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ドコモ、2004年度決算は減収減益に

 NTTドコモは、2004年度連結決算を発表した。営業収益は前年比4.0%減の4兆8,446億円、営業利益は28.9%減の7,842億円、税引前利益が17.0%増の1兆2,882億円、当期純利益が15.0%増の7,476億円となった。


減収減益の背景に料金割引

中村維夫社長

中村維夫社長
 中村維夫社長は、「2004年度は、お客様の目線に立った経営を推進することに力を注ぎ、各種の割引施策の実施、端末ラインアップの充実、ネットワーク品質の向上などに取り組んだ。残念ながら減収減益の決算となったが、競争力の着実な向上を図ることができた」とコメントした。

 同氏は、具体的な成果として、純増シェアが2003年度には36.5%であったものが、2004年度は48.7%に拡大したこと、解約率が前年の1.21%から、2004年度は1.01%に改善されたことを示し、「とくに下期は、純増シェアが53.5%に達し、解約率は0.96%と1%を切った。下期の方が成果があがっている」と、下期にかけて競争力が向上していることを強調した。

 また、ムーバからFOMAへの順調なマイグレーションも2004年度のトピックスとした。「4月末時点で1,200万契約を突破し、当初の予想を上回るハイペースで推移している。昨年12月からの最上位となるFOMA 901iシリーズを投入し、さらに今年2月からはスタンダードモデルとなるFOMA 700iシリーズを発売したことが契約の増加につながった」とした。

 こうしたFOMAへの移行促進が図られながらも、減収減益となった背景には、やはり各種割引施策の影響が大きいとされる。この1年の間に、昨年4月のファミリー割引の割引率拡大を皮切りに、10月からのグループ内におけるiモードメールの無料化、今年2月から「2か月くりこし」サービスで使い切れなかった無料通話分をグループ内で共有するサービス開始するといったように割引施策が相次いだ。

 宇垣義昭常務取締役は、「料金割引の影響は約1,400億円」と説明。これが利益を大きく圧迫したほか、「この料金割引を含む携帯電話の収入の減少で約2,000億円、収益連動経費をはじめとする販売関連経費の増加で約600億円、PHSの減損で約600億円のあわせて約3,200億円の営業利益への影響が出た」とした。

 一方、税引前利益の大幅な伸張は、AT&Tワイヤレスの株式売却に伴う収入などが影響しているのが要因とされている。


FOMAへの移行が進む、PHSとクイックキャストは終了へ

宇垣義昭常務取締役

宇垣義昭常務取締役
 事業別に見ると、携帯電話事業は、営業収益が前年比4.0%減の4兆7,411億円、営業利益は23.4%減の8,720億円。FOMAサービスは、2月に1,000万契約を突破、3月末には1,150万契約に到達し、前年比277.7%増の伸び。しかし、FOMAのARPUは、音声ARPUが6,380円、パケットARPUが3,270円、総合ARPUが9,650円と、総合ARPUで前年に比べて630円の減少。「各種料金施策の影響と、中低利用層のFOMAへの移行が要因」(宇垣氏)としている。

 また、ムーバは、コンパクトおよびシンプルをコンセプトとした「premini」、ミュージックプレーヤーおよびFMチューナーを内蔵した「Music PORTER」などの個性的な製品を投入。「企画端末と呼ばれるこれらの製品が、好調な売れ行きを見せた」ものの、FOMAへのマイグレーションが進み、2005年3月末時点では前年比13.8%減の3,732万契約と減少した。ムーバのARPUは、音声ARPUが5,160円、iモードARPUが1,640円、総合ARPUは6,800円と、前年に比べて総合ARPUで1,030円の減少。料金割引施策の影響と、FOMAへのマイグレーションが影響しているという。

 FOMAとムーバをあわせた契約数は、3月末時点で4,882万契約となり、前年同月の4,632万契約から増加している。

 PHS事業は、営業収益は16.7%減の631億円、営業損失はマイナス859億円の赤字。前年に比べて504億円赤字幅が増大した。上期は@FreeDの販売促進に力を注ぎ、データ通信利用ユーザーが増加したものの、音声利用者の契約数の減少が影響。さらに、FOMAへ経営資産を集中させることを理由に、PHSの新規申し込み受付を2005年4月末で終了したことに伴い、事業資産の減損損失として604億円を計上したことが赤字につながった。3月末での契約者数は131万件で、前年比17.5%減となった。

 クイックキャスト事業は、新規申し込み受付を2004年6月末で終了。さらに2007年3月にサービスを終了することを決定しており、こうした影響もあって、営業収益は23.5%減の46億円、営業損失はマイナス51億円の赤字となった。

 その他事業では、音声の国際ローミングサービスに加えて、パケット通信、テレビ電話、ショートメッセージサービスの国際ローミングサービスを2004年12月から開始。FOMA初の国際ローミング対応端末「N900iG」を発売したことなどがプラスに働いたほか、公衆無線LANサービス「Mzone」についても、国際ローミングサービスの開始や、国内においても東京メトロの165駅でのエリア化が完了するなど、利用環境の整備を推進。営業収益は24.8%増の358億円、営業利益は126.3%増の32億円と増収増益となった。


FOMAの契約者数目標、2005年度末に2,410万

 同社では2005年度の連結業績見通しも発表した。これによると、営業収益は、前年比0.8%減の4兆8,050億円、営業利益は3.3%増の8,100億円、税引前利益が37.0%減の8,120億円、当期純利益が33.5%減の4,970億円とされている。

 営業利益が前年を上回るのは、携帯電話の割引施策などがマイナスとなるものの、PHSの減損分がなくなること、FOMAを中心とした携帯電話端末の販売収入の増加で約400億円が見込まれること、2004年度に発生した基地局などの償却費、除却費が減少するといったプラス要素が影響するためとしている。

 中村氏は「営業費用の削減にも取り組みたい」とし、代理店手数料の削減のほか、FOMA 700シリーズの導入や外国メーカーの参入による調達コストの引き下げ効果、店舗の見直しおよびコストの2割カットといったコスト削減策のほか、IP化によるネットワークコストの低減、基地局の見直し、オペレーションセンターを9カ所から2カ所に、資材センターを11カ所から5カ所に削減するとともに、さらに携帯電話端末の配送ルートの見直しに着手。さらに、FOMAカードの参入企業を2社から3社にすることでの競争力強化、不採算事業の見直しなどにも取り組むという。

 「AVトラフィックやリアル連携などの新サービスでの収益を高めたいが、これが新たな収益源として立ち上がるにはもう少し時間がかかる。これが利益の回復が緩やかである理由」とも語り、「ノントラフィックビジネスをいかに立ち上げるかが鍵であり、クレジット事業への取り組みや、携帯電話端末をいかに広告媒体として捉えるかといったことにも取り組んでいきたい」などとした。なお、三井住友カードとの提携については、「細部を詰めている段階であり、2005年度の業績予想のなかには加えていない」とした。

 また、同氏は「2006年度に予定されている番号ポータビリティ制度の実施、新規企業の参入などが見込まれ、当社を取り巻く環境は変化が激しい。そのなかで、端末ラインアップの充実、付加価値の高いサービス、低廉な料金プランなど、各社の競争も激しい。料金競争が激化する一方で、2Gから3Gへの移行が進み、2つのネットワークインフラに投資をしなくてはいけないという状況も業績の悪化につながっている」とここ数年の状況を総括した。

 同氏は「2005年から2006年にかけては、FOMAへのマイグレーションがピークになると見ており、2005年度末には2,410万のFOMA契約を目指す」と発言。「ムーバの契約者数は前年比28.7%減の2,660万契約と見込んでおり、2005年末時点での全携帯電話の契約者数は5,070万。逆算するとほぼ半分をFOMAが占めることになる」(中村氏)とし、2005年度は、FOMAの契約者増加を最重点課題とする姿勢を示した。

 FOMAへの設備投資は、2年続けて8,000億円の投資計画に対して、いずれも8,500億円とするなど前倒しで整備。2005年度末のFOMAの基地局数は屋外で2万4,000、屋内で5,500に達する予定だという。FOMAの設備投資は、今後も継続的な投資を行うものの大規模な投資はこれでほぼ完了する見込みだ。

 また、HSDPAについては、「今年中に開発段階を終えて、2006年度にはサービスを開始する」としている。



URL
  決算関連資料(NTTドコモ)
  http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/investor_relations/balance/balanc_j.html


(大河原克行)
2005/05/10 18:56

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