ケータイ Watch
最新ニュースIndex
【 2009/06/26 】
携帯フィルタリング利用率は小学生で57.7%、総務省調査
[17:53]
ドコモ、スマートフォン「T-01A」を28日より販売再開
[16:47]
ソフトバンク、コミュニティサービス「S!タウン」を9月末で終了
[15:51]
ソフトバンク、ブランドキャラクターにSMAP
[15:34]
カシオ、携帯での閲覧にも対応した画像変換ソフト
[14:56]
テレビ朝日、iモードで動画配信「テレ朝動画」を開始
[13:54]
ファーウェイ、東京に「LTEラボ」開設
[13:22]
SoftBank SELECTION、iPhone 3GS向けケース3種発売
[13:04]
「G9」の文字入力に不具合、ソフト更新開始
[11:14]
アドプラス、iPhone 3G向けコンバージョンレンズ
[10:41]

CLAIRVOYANTE、液晶の明るさアップ・低消費電力を実現する新技術

PenTile技術を採用した液晶画面

クレアボヤンテ セールス部門バイスプレジデントのアル・デイビス氏(右)と、同社エンジニアリング プログラム ディレクターの西村俊一氏(左)
 米CLAIRVOYANTE(クレアボヤンテ)は、携帯電話などの液晶ディスプレイの輝度を向上し、かつ低消費電力を実現する「PenTile」(ペンタイル)技術を開発した企業だ。現在、国内では、パネルメーカー4社と導入に向けて作業を進めており、アジアでは、サムソン電子が今秋提供予定の欧州向け液晶パネルに同技術を採用する予定となっている。

 PenTile技術は、少ないサブピクセル数で、低消費電力で明るい液晶ディスプレイを実現する技術。同社では、VGA(640×480ドット)サイズの携帯電話向け液晶ディスプレイが、QVGA(240×320ドット)液晶の製造コストで提供できるとしており、液晶パネルメーカーやICドライバーメーカーにライセンス供与している。

 従来の液晶ディスプレイは、赤(R)緑(G)青(B)で構成される3つのサブピクセルを1ピクセルと見なし、QVGA(240×320ドット)サイズの液晶ディスプレイであれば、720のソースドライバーが必要だった。

 PenTile技術では、RGBにさらに白(W)を加え、2つのサブピクセルを1ピクセルとしているため、ソースドライバーがQVGA液晶で480と少なくなる。1ピクセルを3分割していたものが、2分割となるので、必然的に明るさが向上し、バックライトのLEDの数も従来の半分近くまで削減できるほか、ピクセル数が少ないためパネルを動かすクロック周波数も小さくて済むという。このため、低消費電力も可能となる。

 また、RGBWとなったことで、液晶のセッティングによっては輝度が2倍、コントラストが25%増となるため、従来の輝度を確保し、より低消費電力なセッティングといったことも行なえる。同社では、液晶ディスプレイの総合的な製造コストが削減できるとしている。



1ピクセルが2分割のため、従来のディスプレイよりも輝度が高くなる

BWを50%、周囲RGを12.5%発光
 キーとなる技術は「Subpixel Rendering」と呼ばれ、RGBWをそれぞれ独立してコントロールできる特徴がある。従来の液晶ディスプレイでは、白を表示する場合にRGBの3色を同時に100%光らせていたが、PenTile技術では、BWのピクセルが中心だった場合は、BWを50%、色補正を行なうために周囲RGを12.5%発光させる。また、RGが中心だった場合は、RGを50%、周囲のBWを12.5%発光させる。同社によれば、特定の距離から画面を見た場合に、人間の視覚にはそれが白にしか見えないという。人間の目とディスプレイの距離、そしてピクセルの大きさによってこの錯覚が生じる。つまり、携帯電話であれば30cm程度、パソコンであれば50cm程度というように、この錯覚が生じる距離とピクセルサイズの関係を守ることで、同技術は成り立っている。

 ただし、真っ赤なバックに緑の線がある絵など、原色の表示は若干苦手とのこと。クレアボヤンテのエンジニアリング プログラムディレクターの西村俊一氏によれば、「自然画に関しては全く遜色ない」という。

 PenTile技術を採用した携帯電話向けのVGAサイズの液晶は、今秋にもサムソン電子より出荷される。このほか台湾のパネルメーカーなども製品化を行なっており、日本のパネルメーカーも導入に向けた検討を進めているという。クレアボヤンテのセールス部門バイスプレジデントのアル・デイビス氏は、国内でPenTile技術を採用した端末が見られる時期について、2007年第1四半期頃と予測。ただし、携帯電話は検証までに時間がかかるため、デジタルカメラなどの液晶ディスプレイでの採用も考えられるとした。

 今回の技術は、低消費電力が可能なため、テレビ電話や動画などにも有効だという。テレビ放送を受信できる端末などでネックとなるのが、バッテリーの持続時間だ。同社では、今後の携帯電話向け地上デジタル放送の普及も見越してパネルメーカーにアピールしていく考え。

 なお、今回の技術は、10月19日~21日かけてパシフィコ横浜で開催される予定のフラットパネルディスプレイの総合展示会「FPD International 2005」でも紹介される予定だ。



URL
  CLAIRVOYANTE
  http://www.clairvoyante.com/


(津田 啓夢)
2005/08/30 18:34

ケータイ Watchホームページ

ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.