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クアルコムが次世代携帯電話システム「IMT-2000」の事業認可の申請を検討していることが明らかになった。
IMT-2000の規格は、「DS-CDMA」(W-CDMA、日欧方式)と、クアルコムが提唱する「MC-CDMA」(cdma2000、北米方式)の2つがある。DS-CDMAについては、NTTドコモとJ-フォンがすでに採用を決めている。
もう1つの大手携帯電話事業者であるDDIでは、現在、IDOとともにクアルコムのcdmaOne方式によるサービスを提供していることから、MC-CDMAが採用されるものと見られていた。ところが、今年3月に入り、DDIがDS-CDMAを採用するのではないかという噂が囁かれるようになり、今回のクアルコムの動きは、こうしたDDIの方針転換に対する牽制の意味合いが強いものと見られる。
ところが、郵政省が決めた事業者数の制限により、国際的な政治問題に発展する可能性もある。同省では同一地域でIMT-2000によるサービスを提供できる事業者の数を3社までと規定しており、もしクアルコムが認可を申請すれば合計4社となり、いずれか1社がサービスを提供できなくなってしまう。
ただし、クアルコムには通信事業者としてのサービス提供のノウハウがないことから、単独では認可を受けられる可能性は低い。そのため、同社では国外の通信事業者と手を組むことを検討しているという。
クアルコムでは「MC-CDMAはDS-CDMAより優れた技術。携帯電話先進国と言われる日本で(3社とも)MC-CDMAを採用しないのはおかしい」と話している。
一方、DDI広報では「どちらの方式を採用するかは依然検討中。クアルコムとの交渉が決裂したという話は聞いていない」とコメントしている。
なお、IMT-2000の事業認可の申請締切は5月12日で、NTTドコモはすでに申請を終えている。
■ URL
参考記事「DDI-セルラーが採用する次世代規格は何?」
http://www.watch.impress.co.jp/mobile/news/2000/03/16/ddicdma.htm
参考記事「ドコモ、次世代携帯『IMT-2000』の事業認可を申請」
http://www.watch.impress.co.jp/mobile/news/2000/04/04/imt2000.htm
(湯野 康隆)
2000/04/18 15:39
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