ」を謳う同社の今後の携帯電話を「先進」「安心」の2つのキーワードで表わし、大きく5つの項目で解説した。
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「先進」「安心」を5つの項目で解説
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「暮らし」の項目では、おサイフケータイの一連のサービスやモバイルSuicaを紹介。9月末時点でおサイフケータイが650万台を突破したこと、また2005年度末には「1,000万台を突破する」との予測を示し、対応店舗などの充実で「もっと目に触れることが多くなるだろう」と普及に自信を見せた。また、クレジットブランド「iD」の立ち上げやおサイフケータイでの対応、特徴に触れ、「少額決済の分野に新たな風を吹き込めれば」と意気込みを述べた。
同氏はこれらの特徴に対し、「セキュリティがより重要になる」と述べ、おサイフケータイの遠隔ロック機能を紹介するとともに、「さらに開発が必要」として引き続きセキュリティ面にも積極的に取り組んでいく姿勢を見せた。
「楽しさ」の項目では、902iシリーズで対応した新サービス「プッシュトーク」を「ネットワークを使ったいわゆるトランシーバー」と紹介。また、ワンセグ対応端末「P901iTV」は「来年早々にも発売する」として、先進の機能と端末をアピールした。
「これまで携帯の内容はインターネットを手本に進化してきた。今後はインターネットと連携していく」として、楽天と提携して開始する予定のオークションサービスに触れたほか、「詳しい内容はまだ決めていない」としながらも、タワーレコードとの提携にも言及。クレジットブランド「iD」の実験やポイントカードとの連携、トルカのサービスなど、店頭でおサイフケータイを利用してさまざまな新サービスを試していくとした。また同氏は「生活インフラとなるにはコラボレーションが重要」と述べ、他の企業との連携が重要であることを重ねて強調した。
「ビジネス」の項目では「M1000」を採り上げ、企業側でカスタマイズできる自由度の高いソフトウェアをアピール。固定網と移動網の融合を表わすFMCについても、企業での利用が発展する形で家庭へ拡大していくだろうとした。
「世界」の項目では、“世界で使える”という第3世代携帯電話の目標を示した上で、国際ローミングなどの同社のサービスを紹介。パケットローミングについては「iモードが使える地域も増やさなければならない」として、海外でのiモード採用国なども紹介した。
同氏は海外との関連で端末の開発についても触れ、「2GではPDCという独自の方式を採用し、日本のメーカーには申し訳なかった」と述べるとともに、日本メーカーの海外展開で遅れの一因を日本独自の通信方式にあるとした。一方で、「3Gではメーカーが世界に出るチャンスも増え、LG、サムスンなど海外からも端末が入ってくることになる」とし、世界で使えるという3Gの特徴は端末開発でも同様であるとした。
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「安心」への9つの取り組み
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同氏は5つの項目の最後に「安心」を挙げた。同社で取り組む9つの「ドコモ『あんしん』ミッション」を紹介し、その中から「災害への備え」「子供への配慮と保護」について説明を行なった。
「災害への備え」では、「iモード災害用伝言板サービス」を紹介。通話とパケットを別々に制御できるのネットワークの仕組みにより「(パケット通信の方が)通話よりも接続しやすいことが多い」とし、パソコン版を含めさらに認知度を上げていく必要性があるとした。
「子供への配慮と保護」においては、中村氏は「携帯は、実は負の部分を持っている。進化の速さに社会がついてこれない。最初はマナーが問題になり、匿名性の高さから犯罪でも利用される。通信事業者として正面から対処していかなければならない」と述べるとともに、モバイル社会研究所の取り組みなども紹介した。
さらに「子供への配慮も重要」と述べ、「やってはいけないことも教える」と小学校などで開催している「ケータイ安全教室」の取り組みを紹介し、「国とも組んでいかなければいけないと痛感している」と述べた。また、Kid's iモードなどの、機能を制限したiモードサービスにも触れたほか、「子供向けに特化した携帯も出していかなければならないだろう」と述べて、一連の課題に積極的に取り組んでいく姿勢を明らかにした。
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iモード災害用伝言板
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子供への取り組みも積極的な姿勢を示した
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■ URL
ACCESS
http://www.access.co.jp/
NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/
(太田 亮三)
2005/11/22 17:32
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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