KDDI、沖縄セルラーは、最大5人とトランシーバーのような音声通話や、テキスト・画像の送受信をリアルタイムに行なえる新サービス「Hello Messenger」に対応した三洋電機製「W33SA」、東芝製「W32T」、京セラ製「A5515K」を11月下旬より順次発売する。これに伴って、東京・原宿の「KDDI DESIGNING STUDIO」で記者発表会が開催された。
■ 今回のラインナップでエンターテイメント系を強化
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au商品企画本部 プロダクト統括部長の酒井清一郎氏
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発表会でプレゼンテーションを行なったKDDIのau商品企画本部 プロダクト統括部長の酒井清一郎氏は、今回発表された2005年秋冬商戦向けモデルを「多様なニーズに応える豊富なラインナップを実現」と説明。新サービス「Hello Messenger」や、ワンセグ放送対応端末の投入によって、エンターテイメント系が強化されたことで、「より多くのユーザーにauの商品を楽しんでもらえるのではないか」とした。
次いで同氏は、現状のauの携帯電話サービスを紹介し、着うたフルや音楽CDがリッピングできる端末などの音楽機能、今回のワンセグ対応EZテレビなどのテレビ機能、そして「Hello Messenger」のコミュニケーション機能、さらにパソコンとの連携を意識した「PCサイトビューアー」や、オフィス文書が閲覧できる「EZドキュメントビューアー」でエンターテイメント系を提供していると説明。そして、GPSを利用した「EZナビウォーク」「EZ助手席ナビ」「安心ナビ」の3サービス、おサイフケータイ「EZ FeliCa」、海外で利用できる「GLOBAL PASSPORT」で生活基盤系の機能を用意していると述べ、多彩なサービスであるとアピールした。
なお、今回の酒井氏の説明は、来年にも開始される予定のナンバーポータビリティを意識してか、auの商品ラインナップが多彩で豊富な商品群だと強調していた印象だ。このほか、シニア層や小中学生をターゲットにした「簡単ケータイS」や「家族割ワイドサポート」なども紹介していた。
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新サービスでエンターテイメント系を強化
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幅広い商品ラインナップをアピール
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■ GPS機能とも連携したEZテレビ(ワンセグ対応)
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EZテレビ(ワンセグ対応)の特長
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W33SAでは、他社に先駆けてワンセグ放送に対応する。同社がアナログテレビ機能向けに提供中の「EZテレビ」のワンセグ対応版という位置づけで、KDDIは今回とりあえず1端末投入することで、ユーザーの反応を見たい考えだ。KDDIのコンテンツ・メディア事業本部 メディアビジネス部長の園田愛一郎氏は、「ワンセグが今後標準機能となるかは、ユーザーに本当に受け入れられるかどうか、そこがポイントになる」と今後の対応状況を説明していた。
「我々は通信と放送連携の老舗」と語った酒井氏は、同社がFMラジオ機能を導入したことで、早い段階で放送連携機能の土台作りを行なってきたと述べた。その後、アナログテレビ向けの「EZテレビ」を提供するが、「EZ・FM」「EZテレビ」のサービスともに、放送中の番組から番組関連の情報や、楽曲検索が行なえるようになっている。
ワンセグ放送では、アナログ放送より低消費電力でクリアな画質・音声の放送が楽しめるとされている。EZテレビ(ワンセグ対応)では、こうした基本機能のほかに通信放送連携機能が用意されている。
例えば、テレビで放送中の店舗情報をデータ放送で確認し、さらにそこからEZナビウォークでナビゲーションサービスに移行するといった利用方法が展開可能だ。発表会後のタッチ&トライコーナーでは、日本テレビの情報番組(試験放送)からラーメン情報にアクセスし、店舗までをEZナビゲーションで案内するデモンストレーションが行なわれた。
さらに、auのコンテンツ配信サービス「EZチャンネル」も連動しており、EZテレビの選局時にEZチャンネルの番組も選択できる仕組みが用意される。これにより、テレビ受信エリアの圏外でも番組が楽しめるという。
ただし、ワンセグ放送の本サービスは、2006年の4月よりスタートする予定となっている。今回発表されたW33SAは、サービス開始よりも早く登場することになり、現状では、ワンセグ放送を提供する予定の各局が配信中の試験放送しか楽しめないことになる。発表会場の説明員は、「試験放送でどのような番組が提供されるかは、放送各局の判断」と語っていた。W33SAでは、こうした理由もあってアナログテレビチューナーが搭載されているという。
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GPS機能などauサービスと連携
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W33SAでは録画機能も搭載する
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試験放送では、汐留ラーメンの情報を配信
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「行き方を調べる」でEZナビウォークが起動。位置情報は、緯度経度情報を参照する
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そのままナビーションを開始できる
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■ 重野氏、法人向けPTTサービスも検討
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au商品企画本部 モバイルサービス部長の重野卓氏
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新サービス「Hello Messenger」については、au商品企画本部 モバイルサービス部長の重野卓氏より説明があった。
同氏は、新サービスについて「ケータイのコミュニケーションは、音声・メールといろいろあるが、従来は連絡手段という使い方だった。しかし、若い人はコミュニケーション自体が楽しいと考えている。米国ではPTTが人気だが、日本の若い人が使うのにトランシーバーでは面白くないと考え、音声だけでなく、テキストや画像をサポートした」と説明。ターゲットは、女子高生を中心とした頻繁にメールを利用するユーザーと、母親とその家族とのこと。
なお、デザイナーを起用し、プラットフォーム自体を提供することで、親しみやすいインターフェイスとなった新サービスだが、定額制ではなく、当初は従量制で展開される。これは、まず何回か利用してもらうことを考えた結果だという。定額制については今後、検討していくとしている。一方、海外のPTTサービスは法人用途で需要が伸びている。KDDIでは、「Hello Messenger」でまずはコンシューマー向けに提供し、今後法人向けを検討していくという。
このほか重野氏は、「Hello Messenger」について「ポストペットのようなコミュニケーションツール」とも語っていた。
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新サービスのポジショニング
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音声・文字・画像を使ったコミュニケーションを1つのプラットフォームで提供
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ターゲットは女子高生
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サービスの概要
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料金体系
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デザイナーの山下氏は「親しみやすいデザインを心がけた」と語っていた
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■ URL
ニュースリリース
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2005/1024/
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(津田 啓夢)
2005/10/24 17:11
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