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携帯メーカー各社の中間決算、シャープや富士通などが好調
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携帯電話を手掛ける国内メーカーの中間決算が続々と発表されている。携帯電話部門が属すセグメントが異なるなど、数値では単純な比較は難しいところだが、「好調」としたメーカーはシャープや富士通、東芝となっており、NECは出荷計画を下方修正するなど、明暗が分かれる状況となっている
なお、主要メーカーの中では、カシオが11月2日に、三洋が11月18日に中間決算を発表する予定となっている。
国内の携帯メーカーの中で、ユーザーから強く支持されているNECの中間決算は、低調な結果となった。連結ベースで見ると、売上高は2兆2,330億円(前年同期比97%)で、営業利益は130億円(同21.9%)、当期純利益は164億円(同65.2%)となった。携帯電話が属するネットワークソリューション事業は、売上高が8,113億円(同90%)、営業利益137億円。モバイル部門の売上高は4,180億円と、前年同期より16%減少した。
NECでは、携帯電話端末の出荷台数も公表。それによれば、第1四半期は240万台、第2四半期は230万台となり、上半期の出荷台数は470万台となった。前年同期では600万台という結果だったが、今回は130万台の減少となり、同社では年間出荷台数の予測を1,500万台から約500万台減らし、1,000万台強に下方修正している。
NECに続き、人気メーカーとされるパナソニック モバイルコミュニケーションズは、売上高が2,464億円(前年同期比85%)で、営業利益は53億円の赤字となった。親会社である松下電器産業の連結ベースにおける売上高は、4兆2,592億円(同99%)、営業利益は1,711億円(同109%)、当期純利益は644億円(同115%)となっている。
液晶事業が好調なシャープは、連結ベースでの売上高が1兆3,355億円(前年同期比106.2%)、営業利益が751億円(同96.8%)、当期純利益が365億円(同92.8%)となった。携帯電話が属すエレクトロニクス機器部門の「AV・通信機器」の売上高は5,140億円。このうち、携帯電話・PHS事業については、同社独自の液晶を搭載した3G端末などラインナップ拡充を図り、好調に推移したとして、売上高は2,200億円(同108.7%)という結果になっている。
NTTドコモ向けに端末を出荷しているメーカーとして、らくらくホンなど独自ラインナップの強みを持つ富士通は、連結ベースでの売上高が2兆1,923億円で前年同期より1.2%減、営業利益は476億円(前年同期比42.9%)、当期純利益は76億6,600万円となった。携帯電話やパソコンなどが属すユビキタスプロダクトソリューション事業の売上高は、4,984億円(前年同期比103.5%)となった。特に携帯電話部門については、「ユニバーサルデザインの端末が好調」とのことで、出荷台数は昨年より約15万台増加し、この中間期では169万台に達した。ただし、通期予想は昨年実績の349万台よりも低めに見ており、310万台になるとしている。
同じくドコモ向けを中心に端末を供給する三菱電機の中間決算は、連結ベースで売上高1兆6,478億円(前年同期比102%)、営業利益460億円(同106%)、当期純利益291億円(同153%)となった。携帯電話事業が属す通信事業は、売上高2,686億円、営業利益43億円の赤字となった。携帯電話は低調だったとのことで、通信事業部門での受注・売上が減少したと指摘されている。
グローバルに事業展開するソニー・エリクソンは、国内メーカーとは異なり、10月17日付けで2005年第3四半期決算(2005年7~9月期)が発表されている。それによれば、売上高は20億5,500万ユーロで、当期純利益は1億400万ユーロ。海外向け端末の「W800」などが好調で、販売台数は1,380万台に達し、前期や前年同期と比べても順調な成長を遂げている。
京セラの連結ベースにおける売上高は、前年同期より9.2%減となる5,453億円。営業利益は同43.1%減の353億円、当期純利益は同43.1%減の242億円となった。全体としては厳しい結果となったが、携帯電話が属する通信機器関連事業も同じく前年同期より減少し、売上高は910億8,400万円、部門利益は93億円の赤字となった。
auおよびボーダフォン向けに端末を投入している東芝は、連結ベースの売上高が2兆9,001億円(前年同期比104%)、営業利益が514億円(同101%)、当期純利益が146億円(同175%)となった。携帯電話やパソコンなどが属すデジタルプロダクツ部門は、前年同期比9%増の1兆1,629億円、営業利益は67億円となった。同社では、パソコンやストレージデバイスなどと同じく、携帯電話も好調と説明している。
カシオとともに、カシオ日立モバイルコミュニケーションズを設立した日立製作所の売上高は4兆4,133億円(前年同期比1.9%増)、営業利益は777億円、当期純利益は109億円の赤字となった。携帯電話を含むデジタルメディア・民生機器部門は、売上高が6,118億円、営業利益は162億円の赤字となっている。
メーカー各社:中間決算概要(カッコ内は前年同期比)
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売上高 |
営業利益 |
当期純利益 |
NEC |
連結 |
2兆2,330億円 (97%) |
130億円 (22%) |
164億円 (65%) |
個別 |
4,180億円 (84%) |
― |
― |
パナソニック |
連結 |
4兆2,592億円 (99%) |
1,711億円 (109%) |
644億円 (115%) |
個別 |
2,464億円 (85%) |
-53億円 (―) |
― |
シャープ |
連結 |
1兆3,355億円 (106%) |
751億円 (97%) |
364億円 (93%) |
個別 |
5,140億円 (112%) |
162億円 (107%) |
― |
富士通 |
連結 |
2兆1,923億円 (99%) |
476億円 (143%) |
77億円 (-94%) |
個別 |
4,984億円 (104%) |
166億円 (475%) |
― |
三菱電機 |
連結 |
1兆6,478億円 (102%) |
460億円 (106%) |
291億円 (153%) |
個別 |
2,686億円 (100%) |
-43億円 (43.8%) |
― |
ソニー・エリクソン※1 |
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2,867億円 (123%) |
145億円 (116%) |
― |
京セラ |
連結 |
5,453億円 (91%) |
353億円 (57%) |
242億円 (57%) |
個別 |
911億円 (69%) |
-93億円 (191%) |
― |
東芝 |
連結 |
2兆9,001億円 (104%) |
514億円 (101%) |
146億円 (175%) |
個別 |
1兆1,629億円 (109%) |
67億円 (-53%) |
― |
日立 |
連結 |
4兆4,133億円 (102%) |
777億円 (61%) |
-109億円 (-27%) |
個別 |
6,118億円 (95%) |
-162億円 (-153%) |
― |
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※1:第3四半期(2005年7~9月期)、金額は円換算(1ユーロ=139.48円)
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■ URL
NEC プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0510/2701.html
パナソニック IR情報
http://ir-site.panasonic.com/jp/
シャープ 投資家情報
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/report/
富士通 決算資料
http://pr.fujitsu.com/jp/ir/finance/2005h/
三菱 決算概要
http://www.mitsubishielectric.co.jp/ir/library/03.html
ソニー・エリクソン 決算短信
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/financial/fr/semc/q305.html
京セラ 投資家向け情報
http://www.kyocera.co.jp/ir/
東芝 投資家情報
http://www.toshiba.co.jp/about/ir/
日立 決算報告
http://www.hitachi.co.jp/IR/info/
(関口 聖)
2005/11/01 12:50
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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