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無線LANとWiMAXのモバイルサービスが11月スタート

出資する各社の代表が手を取り合う

MIMO技術を用いた無線LANとWiMAXでモバイルサービスを展開
 ドリームテクノロジーズ、平成電電が共同出資するジョイントベンチャー、ジャパンワイヤレスは、11月より無線LANや、WiMAXを利用した無線ブロードバンド事業を展開すると発表した。今後音声サービスも提供し、携帯電話タイプの端末も登場する予定。これに伴って5日、各社の代表が出席して事業発表会が行なわれた。

 ジャパンワイヤレスは、ドリームテクノロジーズ55.5%、平成電電37%、ほかオープンループやアドテックスが出資するジョイントベンチャー企業。資本金は2億7,000万円。同社では、11月よりMIMO(Multiple Input Multiple Output)技術を利用した無線LAN(IEEE802.11a/b/g)やWiMAXによるワイヤレスモバイルサービスを展開する。バックボーンは、平成電電が全国に敷設する既存ネットワークを利用。

 同社はまず、MIMO技術を使った無線LANおよび5GHz帯(4.9GHz~5.0GHz)を利用した無線アクセスシステムのアクセスポイントを全国に敷設する。MIMO技術を導入すれば、従来約60m程度だった無線LANの通信範囲は約600mに拡大し、通信速度も最大108Mbpsまで拡張できるとしている。また、既存無線LANのアクセスポイントを全国に敷設するとなると、理論上、アクセスポイントを1,000万カ所に設置しなければならなかったが、同技術で通信範囲が拡大することで、設置カ所が20万カ所程度に抑えられるという。

 一方のWiMAX(802.16a)では、無線LANでカバーできない過疎地になど、より広いエリアをカバーする。こちらもMIMO技術が導入され、実現すれば、1アクセスポイントの通信可能範囲は2~3km、通信速度が最大75Mbpsのデータ通信が可能になるとしている。また、高い移動性も特長で、時速120km程度でも通信可能とのこと。ただし、モバイル向けのWiMAXは現在仕様が定まっておらず、国内では、先に仕様が定まった固定無線アクセス向けWiMAX予備免許が交付された段階だ。

 ジャパンワイヤレスでは、2006年頃を目途に、WiMAXによる音声サービスも提供する予定。当初は、パソコンを使った通話サービスとなる予定で、サービス開始から1年後には、スマートフォンのような携帯電話タイプの端末も提供する方針だ。独自展開を考えているため、現状では既存の携帯電話事業者と提携する考えはないとのこと。


アクセスポイントや無線LANカードのほか、屋外用アクセスポイントなど各種設備 アクセスポイントが搭載されるキオスク端末「デジらく」

 同社の戦略では、アクセスポイントのインフラが整はサービスを無償で提供し、提供エリアの拡大と共に2006年4月を目途に有料化していく予定。有料化された際もデータ通信サービスは使い放題の定額制となり、ウィルコムなどの定額データ通信サービスの1/2程度の料金で展開していくとしている。

 また、アドテックスが開発するコンテンツ販売機「デジらく」にアクセスポイントを搭載し、利用エリアの拡大が図られる。このキオスク端末は、書き込むメディア(DVD±R、CD-R、SD/miniSD、CF、MMC、メモリースティックDuoなど)を用意し、手軽にコンテンツを購入できるというもの。ゲームセンターや書店などに現在600台が設置されており、今後、大都市圏のネットカフェやレンタルビデオ店などに早急に拡大し、10,000台を普及させたい考えだ。

 さらに、無線LANのアクセスポイント拡大戦略として、目標アクセスポイント数の半分に相当する10万個の無線アクセスポイントを個人や企業に無償貸与する。無線アクセスポイントを設置するユーザーには、PCカードタイプの無線通信用カードが提供される。アクセス回線は平成電電に限定され、無線カードの利用料などは無料。ただし、アクセス回線の利用料はユーザーが負担する。なお、アクセスポイントはIEEE802.11a/b/gに対応し、貸与までに5GHz帯が提供可能であればそちらもサポートするという。

 発表会では、平成電電の代表取締役 佐藤 賢治氏が、ユーザーにアクセスポイントを貸与する今回のビジネスモデルについて説明。「今までの通信事業者の設備は、必ず通信事業者自らが設置する形態だったが、今回はユーザーと我々がネットワークを共有して、全国ネットワークを短期間に作ってしまおうというもの」とした。

 同社では、夏以降に大都市を中心に無線LANアクセスポイントを敷設する予定。以降、政令指定都市、県庁所在地などに設置し、2006年夏には人口カバー率を50%までにしたい考えだ。カバー率5割を目途に有料化に踏み切る方針で、2007年夏までに無線LANとWiMAXの組み合わせて人口カバー率85%を目指すという。

 事業概要について説明したドリームテクノロジーズの山本 勝三氏は、「設備投資先行型のビジネスでは、当初は利益があがらない。デジらくを主要都市に設置することで収益を上げる」とした。また、企業のビル内にアクセスポイントを設置することで、個々の企業のネットワークソリューションを請け負うような事業展開も予定しているという。

 同氏は「このビジネスで大切なのは、全国に誰よりも早く無線LANのアクセスポイントを置くこと。しかし、設備投資先行であまり赤字にならないようにしたい」とし、設備投資コストとして予定している100億円は、デジらくと企業ソリューションの提供で回収できるとの見解を示した。

 ジャパンワイヤレスでは、2006年12月に加入者累計18万人、年間売上げ23億円を見込む。サービス開始から5年後の2010年の加入者累計294万人、売上約1,621億円を目標に事業展開していく。


各社の役割 WiMAXの特長 無線LANの特長

通信インフラのイメージ 提供されるサービス ビジネスプラン

サービス展開スケジュール アクセスポイント設置スケジュール 売上高予測


URL
  ニュースリリース
  http://www.hdd.co.jp/news/news20050705.html


(津田 啓夢)
2005/07/05 18:14

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